「この試合の終わるあと10分かそこらの後に三井寿は今を覚えているだろうか。」
「この試合の終わるあと10分かそこらの後に三井寿は今を覚えているだろうか。しかし記録には残る。そして戦慄とともに見ている人々の記憶にも――」
青春スポーツ漫画の金字塔『スラムダンク』。
冒頭の言葉は、累計発行部数1億部を売り上げたこの作品の、伝説の最終戦、VS山王で使われたナレーションです。
余りにも有名な漫画なので、タイトルを見ただけでシーンが思い浮かぶ人も少なくないのではないでしょうか。
体力の限界を超え、何故立っていられるか敵も、己でさえも分からない状況で渾身の3pointシュートを決める三井寿。
そんな彼の状況を客観的に説明するナレーションです。
名言の宝庫である山王戦の中では、少し地味な部類の言葉かもしれません。
しかしながら、僕はこの言葉がスラムダンクの中で一番好きです。
このセリフには、僕は何度も励まされました。
意志の弱い僕に取って、気持ちが負けそうな時や、精神的に弱っている時にいつも思い出す言葉がこれです。
なぜこの台詞で励まされるのか?
それは端的に言うとこんなことです。
「今自分がどんだけ弱っていようが、辛い思いをしていしていようが、今やった事というのは自分の意思に関係なく人生に記録されるんだ」
と。
辛くてもやってしまえば記録されるという"事実"には、本当に支えられます。
それは、落ち込んだ時にとった行動は、落ち込み度合いによって天引きされるということはないということです。
3pointシュートは3ポイント。
どんなに辛かろうが、投げだしたいと思っていようが、入ってしまえばそれが2点になったり、1点になったりすることはありません。
辛くても、、勉強すれば知識は増えてしまうし、走り込めば体力がついてしまうし、勢いに任せて思いを綴る夜があれば、朝起きた時にどれだけ後悔してもそこには詩ができてしまっているのです。
無かったことになんて、なりません。
『行動した事は、必ず結果として記録され、後から付いてくるのです。』
僕はこのことが堪らなく素敵な事だと思います。
行動した人だけが先に進めるこの世界が好きです。
三井寿は意識を失いそうになりながら3pointシュートを打ちましたが、現実世界では、そのシュートは落ちることの方が多いかもしれません。
でも、打たなければ入ることも無いのです。
そして人間という生き物は、辛くてもシュートが打てる動物だと信じています。
今の自分の気分に関わらず、行動は記録されます。
満身創痍になりながら3pointシュートを決めた三井寿を思い出して、僕はいつも挫けそうになる自分を鼓舞しています。
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