マイノリティとして暮らすこと


ケニアでの生活も慣れて、働くことにも文化も楽しんでいる今日この頃。

ただ、日々の中でふとした瞬間気にかかるなってことがありました。

これは海外に行った日本人なら誰でも経験する機会はあると思われる
「マイクロ・アグレッション」
について。

差別とは知らずに差別になる言葉を使用している、何気ない差別のことを言います。

私が経験したのはこんなこと。

同僚がテレビつけたらたまたま中国映画が放映されてました。
すると同僚が
「中国人はみんなこんな目(目を吊り上げるポーズ)をしてるけど、君の目は僕たちみたいに丸いね。日本人も中国人みたいだと思ってたよ。」
と私に言ってきたのです。

もちろん彼に悪気はない。ただ気になったから聞いただけ。
でもそのポーズはアジア人差別で使用されるポーズなので私としてはいい気はしませんでした。
日本人と中国人の違いが難しいのは、私たちがウガンダの人かケニアの人かタンザニアの人なのか見分けつけるのが難しいのと似ている状況だと思うので仕方ないと思います。
ただ、そのポーズは良くない。
私は彼に
「ただの質問ってことはわかってる。でもそのポーズはアジア人を侮辱してる行為だからやめてね。」
と伝えました。
彼は
「そうだったんだね!説明わかりやすいと思って、ごめんね。」
と伝えてくれました。
このように悪気ない差別行為をされることがあります。
それと同時に自分はしていないか怖くなりました。
知らないうちに傷つけてないか
知らないうちに差別用語を伝えていないか
気をつけてても無知のせいで傷つけてしまうことがあるかもしれないと気づきました。

お互いに気をつけて、気持ちよく過ごせたら良いと思う経験でした。

しかし同僚の中には
(患者さんに向かって私を指差しながら)
「ほら、ムズング(スワヒリ語で白人を指す)がきたぞ!挨拶!」(笑いながら言う)
だったり、
「ムズング!あれ取って!」
「ムズング!ほら行くよ!」
という人がいます。

ムズングは特に差別用語ではありません。
見ず知らずの人に私のことを紹介するときに使ったり、患者さんに分かりやすく説明するのに私のことをムズングっていう時もあります。
そこは全く気にしてない。

ただ、同僚で私の名前知ってるのにその呼び方されるのは流石に不愉快でした。
「私は〇〇だよ!」って名前を伝えても
ムズングを使い続けるので流石に呆れて全て無視。

それを察した他の同僚が注意してその日は終了。
勤務終了時注意した同僚が私に
「決して差別用語ではないけど僕は君にムズングって使いたくない。君にはちゃんと名前あって僕たちは友達であり仲間だ。僕は友達のことは名前で呼ぶと決めてるよ。」
と教えてくれた。
このちょっとした気遣いや心がけが本当に嬉しかった。
異国で1人でいる私にとってこの言葉がどれだけ嬉しかったか、仲間って言ってくれたのもどれだけ嬉しかったか。

日本にいると気づかなかったマイノリティになるということ。
心細くも感じ、時には傷つくこともある。
でも周りの暖かさに気づける経験を持つこともできる。
マイノリティになって、気づけた経験がたくさん。

嫌な経験も良かった経験も、この経験はこれからもあると思うけど、一つ一つの学びを大切に、私も言動に気をつけて生きていきたい。

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