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建物さんぽ#9 鹿島海軍航空隊跡(後編)
趣味:建物探訪&散歩、「古い建物を見ながらコーヒーを飲みたい」が口癖の私が各地の建物を巡った記録をまとめていきます。
今回は、茨城県の鹿島海軍航空隊跡の後編です。
あまりにもありのまま
前回紹介した本庁舎のほか、広い敷地内にはいくつかの施設跡が残されている。
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草原の中ぽつんと建つのは汽缶場跡(ボイラー室)。大きな煙突がそびえていて、近づくと迫力がある。
あまり手を加えずに保存する、という施設の意向で、壊れたガラス窓なんかもそのままになっていて。
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中にも入ることができる。
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こういった施設は、入れる場所が制限されていることが多いため、こんな中まで入れることに友達と感激し合った。
朽ちていく中で
こちらは、ボイラー室の奥にある自力発電所跡。
屋根も壁も落ちていて、中は植物に侵食されている。
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こちらも中に入ることができる。天井には何かに使われたのだろうU字型のレールが。
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残されている一部分からかなりの施設だっただろうことがわかるけれど、それも今は全部緑に埋もれていて。
訪れる人も私たち以外ほとんどおらず、しんとした空気がそこここに満ちていた。
なんとも言えない場の雰囲気に、しばらくここから動けずにいた。
本庁舎を見ながらのモツ煮
大体を見終えて駐車場に戻ると、長い旅行を終えて帰ってきたような気持ちだった。
駐車場そば、受付のあるガレージには、ベンチと椅子が用意してある。小さな売店もあり飲み物と軽食(モツ煮!)などをいただける。
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みんなでツタに覆われた本庁舎を見ながらモツ煮を食べた。
朽ちつつある建物を見ながらモツ煮。こんな経験、これまでもこれからもないだろうな。
他の古い建物も訪れてたびたび思うが、建物の老朽化と、どこまで手を入れて保存していくかというのは難しい問題だと思う。
ケアをしなければ倒壊の危険もあるし、ただやみくもに手を入れてしまうと失われる価値やムードみたいなものもある気がして。ぴかぴかになりすぎて、これではない感が出てしまっている建物もあるし。
鹿島海軍航空隊跡は、現在進行形でその難しい問題に立ち向かっているのだ。
必要以上に手を入れないという方針をとるがゆえに、その建物たちの歴史を想起せざるを得ず、ひときわ強い印象を残す場所だった。
前回はこちら。
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