「食べる」を友にする。
食べることが好きだ。大好きだ。
作ることも好きだが、何より食べるのが好き。
バラバラの食材がひとつの料理になって、いい香りをふわっと広げて、鼻から心へ、口から胃へと満たされていく。
この瞬間はなににも変えがたい。
昔からモリモリ食べる。
「食べることは生きること」を人生のモットーに掲げているほど、食に時間と労力を費やしてきた。
誰かと食べるをともにする。
嬉しいのだけれど、どこか遠慮してしまう。
食事のペース配分、味付けの濃度、シェアする料理の量など、、考えながらいただく。美味しい!のだけれども、美味しい!に集中しきれない。
目の前のことにいっぱいになって、食事が喉を通らなかったり、周りの人の満腹中枢に合わせて、満たされないお腹を宥めることになったり、と様々な試練が待ち伏せている。
あまり食べない様子を目撃されると、「この子は、あまり食べない子なのだな。」と判断される。そうなると、殻を破りにいくのも至難の業。
勇気を持って、“結構食べる人種”である旨を申告すると、「どれくらい?」と興味をもった返しがくる。「ギャル曽根さんくらい」と返すと、大体はわかりやすく後退りされるわけで。
友人関係ならいい。面白がってくれる。
ただ、これからお付き合いするかもしれないふたりだと話が変わってくるらしいのだ。
理由は、食費が嵩むとか、自分の家族と相性が良くなさそうとか、そんなところなのだろう。
夫は、私ほどモリモリは食べない。
カレー屋に行くと、大盛りと小盛りひとつずつ。つけ麺屋に行くと、特盛と並盛りひとつずつ。
私が大きい方で、夫が小さい方。
これがお決まりのパターン。
夫は食べるのは早く、食が細い。パパッと食べて、あとはゆっくりしている。
妻は食べるのは遅く、食が太い。ゆっくりと噛み締め、ひと口ずつ心もお腹も満たしながら食す。
ふたりの「食べる」は違う。
それでも、互いに遠慮することなく、食事を愉しんでいる。
美味しいものを「おいしいね」と言いあって、ともにテーブルを囲む。
大好きなごはんがもっと好きになる。
味方につける。心も体も豊かになる。
そんな健全で健康な時間が、
私にとっての「食べることは生きること」であり、夫婦のたいせつな繋がりなのだ。
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今回の記事は、すのさんの影響を受けております。
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