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本屋の理想形

ここ数年、本屋をやりたいという野望を密かに持っていた。
過去形なのか現在進行なのか、最近はちょっとわからなくなってきていたが…。

この本は、一目見たときから「読んでみたい!」と思っていた。
タイトルがいい。訳者の勝利だと思う。

『ハーレムの闘う本屋』(ヴォーンダ・ミショー・ネルソン[著] R・グレゴリー・クリスティ[イラスト] 原田勝[訳])

1940年代に、ニューヨークのハーレムに本屋を開いた男の一代記である。
本屋の名は、「ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア」。
男の名はルイス・ミショー。

この本屋が扱うのは、黒人に関する本のみ。
ブラック・ナショナリストの活動にも多大な影響を与え、マルコムXも入り浸っていたという。

ミショーは、本によって黒人の意識を変え、知識を得て意識を高めることにより世の中を変えていこうとした。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストアは、単に「本を売る店」で終わらず、サロンやカフェや図書館、教育の場、カウンセリングルーム、スピーカーズコーナーetc. としての機能も果たしていた。
ミショーは、人々を励まし、目を開かせ、憩わせ、立ち寄ったその人が今読むべきと判断した本を手渡していた。

読後、「こんな本屋ができたらいいなぁ」と、野望が再燃してきてしまった。
どうする自分。

#コラム #読書 #書店 #本屋