無駄な時間?なのか?
雑誌の記事に目を奪われた。その内容は『無駄だと思う時間は? 』というものだった。その第1位が通勤時間だった。
思えば独立してから通勤ラッシュというものから解放された。それまでは、往復の通勤に90分以上かかっていた。一日の中で一番無駄であった時間。90分という時間は、ほぼ映画一本分の時間だ。その時間が独立してから自分の時間となった。徒歩通勤となり往復約1時間はウォーキングの時間となった。健康的になったものだと思う。
ほぼ一週間会社と自宅を往復するうちに、休日でも歩かないと調子がイマイチな体になってしまった。
会社勤めしている時には、全く通勤ラッシュに疑問を持っていなかった。思考が停止していたのだろうか?無駄とすら思わなかったのだ。
通勤時間については、相棒と話をしたことがあった。独立する時に、自宅に近いところに会社を作った方が良いとアドバイスしてくれたのだ。当初は相棒が何かあった時に動きたくないからだと思っていたのだが、今では感謝している。お陰で会社が仕事以外では、私の部屋と化している。会社に無いものは、寝床とお風呂だけだ。
ただ建物がかなり古いので、寒さ暑さとGの出現には我慢が必要だけどね。
相棒が言うには、「俺よりも一日90分得しているんだよ」と言う言葉だった。相棒の通勤時間は約90分。
「1.5時間×25日=37.5時間が俺より得しているんだよ。」
「約1ヶ月で1日分以上俺よりも自由な時間があるってことなんだよ!」
「それって、凄い得してるでしょ!」
「なるほどね〜」
すっかり納得したものの、これには続きがあった。
「でもさ、アンタだけ得しちゃダメでしょ!」
「だから、俺も時差通勤という名の自由をもらうね」
「具体的に言うと、遅く出社して、早く退社する」
「その分アンタは、会社で対応よろしくね」
見事な論法で、ぐうの音も出なかった。あれから、10年以上経過したのだが、私は本当に無駄であった通勤時間を有効活用出来ているのだろうか?
あの頃は、相棒も週5日会社に来ていた。リモートワークが始まる前は週3日だったが、今では、1〜2日しか来ない。会社に来ると黙って黙々と仕事をして、ささっと終わらせて、昼ご飯食べて暫くするとあっという間に帰ってしまう。
相棒の仕事に対する集中力。いや、違う意味での集中力だな。はやく終わらせて家に帰りたいだけだと思うのだけど。
ただ、あの頃と違った所もある。相棒にとって通気時間は、無駄な時間では無くなったこと。それは、通勤時間が相棒にとっても週の中で、通勤という名のウォーキング時間になったこと。相棒の住んでいるマンションは、下にスーパーがあるので、会社に来る以外は、エレベーターで部屋がある25階と1階スーパーを往復する日々なのだ。
動けよ!と思うのだが、相棒は現状の生活に満足しているから、回答は一言で済んだ。
無理!
通勤時間が無駄である・・・
それは、人によるのかもしれない。相棒にとって、必須の時間であることは、どうやら間違いなさそうだ。
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