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それが“結び”、それが“夫婦”。【企画参加】


まるで夢の景色のように、ただひたすらに

ー「「美しい眺めだった」」

『君の名は。』オープニングより。


「おはよう☀️」

「おはよう〜☀️」

いつも通り、朝のあいさつから始まる一日。
違うのは、夫が私で、私が夫、ということ。




遡ること、二日前。

目を覚ますと、いつもと違うポジションで寝ていた。私が手前で、夫が奥だったはず、、。

夫らしき人は、いつも通り頭まですっぽり布団をかぶって、かくれんぼ状態。かと思えば、足は丸出しなので、すぐ見つかる。物心ついた時から、こうして寝てるって言ってたっけ。

ピピピ

目覚ましの音で隣の人がぶわっと目覚める。昨日あんなに帰りが遅かったのに、朝はちゃんと起きるからサラリーマンだなあ、と思う。


あれ?
夫じゃない?私が隣にいる。

あれ?
私が夫だ。


聞いたことがある。最近、ちまたで夫婦の入れ替わりが流行ってるって。どうやら我が家にもその風が舞い込んできたらしい。

数日も経てば、元に戻るらしいけど、どうしようか、、。


「あれ?入れ替わった?」
夫は何事にも動じない。

「そうみたい。」
私も現実を受け入れる。

今日から、夫が私で、私が夫、だ。




試しに、夫の体で出勤してみた。
みっちりスケジュールに、膨大な仕事量。こりゃ、二日酔いの体には堪える。

忙しいだろうに、妻への業務連絡はいつだってマメだし、本当よくやってくれている。

何でもひょいひょいとやってのけてしまう夫にはやはり敵わない。



私の体に入っている夫は、というと、、。

今ハマっている、革財布作りに没頭してたとのこと。

洗濯物は乾燥まで洗濯機にお願いして、私の可愛いブラウスはしっわっしわの仕上がりだった。「全然着れるよ」と、何の励ましなんだか。

掃除はルンバがやってくれる。

ご飯は近くのお惣菜やさんで調達してきたみたい。

主夫やってるな〜。できちゃってるな〜。



(私の体にいる)夫に聞いてみた。

「私の生活をまだ延長できるとしたらどうする?」

「家事業務をどうすれば時短できるかを考えるよ。」

「考え終わったら?」

「家事業務をなくす策を考えるよ。」

とことん効率化を求める。必要でないと思うことは何が何でもやらないのは、なんとも夫らしい。


(私の体にいる)夫が聞いてきた。

「僕の体で気付いたことある?」

「視野が狭いね。」

「何それ。」

「食卓に出されたサラダとか、テーブルの隅っこにあると食べ忘れるでしょ?お茶碗の端にご飯粒の塊が寄ってて気づかないとか。」

「ああ。」

「あれ、すごい不思議だったんだけど、夫さんになって気がついた。ずっと仕事のこと考えてるから、生活において視野が狭いんだね。」

「そうかも。」

夫は家にいるとき、びっくりするくらい視野が狭い。だが、気付いた。見えていないのではなく、見ていない、ということに。

生活を大切にする私とは、見ている世界が違うのかも。




ピピピ

いつものポジション。手前で私が寝ている。隣にいるのは、、夫だ!

どうやら、元に戻ったらしい。

「今日は私が私みたい。」

「ほんとだね。僕が僕だ。」

「おはよう☀️」

「おはよう〜☀️」

それぞれの一日が始まった。





入れ替わってみて、思った。

たまにはいいのかも、と。

風邪みたいに、夫婦の入れ替わりが流行ったら、
それを口実にパートナーの立場を経験してみる。それぞれの目線で物事を考えてみる。

そしたら、普段イラっとすることも、こういう理由があったんだな、こう考えていたんだな、とハッとするかもしれない。


それに、人の目線で自分を見てみるのも面白い。第三者から見る自分。ここは気をつけないと、こんな一面もあったのか、、と新たな発見が待っているかもしれない。


例え、入れ替わりがないにしても、
パートナーとたくさん会話をして、「ここが嬉しい」「ここが楽しい」「ここが悲しい」「ここが嫌」を、知ることはできる。

そうすれば、相手の気持ちがちょっとずつでもわかるようになるし、自分の意外性や良いところも、もっと気付けるようになるのかも。


それを続ければ、見える景色も変わってくる。

きっと。



・・・

今週も、珈琲次郎さんの企画に参加させていただきました☕️
お題は、「パートナーと入れ替わったら」です。

珈琲次郎さん、いつも楽しいお題をありがとうございます✨


みなさまもぜひぜひ、ご参加ください〜^^♪




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