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葉月某日日記。

某日。

夏休みなので、毎日子どもの世話をしながら仕事をしている。

そして、そういうときにこそ、カロリーが高くて集中しなければならない仕事がいくつか重なったりする。

そして、この夏は数年ぶりに帰省するはずだったのだがコロナの感染拡大もあり、泣く泣く断念したことも地味にしんどい。


やってられねぇ!!!!!!!!!


そう思って、やけになって美容室へ行き、イヤリングカラーとして耳近くの髪をピンクに染めてもらった。

数年色を入れたくて、あれこれ理由をつけてはふんぎりがつかずにいたのに、ストレスで追い込まれたらこんなにも簡単にアクセル踏めるんだなと我ながら感心したり。


漫画「ご近所物語」の主人公も、どうにもこうにも行き詰まると髪を金やピンクに染める子だったなと思い出す。

繰り返し読んでいた彼女の気持ちが数十年後にわかるとは。


前のカラーの影響で希望のピンクには近づかなかったが、初心者にはちょうどいいピンクブラウンになり、鏡を見ては悦に入る日々。



某日。

Mrs. Green Appleに夢中になる。

ふらりと気まぐれに立ち寄ったカフェで偶然流れた音楽が、洋楽のような渋いメロディとコーラスで「え、かっこい…誰…」と慌ててShazamに聞かせたらMrs.の曲だった。

なんとくなくは知っていたが、こんな音楽も作る人たちだったのかとちょっと意外で他の曲も聞いてみると、多幸感あるメロディラインの曲があるかと思えば、ゴリゴリ強めの曲もあり。

私はいろんな引き出しのある、変幻自在のバンドにめっぽう弱い。気づけばそれから毎日耳がMrs.を求めている。


特に「ニュー・マイ・ノーマル」は、音楽なのに目の前にいろんな色彩が現れ、きらきらと視界が彩られていくような鮮やかさがある。

音楽を聴いて目の前の色が塗り替えられる、絵を見て音が聞こえる、文章を読んで香りがする…そんな、本来その作品に必要のない五感を呼び覚ますものに出会えると、とても嬉しい。


某日。

仕事で、自分の実力ではうまくいかなかったことにほぞを噛む思いをする。

私に才能や力があれば、誰にも納得してもらえる素晴らしい答えが出せたのに違いないと思うとふがいなく、とんでもなく悔しい。


仕事終わりにひとり風呂に入って、反芻しては湯船の中でぎりぎりとしている中で、

「悔しいと思うならまだ戦えるね」

という、漫画「ブルーピリオド」のセリフがふっと脳裏に浮かんだ。


今、悔しいのは、ゴールが自分の実力では届かないときっぱり諦めがつくはるか遠いところではなく、少し頑張れば届くようなところにあるから。


もしくは、ここを突破することが自分の新しい武器になるという期待があるからかもしれない。


そう考えると、折に出会うこんな悔しさは必要だ。

今更どうにもならない悔しさに奥歯を噛み締めつつ、やってやるぜとから元気を出しつつ進むことにする。

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