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走る人は美しいなー

毎年恒例の箱根駅伝沿道応援を終了。
若者が疾走する姿には、感動する。
理由なんかどうでもいいんだ、とにかく「頑張れ」と声が出るのだ(CMそのまんまでスミマセン)。

そして、全くもってそのまんま、直球、なんのひねりもないのだが、やっぱりこの本を引っ張り出してきた。

『風が強く吹いている』(三浦しをん 著)

それまで漫然と箱根駅伝を見ていた私に、駅伝の見どころを教えてくれた一冊である。
読んだ当初は、「準備期間一年で箱根に出場」という筋はやはり夢物語だよなーと思っていた。
しかし、「こういうこともあるかもしれない」「こういうことがあったらいいな」と思わせる著者の圧倒的取材力と筆力でぐいぐい読ませる。
実際、今年の東京国際大の活躍には、この小説を思い出さずにはいられない。

そしてこの文庫版の、最相葉月の解説が泣けるほど良い。
著者が描きたかったことを的確に捉えて、その努力に惜しみない感嘆の言葉を書き連ねる。
三浦しをんがインタビューで語っている言葉も、創作する者の心構えがパキッと語られていて共感。
「解説が付いてておトクだったよなぁ」と思える文庫本の一つである。

#コラム #箱根駅伝 #本紹介