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ドッキングステーションと有線アダプタ、それぞれの有線接続品質を検証する(回線が重要なe-sports、格ゲーマー向け)

長文なので、お急ぎの方は目次から結論へどうぞ。

背景

Ankerのドッキングステーションを買った。今回はこの製品の有線LAN接続による回線の質を検証する。まず買った背景を以下に書く。
業務ノートPCと私用ノートPCの間で、(ついでにこれ良いよって書いとくんだけど)SHUREのUSB接続ダイナミックマイクや、1つのディスプレイに対するHDMI接続を付け替える手間が死ぬほど辛かったためだ。また、これも面倒で機会を失っていたのだが、業務ノートPCにはUSBType-Aポートがついてないので、ノートPCの操作のためにお好きなキーボードを使う、というのもなかなか手間のかかる話であり、収納の奥でRealForce(この最高のキーボードを知らない人の為に現在お勧めの型(日本語配列)をリンクしておこう)が今も泣いている。
このドッキングステーションはPC切り替えによる付け替えの手間を最小限にしつつ、USBType-Aポートも増やせるのでRealForceも泣き止んで良いことづくめのはずだ。当初はこの役目のためにはKVMスイッチとやらを望んでいたのだが、最近はもうそれはモニターに組み込まれているのが流行りのようで、ドッキングステーションの方が安く・お手軽なようだった。故にドッキングステーションに決めた。
しかし私は回線品質にうるさい格ゲーマーであり、エンジニアである。そこにあるからといって有線接続を無暗に信頼して何も考えず使って良いのだろうか?否、検証すべきだ。そうでなければ、私はそれを自称できなくなる。
ノートPC格ゲーマーとかwだと?ああん?300Hzだぞこちとら(イキリ

本題に入る前にドッキングステーション使用上の注意点

PCに刺して、HDMIやマイクはすぐに認識してくれたのだが、困ったことにLANケーブルやマウスなどが認識されない。電力不足を疑いもしたが、ユニットテストに失敗したので関係なし。
OSの認識の問題か?と閃いて、全部繋げたまま再起動してみた。直ったし抜き差しも可能になった。解決。
これはこの製品に限った話ではないかもしれないので、別のドッキングステーションを買う人も一応頭の片隅に入れといて欲しい。
また、接続すると別のアダプタによる接続と解釈されるため、MACアドレスが変わる。ルータ側の設定でMACアドレスに固定IPを振っている人は要注意だ。お勧めとしては、新しく増えたドッキングステーションによるイーサネット設定に対して、直接接続の時と同じIPを手動で要求するようにすれば、ポート開放設定などが引き継げる上、ドッキングステーションの付け替えを行っても別のPCのポートが開くことはない。

本題

目的

ノートPCに直接LANケーブルを刺したときの速度をベースラインとして、様々な条件下でLANケーブルを接続し、回線品質の変化を比較する。
検証途中で、有線LANアダプタというLANケーブルを刺すその一点のみの機能を有する製品の比較も気になったので、追加して比較することにする。

ドッキングステーション用語解説

  • バスパワー
    刺したPCのポートからの給電に依存する。基本的にType-C接続は実用上十分な給電があるため、特別電力消費の大きなもの刺さなければ気にならないはずだが…。

  • セルフパワー
    特定のポート(この製品ではPD-INと刻印されたType-C)に電源を接続し、追加の給電を行うこと。応用すれば、セルフパワー状態のドッキングステーションでは、ノートPCへの電源供給も可能となるため、各ノートPCの電源アダプタも不要になって幸せである。(多分、ゲーミングノートPCには無理だろうけど)

実験方法

主な使用機材

前提

  • ドッキングステーションを繋ぐノートPCのポートがUSB3.2(Type-C/Gen2)である

  • 有線LANアダプタを繋ぐノートPCのポートがUSB3.2(Type-A/Gen1)である

  • 全ての機器が1000BASE-Tに対応している(1Gbps対応と書かれたものもあるが、等価とみなす)

条件

  • 測定比較サイト

  • 念のためノートPCのWifiは切った

  • ドッキングステーションにはHDMIやマイクやマウスはつけたままを維持(モニタは50FPSと高め)

  • 測定に使うLANケーブルは1つの同じものを付け替えて比較した

実験結果

ベースラインとなるノートPC直接接続

I'm ready...
上記画像の通りである。これが他の全ての結果と比較する基準となる。

バスパワーによる接続

You can't escape!
レイテンシも速度も悪化、以前Wifi接続で測定してみた時とほとんど変わらないではないか!全国の格ゲーマーよ!少なくともドッキングステーションのバスパワーによる有線接続はやるな!絶対に!!

有線LANアダプタによる接続

ふむ、こうなると有線LANに変換するアダプタは全部駄目なのか?という疑問がふつふつと湧いてくる。いつもSwitchを有線にするために使っているドッキングステーションではない単機能のアダプタを持ち出してきた。結果は以下。

エルボー!(ブラボー!)
レイテンシ変わらないし速度はもう誤差でしょう。どうやらこれは実用的らしい。良かった!

セルフパワーによる接続

ワーオ!
最高だ!これはもう直接接続と変わらないじゃないか!実用的で回線品質にうるさい格ゲーマーも安心して使うことができるぞ!ちなみにセルフパワーにはMacBookの電源を拝借した。

結論

回線品質にうるさい格ゲーマー諸氏は、ドッキングステーションを使うとき、絶対にバスパワー(USB給電依存)で運用してはいけない。必ずそのドッキングステーションが別途電源を確保しているかどうかを見るべきだ。セルフパワー(給電追加)可能ならセルフパワーにすべきだ。
また、Switchで使ってたUSBTypeA-有線LAN変換するだけのアダプタが、直接接続と遜色なく、こちらも安心してプレイできることが判明した!良かったなスマブラー達!


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私についてと、大好きなゲーム紹介

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