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【決定版】"選挙の4P"を押さえて、投票先を決めよう

はじめに

「投票先ってどうやって決めればいいんだ…?」
投票に行こうと決意しても、このハードルが大きく立ちはだかります。

選挙期間には、いつもに増してマスメディアや政治家から発信が増えます。
情報が溢れる中で、自分ののぞみを政策として実現するために、1票を託せる投票先はどのように選べば良いのでしょうか?

その答えを知る手がかりは、多くの先人らの議論にあります。
あえて断言しましょう。
この記事で紹介する「4Pの法則」を使えば、必ず納得のいく投票先が決まります。

1.「選挙の4P」とは

ご想像どおり、「4P」とは上記4つの英単語の頭文字を取ったものです。
投票先を選択するにあたって、有権者は意識的か無意識のうちかに、必ずこの4項目を重視しているのです。(1)(2)
では、このフレームを理解した上で、JAPAN CHOICEを役立てながら、実際に投票先を決めてみましょう!


①Party(支持する政党)
 様々な争点について政党は選挙のたびに公約を出し、今後のスタンスを示しています。そして、候補者は、当選後国会において、原則として政党の立場に従って行動します(難しくは「党議拘束」と呼ばれ、法案への賛否等は政党の決定に拘束されます)。
よって、1つ目のP、Party を投票先を決めるための判断材料にするためには、
・どの政党のスタンスが自分の意見に沿っているか ( ②で扱います。)
・候補者はどの政党の公認・推薦を得て出馬しているのか
を確認すればよいのです。

▶︎自分の選挙区の候補者が誰かわからない?
そんなときは、JAPAN CHOICEの「候補者を見る」で30秒で確認してみましょう!


②Policy(政策争点) 

 すでにご説明したように、候補者の法案への賛否等は政党の立場に左右されるため、政党がどのような政策を公約としているかは、投票先を決めるにあたって非常に重要な判断基準となります。
 2つ目のP、Policyを活用するためには、
・政策争点について自分の意見を持ち、
・どの争点を重視したい/すべきなのかを見極め、
・各政党の政策立場を理解する
必要があります。(3)

自分の意見を持つためには、どんな争点と政策立場があるのかについて全体像を理解することが役立ちます。

▶︎まずは、争点立場について全体像を知りたい?
そんなときは、JAPAN CHOICEの「政策を比較する」サービスで、15のテーマに関して各政党の公約の比較を確認してみましょう!


▶︎自分はどの政党と政策立場が近いのかを確かめたい?

そんな疑問に答えるのが「投票ナビ」です。
質問に答えていくだけで、あなたの考えに最も近い政党をマッチングします。

これらのサービスが取り扱っている15のテーマは、特に与野党が争点と位置づけるテーマ、あるいは有権者の関心が高いと想定できるテーマを選んだものです。
もちろん、あなたが判断基準としたい争点は他にもあるかもしれません。JAPAN CHOICEから飛び出して、各政党の公約原文や党首討論もぜひ確認してみてください。


③Personality(人柄等候補者の属性) 

 支持政党や政策に加えて、なんといっても候補者本人の情報も欠かせません。特に、同一政党から複数の候補者が立候補しているときはこの3つ目のPが重要ですね。あなたが叶えてほしい政策を実現できる人なのか、吟味してみましょう。例えば以下のような質問が想定できます。
・能力や経歴は?
・親しみやすさや誠実さなど人柄は?
・カリスマ性や知名度は?

議員の候補者といっても一人の人間です。候補者がどのような人生において、これまでどんな世界を見、これから何を語るのか。
もちろん、「候補者を見る」サービスから各候補者のSNSやWebサイト、選挙広報を確認することも重要でしょう。あるいは、直接街頭演説を聞きに行ったり、公開討論会に参加するのも良いかもしれません。


④Performance(過去の業績)
選挙の度に候補者や政党は、将来における国民との約束を主張します。まずは、これからのことについて主張することは大切です。
とはいえ、この世の中は「言うは易く行うは難し」という局面がたくさん存在します。
だからこそ、過去その候補者や政党がどんな約束を主張してきて、どう実現してきたのかについて、最後のP、Performance を確認することも大切です。

▶︎すべての過去の公約について現状を確認するのは大変?
公約実現度」サービスを使って、前の選挙で政権与党が掲げた公約が今どうなっているのかを確認しましょう。

また、各政治家のWebサイトやSNSでは、個々人の業績も掲載されています。
ぜひ「候補者を見る」から各候補者の業績をご確認ください。

▶︎もっと計量的な視点で政府の動きを知りたい?
予算を知る」では、政権与党が、予算をどのように政策分野に割り振ってきたのか、その額と経年変化が直感的に確認できます。

▶︎前回の選挙から主要な政治的出来事は何で、世論はどう反応してきたのか振り返りたい?
世論を追う」では、全国規模で世論調査を行っている全国紙とテレビ局各社のデータをひとつにつなぎあわせて可視化しました。この6年に起きた政治的できごととともに、政界と日本の世論を振り返ることができます。

 世論の動きに着目すれば、過去に内閣支持率が大きく変動したとき起こっていた事象を自分はどう捉えるのかによっても、自分の考えがど政権与党に近いのかどうか考えることができます。ぜひじっくりご利用ください。


2. 4つのPを組み合わせて計算する

大切なのはここからです。
投票先を決めるための切り口として、4つのPを紹介しました。
ここから決定に至るには、この変数をうまく料理し、納得の行く結論の出し方をしなければなりません。

私たちが提案する、その料理方法とは「足し算」です!

まず、自分の選挙区の候補者を縦軸、4つのPを横軸に列挙して表を作成ます。
そして、各Pについて5点満点で表の空欄を埋めていってください。

最後に各Pの点数を組み合わせて高かった候補者が、あなたの投票すべき候補者です。

※なお、「選挙の4P」を使うのは選挙区に立候補した候補者の場合です。比例代表については、Personality(人柄等)を除いた3つのPで決めることができます。



3.ベストではなくベターを決める選挙

この「4Pの法則」は、投票先を決める基準を要素分解し、計算するものです。
この考え方の根底にある概念は、「選挙とはベストではなくベターな候補者を選ぶ」ものであるということです。それぞれ異なる人が社会を構成するように、自分と完璧にマッチする候補者などいないでしょう。
限られた選択肢の中で、最もベターな候補者をなんとか選び抜く。その決断の積み重ねにこの国の未来があると信じています。



★この記事はJAPAN CHOICEとの連動して選挙と政治を多方面から分析したシリーズです。ぜひ他のサービスもご利用ください。

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【参考文献】
(1) Campbell, A., Converse, P. E., Miller, W. E., & Stokes, D. E. (1960). The American voter. Oxford, England: John Wiley.
(2) Fiorina, M. P. (1981). Retrospective voting in American national elections. New Haven: Yale University Press.
(3) Rabinowitz, G., & Macdonald, S. (1989). A Directional Theory of Issue Voting. American Political Science Review, 83(1), 93-121. doi:10.2307/1956436
(4) 飯田健, 松林哲也, 大村華子(2015) 『政治行動論 : 有権者は政治を変えられるのか』有斐閣ストゥディア

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