おじさんの傘、傘、傘。【企画参加】
ポツポツポツ
雨が降ってきた。
夫が帰ってくるまであと1時間ほど。
小雨のまま、天気がもってくれるといいのだが。
ボツボツボツ
ベランダの手すりに勢いよく雨が落ちる音がする。本格的に降ってきた。まあ、傘はいつも持ち歩いてるし大丈夫か。
…
「ただいま~」
「おかえり~」
夫が妻のいるダイニングルームに入ってくる。
その姿は、水も滴るただのおじさん、だ。それもぐっしょりと。
「え?!傘持ってなかった??」
「持ってたよ。」
夫は、そう返答だけして、タオルで濡れた髪を拭い、着替えてから席につく。
「風邪ひくから、傘ささないと。」
「うん。ちょっと考え事してて。」
夫はたまに、雨に濡れて帰ってくる。傘はカバンの中に入っているのに、なぜか使おうとしない。
駅から家までそう遠くはない、という理由もあるが、それだけではなさそう。
使い倒した頭をクールダウンしたい、あれもこれも雨に流してしまいたい、なんかもうどうでもいい、、みたいな理由が見え隠れをする。
夫は折り畳みの傘を何本か持っている。
おそらく3本で、全て黒色。立派なものではない。そのへんで調達をしてきたもの。
「傘は無くすものだから。」
と言って、いくつかストックがある。そのうちのひとつを常にカバンに入れている。いつ通り雨がくるかわからないし、もしものときの身と心のお守りなのかも。
先日、そんな夫が言った。
「傘が欲しいな。」
「え?いっぱいあるよ。」
「折りたたみじゃないのが欲しい。」
言われてみれば、すべて折りたたみの傘だ。
朝から雨が降っている日は、持ち歩き用ではなく、すぐに使う用がいいみたい。パッと開いて、サッと身を守ってくれるものを。
「いいね、買いに行こう。」
夫はきっと似たような黒い傘を選ぶのだろう。
高級でもなくて、シンプルでスタンダードなものを。
でも、思わずさしたくなっちゃうような傘。
パッと開けて、サッと身を守るもの。
そんな心強い味方がいれば、もう安心。
雨が降れば、進んで傘をさすようになるだろう。
“雨の日はお出掛けしない”
これが、我が家の基本ルール。
だが、お気に入りのアイテムが加われば、例外ルールも期待できる。うっかりお散歩に出掛けてくれたりして。(夫は目的のない散歩は好まない。)
ずぶ濡れ夫を見れなくなるのは、ほんのちょっと寂しいけれど、
ふたりで楽しむ雨の日には、きっと敵わない。
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なまずねこ生活さんご夫婦が、楽しい~!風情ある雨の景色が似合いそうな、なまずねこさん。ところがどっこい。こんな雨語録、聞いたことない!元気満点、楽しさ満開。雨の日のモヤモヤをぱっと晴らしてくれる記事です^^🌼
・・・
今週も、珈琲次郎さんの企画に参加させていただきました☕️
お題は、「パートナーと雨」です。
みなさまもぜひぜひ、ご参加ください〜^^♪
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