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【21卒以降】就活ルール廃止でどうなるの?を解決します

〇はじめに

経団連は2018年10月9日に2021年春採用からの就職活動の日程を決める「採用選考に関する指針」(以下、就活ルール)の廃止を正式に決定しました。これによって、60年以上続いてきた経済界主導の「就活ルール」に終止符が打たれることとなりました。
それで、巷では21年卒から就活ルールが廃止されるぞ!!今の大学二年生からは通年採用になるから就活への意識を高めに持っておいた方が良いぞ!!なんて言われているわけですね。
しかし、実際この就活ルールが廃止された後の就活ってどうなっていくのでしょう。
今回は就活ルールに関する経団連と政府の動きから、21年卒以降の就活の変更点について本当のことをみなさんにお伝えしていこうと思います。

〇そもそも経団連とは?
経団連の正式名称は一般社団法人日本経済団体連合会といいます。経団連は、1946年に日本経済の再建・復興を目的とした経済団体連合会(経団連)に由来します。現在は、日本の代表的な企業1,376社、製造業やサービス業等の主要な業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などが属しています。つまり、誰でも知っているような大企業が集まったグループということです。

〇変遷

そもそもこの就活ルールは1953年に「就職協定」企業側と大学側などが結んだことに始まります。
近年は『大学3年生の3月に会社説明会、大学4年生の6月に採用選考を解禁』とする現行ルールがあっても、6割がこのルールを無視したリクルートをしていることが内閣府と文部科学省が行った調査で明らかになるなど、実際は罰則がないため形骸化していることが指摘されてきました。
経団連の中西宏明会長(日立製作所会長)は10月9日の定例記者会見でこの点を指摘し、「経団連はルールを作って徹底させることが役割ではなく、強制力もない」と述べており、これからは経団連が作ってきた就活ルールを廃止することで経済界主導ではなく、政府がルール作りを主導する形に変わることが決定しました。

〇就活ルールって守られてないの?

内閣府と文部科学省が行った就職活動に関する調査の中で、経団連の指針で定める面接解禁日を守っていない企業が62.4%に上回ることが明らかになりました。前回調査では、3.1ポイント低い59.3%だったことから、就活ルールの形骸化がますます進んでいることが言えます。
そもそも経団連が決める就職ルールというものは経団連に所属する日系企業が制約されているものであるため、一足先に内定を出す外資系やベンチャー企業などに優秀な人材が採られてしまわないように囲い込みに必死であるという事実もあります。
「じゃあ、就活を前倒しにしたらいいじゃん!」と思うかもしれませんが、大学側は学生の本業である学業に専念できなくなるとして早期の就職活動には賛同していません。
また、就職情報サイトディスコ(東京)の調査(9月末~10月初旬、回答数:企業1302社)では、6割強の企業が就活の「ルールは必要」と答えていることから、就活ルールというものは守られていないが企業にとって就活ルールは「目安」となっていたことがわかります。

〇21年卒以降の就活はどうなるの?

政府は2018年10月15日に就職や採用活動に日程に関する関係省庁連絡会議の初会合を行いました。そこで、21年卒春入社組に現行ルールと同じ日程を適用することに大筋合意し、10月29日に正式に公表されました。
つまり、21年卒の就活は現行と同じ『大学3年生の3月に会社説明会、大学4年生の6月に採用選考を解禁』となったのです。
この理由としては、大学側からは「ルール変更がないほうが混乱しない」、経団連側からは「当面は何等かのルールが必要」との意見が出たことでまとまりました。
さらに、政府主導となったことで、これまでは対象外であったIT系や外資などほかの経済業界にも就活ルールの順守を要請することになりました。
22年卒以降についても来年度に議論はするが、当面は今の日程を維持する方向で経済界や大学側と調整することが示されました。
また、未来投資会議で進める議論も踏まえ、政府は今後、就活ルールの検討と共に、中長期的に通年採用の普及促進や新卒一括採用の見直しも進める考えであることも明らかにしています。

〇終わりに

最後に21年卒からの就活ルールの変更点についてまとめます。
①現行通り『大学3年生の3月に会社説明会、大学4年生の6月に採用選考を解禁』
②政府主導となったことで対象外であったIT系や外資などほかの経済業界にも就活ルールの順守を要請
③政府は中長期的に通年採用の普及促進や新卒一括採用の見直しも進める考えを持っている

いかがでしたでしょうか。
経団連主導の就活ルールが廃止され、政府に移ったことによってこれまで対象外であった経済業界にもルールが適用されるようになったということは大きな変化といえるでしょう。
政府主導となったといっても、このルールを企業側が確実に守るということは実形骸化しているため難しいかもしれません。
しかし、21年卒以降もこれまでと同様の日程で就活が行えるというだけで21年卒以降にとっては見通しが立てやすくなるのではないでしょうか。

【参考】
・就活、面接解禁6月を維持 政府、21年卒のルール決定(2018年10月29日 日本経済新聞)
・どうなる就活? 新ルール政府主導、学生の評価割れる(2018年10月10日 朝日新聞)
・就活日程 「21年卒は維持」正式決定 企業への罰則なし(2018年10月30日 東京新聞)
・就活ルール「ないと採用しづらい」企業の6割 民間調査(2018年10月17日 朝日新聞)
・経団連ホームページ(http://www.keidanren.or.jp/profile/pro001.html)

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