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史上初の「世界バスケットボールデー」世界の動きまとめ🏀~前編~

2023年12月21日は、史上初の「World Basketball Day(世界バスケットボールデー)」でした。チームスポーツで国連の記念日に認定されたスポーツはバスケットボールが初、ということで、(日本ではまだあまり広くは知られていないかもしれませんが)国際的には注目を集めています。

12月21日は、1891年に米国マサチューセッツ州のスプリングフィールドの国際YMCAトレーニングスクール(現:スプリングフィールド大学)で世界で初めてバスケットボールがプレイされた日として、日本でもこれまで「バスケットボールの日」として祝されてきました。そして、開発者は、カナダ出身の体育教育者ジェームズ・ネイスミス(James Naismith、1861~1939年)で、「冬季に、室内で、誰でもが楽しめるボールゲーム」というコンセプトで考案したものであることは、すでに多くのバスケファンには知られています。

そして、バスケファンが信奉するその「12月21日」が、国連からも認められる意義ある記念日となったのは、今年のFIBAワールドカップ開幕日、8月25日のことでした。経緯の詳細はまた別途調べてまとめたいと思いますが、フィリピンを筆頭に、インドネシア、ニカラグア、ペルーなど77カ国のイニシアティブから、国連決議に至ったようです。

「史上初の”世界バスケットボールデー”」当日は、各国のバスケットボール関連団体等が、様々な活動やイベントを展開し、発信していたようですので、その熱狂冷めやらぬうちに、Next Big Pivot の活動の一環としてここにまとめたいと思います。

1)国連

国連公式サイトには、現在紛争中のガザとパレスティナで実施されたバスケットボールイベントの写真とともに、史上初の "世界バスケットボールデー”設立の背景と経緯、また「バスケの力」について、丁寧に記載されています。当日は、「バスケットボールと平和~ Julius "Dr. J" との対話」と題した国際会議が実施されました。映像もありますので、ご興味ある方は是非ご視聴ください。

東京にあるUNIC(国連情報センター)所長の根本さんもツイッターで発信してくださっています。

https://twitter.com/KaoruNemoto/status/1738000780525982088

2)IOC(国際オリンピック委員会)

IOCも、「世界バスケットボールデー」の特別記事を公開、とくに女性バスケットボール選手(WNBAプレイヤー)に焦点を当てています。

https://olympics.com/en/news/celebrating-world-basketball-day-some-of-the-best-hoopers

SNSでは、日本代表の48年ぶり自力オリンピック大会出場の歴史的快挙をご紹介頂いていました。


3)FIBA&FIBA財団

FIBA公式サイトには、アンドレアス・ザグリス事務総長のコメント入りで紹介記事が掲載されています。

「"世界バスケットボールデー" の設立をこの上なく誇りに思うとともに、バスケットボールが世界中の多様な人々のために果たすべき有益な役割について、これまでも、これからも評価頂いている国連及びその他パートナー団体の皆様に心より感謝申し上げます。」

「バスケットボールが、このような評価を頂く最初のチームスポーツとなったという事実は、バスケットボールが社会的価値をもたらすこと、またバスケットボールを活用した社会貢献には無限の可能性があることをわかりやすく体現したもの、またそれが認められたということでもあります。」

それに対し、国連ジュネーブ本部の Tatiana Valovaya 事務局長は、以下のようにコメントしています。

「2030アジェンダ(SDGsのこと)に完璧な形で連携し、バスケットボールは持続可能な発展を可能にする強力なツールです。試合のみならず、人々の認識を変え、偏見に対して挑み、そして世界中のコミュニティをひとつにまとめるプラットフォームとして機能するものです。」
スポーツの、多様な経歴や文化を持つ人々をつなぐ力は、人々がつながり受け入れられるための世界共通言語として機能しているともいえる、誠に素晴らしいものです。」

世界バスケットボール界最高峰の記念館、”the Patrick Baumann House of Basketball”では、国連やIOC等の関係者を招いての記念イベントが開催されるようです。その内容も、またフォローしたいと思います。

本当の「社会的価値」とは、スポーツ界以外の人々にこのように認められることなのだと、改めて感じました。

4)NBA

世界最高峰のプロバスケットボールリーグ、現在、八村塁選手や渡邊雄太選手も活躍中のNBAも、大々的な発信をしています。公式サイトには、コミッショナーのアダム・シルバー氏のコメントも。

「NBAファミリーは、世界バスケットボール界とともに史上初の"世界バスケットボールデー”を祝福できることに心が躍っています。ジェイムス・ネイスミス博士がスプリングフィールドのYMCAでバスケットボールを考案してから130年以上が経ちましたが、「世界バスケットボールデー」は、バスケットボールというスポーツが、国境や文化、言語の壁を越え、世界中の人々をつなぐことができることを再認識する良い機会になると思っています。」

さすが今や世界100カ国で放映されるNBA,「世界バスケットボールデー」に際しては、以下のような多岐に渡るイベントが世界中で開催されるようです。

・国連でパネル
・NYで外交官ピックアップゲーム(20カ国参加)
・NYで若者支援クリニック
・NBA Cares のパッキング支援活動
・ユースとのオンライン対話
・エジプトでゴール&コート設置

盛りだくさんな内容ですが、こちらもまた機会を見つけて詳細フォローしたいと思います。

5)NCAA(全米大学体育協会)

NCAAも公式サイトで特集記事を掲載しています。「On World Basketball Day,  global roots are cause for celebration」と、わりと本質っぽいタイトルではありますが、内容的には、米国中心の視点で、国際的な「世界バスケットボールデー」の視座とは少し違う感じです。今日に至る”米国”バスケの歴史がシニカルな表現で、カジュアルなトーンで綴られていますので、米国バスケオタク向けな内容です(苦笑)。オタクだという自信のある方にとっては面白いかもしれません。

まあ、「今季は40カ国から125名の海外選手を要する」NBAと違い、NCAAは米国の組織ですし、米国中心な文化が強いですから(富永選手等の日本人は活躍していますが)、こういう感じなのも納得感はあります。私も2021年に登壇させて頂いた NCAA Final Four Talks で人種差別問題を中心に取り上げるなど、社会的責任活動はきちんと実施していますので、優良スポーツ組織だとは思いますが、女性アスリートに振り切るIOCと対象的だと思いました。

以上、世界の代表的なバスケットボール関連団体の動きについて、まとめてみました。後編では、もう少し世界を見渡してみて、いくつか事例をお伝えできればと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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