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泡の時代

昔あるところに、しがない新人サラリーマンがいました

その新人サラリーマンは、何故か毎晩綺麗な女性達に声をかけられます

何故?

いつも思っていたのだが、ある時その答えがわかった

それは

職場の駅と慣れない営業から戻ってくる時間帯が

遊びに行く女性達と重なった為だった

その当時めちゃくちゃ人気スポットが職場のそばにあったのだ


その名は・・・

ジュリアナ東京

その人気スポットが出来る前と出来た後では

全く人の流れが違うのも体感できた


仕事を終えて駅に向かうサラリーマン

逆走してくる派手な女性達

人種が全く違うかのように、メイクバッチリ、服装バッチリ

特に私は服装に目がいった

ズバリ派手、そして、女性の体のラインがハッキリと分かる服

当時の私には、とても刺激的な服装だった


最初は一体なんだ?と思ったが、人気スポットに行くと納得する

派手な女性ばかりだった

周りに男性がいなければ、ハーレムなのかと勘違いしてしまいそうだ

ほぼ毎日、営業先から会社に戻る時に声をかけられた


ジュリアナはどこ?

ゴールドってどこ?

もし、私が当時イケイケだったら・・・・・

だが、そんな考えはまるで意味がなかった

女性達の目の中には、ジュリアナしかなかったのだ

今では考えられない光景なのだが、それを含めてバブルと言うのだろう


そんな女性達に道案内をしながら会社に私は戻る

そこから、残業という名の仕事が待っているのだった

彼女達が踊る間、私はず〜と、ず〜と残業をしていた

あんなに近くにあったのに、ジュリアナ東京

お店の前までは何回いや何十回も行っただろうけど

一回もお店には入らなかった

いや入れなかったのだ、眩しすぎて


バブル時代

確かに、ジュリアナもゴールドも記憶にはあるが

それを凌ぐ当時の圧倒的な残業量の方が

私にとってはバブルの思い出なのだ


そして、全くバブルという恩恵を感じた事もない

今思うと、なんであんなに仕事していたのだろう

不思議だ


残業の連続は、思考を停止させる能力がある

思考が停止していたのだろうか

それとも

当時の雰囲気が、人々を狂うわせていたのだろうか

ただ言えることは


やはり、【何かがおかしい】と言う感覚だけが残っている


その【何か】がなんであるかは


今となっては泡と消えてしまった出来事なので


確かめようがない



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