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水都のクラシックホテル

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かつて、大阪の中之島、今橋に存在したホテルのお話です。
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大阪ホテルと住友の人々

大阪ホテルと住友の人々

財閥の中で最も長く古い歴史を持つ住友家。
尾道会議を経て、住友が銅山経営から銀行業へと重点を移す節目となる年−−冒頭で引用したのはその年開かれた住友銀行開業祝賀会の様子を伝えたものです。
住友銀行初代支配人・田辺貞吉による第一披露会が三度開催された後、行主である住友吉左衛門友純(以下「住友友純」「友純」と呼称する)主催の第二披露会会場に選ばれたのは大阪ホテルでした。

今回のnoteは少し前、X-

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水都のクラシックホテル②今橋の大阪ホテル

水都のクラシックホテル②今橋の大阪ホテル

【大阪ホテル 今橋時代】1.絵葉書‐今橋支店から本店へ

大阪ホテル今橋時代本店

中之島本店の焼失により、以降は支店だった今橋ホテルが大阪ホテル本店となります。今橋の西詰めにあった元逓信省西部管理局の建物を改築したもので、清水組が施工を請負いました。

今橋時代の内装(ラウンジ・応接室・客室)

煌びやかな中之島本店と違い、「みなさまのホテル、気楽なホテル」として家庭的な雰囲気を織り込んだ今橋支

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水都のクラシックホテル①中之島の大阪ホテル

水都のクラシックホテル①中之島の大阪ホテル

明治35(1902)年、外国人観光客の誘致が盛んに行われる中で、国内ガイドの統率を主な目的として5大ホテル同盟が結成されました。
加盟したのは帝国ホテル、富士屋ホテル、金谷ホテル、都ホテル、そして大阪ホテルです。これらは形や名称を変えながら現在も歴史あるホテルとしてゲストを迎え続けています。ただ唯一、大阪ホテルのみ建物も会社も今はもう何処にも残っていません。

それでも大阪ホテルが確かに在った事は

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