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本紹介

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#読書感想文

考えさせられすぎる

考えさせられすぎる

『春にして君を離れ』(早川書房) 読了。著者はアガサ・クリスティーですが、発表当時は身分を隠しメアリ・ウェストマコット名義で出版されています。アガサ・クリスティー名義で出すと「なんじゃこりゃ〜!」と本をぶん投げる人が続出する懸念があったのですね。確かに今でも「ちょ、なにこれ!」という人もいるかも。

ミステリー成分がゼロ、中年女がモヤモヤモヤモヤウダウダウダウダ考えまくるだけの(笑)、そして発

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魔女のともだち

魔女のともだち

心が疲れているときは児童書を読むことにしている。『クローディアの秘密』でおなじみカニグズバーグの 『魔女ジェニファとわたし』(E.L. Konigsburg 著, 松永 ふみ子 訳,岩波書店)を読んだ。

↑ お値段間違ってます

「ぼっち上等。私はあんたらフツーの人間とは違う魔女なんだし」みたいに超然としているジェニファ(実は私も高校生くらいまでこんなスタンスで生きていました笑)。
そんなジ

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デストピア小説なのだろうか

デストピア小説なのだろうか

胸ぐらをつかまれて揺さぶられたようなショック。
「あなたが生きているのはこんな世界ではありませんか?」って言われて「え、ああ、まあそのうちにそんな感じになるのかなあ、あははは、はは…」と力なく笑うのかオレ。

多和田葉子著『献灯使』(講談社文庫)を読みました。
いま、いまのこのときに読んで余計にグラッときました。

それにしても言葉の使い手としての力量がすごいですね。
実は多和田作品を初めて読みま

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