四つ葉のクローバー

クローバー畑が好きだ。
見ると放っておけず、ワクワクして駆け寄ってしまう。

小学生の頃から、四つ葉を見つけるのが好きで、クラスメイトみんなにあげたくて、ずっと夕暮れまで探した記憶がある。最初はないかな~と思って探しはじめるが、ある気がしてずっと見ていると、次第に脳の感じが変わってきて目の錯覚みたいな事が起こり、四つ葉が一つ、また一つ…と湧いてくるみたいになるのだ。

たくさん見つけた四つ葉を押し花にして、小学校卒業の前にみんなに渡したかった。でも何だか恥ずかしくて、結局あげられなかった。

街中でも、雑草に混じって生えているクローバーが、たまに何か訴えかけているような気がするときがある。たとえば、ショッピングセンターの駐車場の脇のような場所。そんなとき、そっとしゃがみ込んで見ると、ちゃんと四つ葉がそこにあるのだ。


とある夏、主人の知り合いに誘われて淡路島にBBQに行った。
場所はメンバーの中の知り合いの古民家。広い庭にはクローバーが群生していた。
主人の後輩たちと、四つ葉ないかな?と探し始めた。
なかなかないねぇ~などと、ゆったり世間話をしながら探す。

しばらくクローバーを見つめていると「あった!」大きな四つ葉が見つかった。「わ、すごい」喜んでくれる後輩の皆さん。うれしくなって、ぐっと集中して探す。すると、さすが自然力の強い場所、どんどん見つかる。

気づいたら目の前に現れているのだ、異次元から来たみたいに。
夢中になって四つ葉を数えていくと、88個。その頃には後輩たちもドン引きしたのか少しずつ、その場を離れて行った。

やりすぎてしまった、ある夏のちょっと苦い想い出でした。

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