20230703

 僕は彼女に謝らなければならない。その繰り返しの人生である。

 私の調子はいつも不安定だ。毎度のことすぎて最近ではその予兆を感じて自ら対策できるようにさえなりつつある。とはいえ、気分が落ち込みだしたタイミングでは必ずと言っていいほど周りに余計なデリカシーのない言動をこれでもかと投げてしまう。そうしてその変化に気付いたときには自己嫌悪の渦に呑まれるのだ。

 もっとも彼女の立場からすれば迷惑な話である。急にひどいことを言うようになったと思えば次に話したときにはいきなり謝罪から始まり、おわびにご飯に行きたいだのプレゼントしたいだの言われての繰り返しで、誰がこんな男を頼れるものだろうか。そんな私を一年以上相手してくれているというだけで頭が上がらない。まともに付き合った女性はそれほど多くはないが、私と付き合ってくれる人はこの関門をたやすく乗り越えてはプラスアルファで軽々と私を励まし、導いてくれる立派な人しかいない。そう思うたびに私はある意味でいい人を引き当てる運だけは間違いなくずば抜けていることを自覚する。

 さて、そんなこんなでまさに今、自己嫌悪のど真ん中にいる私は果たしてそれらを自覚した上で彼女に次にどのようなアクションをすべきなのだろうか。あるいはここで変わったアクションをすることこそが悪影響をもたらしてしまうのであればますます考えものである。やはり私の頭にパッと出てくる手段といえばここ数日の失言に対する謝罪を真っ先に行った上で仕事終わりにご飯に行く約束を取り付けることであるが、これは短絡的すぎるだろうか。これさえすれば喜ぶだろうという思いが見え隠れしていないだろうか。本当なら週末に彼女の喜ぶことを企画したいのだが、あいにくこんな時に限って私には珍しい友人との大阪旅行が待っているのだ。そのため、この際お金のことは気にしないが時間だけはどうにも取れないので、仕事終わりのプランを考えるしかないのだ。

 話は変わるが、私と彼女は昨年の6月の終わりに付き合いだしてから毎日(正確には付き合う直前から)夜にお電話をすることを欠かさない。当然、毎日驚くようなトピックはお互いに持ち得ないが、それでも今日あったことやお仕事が忙しいこと、今度の休みの予定、昔の話、あとは好き好き言って毎日30分〜1時間は対話を欠かさない。これが彼女にとって迷惑に感じられたらいよいよだと考えている。話すことがなくてもしんどくない関係こそが生活をともにできる条件だと考えているからだ。だからこそこれだけは私はやめてはいけない習慣だと思う。というかやめる訳にはいかない。

 ここまででわかるように私は重たい人間だ。迷惑ばかりかけている、自覚もあるのにやめられない、相手には悪いがこんな生き方をしている側もとても辛いのだ。ただ、相手に変わってほしいときにはまずは自分が行動を起こして変わるべきなようにやはり今回も静観ではなく何らかしらのアクションを私が起こすべきなのだ。まずは今晩のお電話で素直な気持ちを伝え、かといって余計なことは言わない慎ましさも忘れずに彼女に向き合いたい。


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