midorimushi

歌詩を描きます。毎週日曜日更新。よろしくおねがいします。

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最近の記事

なくとも

無くとも声が消された 大きな音だった 反響しろ南極のペンギンまで 無くとも声をあげた 小さな声だった 反響しろ北極圏のあなた達へ 私たちにできることはなくとも 慈愛を安寧を平穏を 星空に届け届け 私たちの心は共に 無くとも掌をあげた 毛玉付きのニット帽 そこに未来はあったのに 無くとも掌を合わせた 夕方のシチュー そこに昨日はあったのに 私たちにできることはなくとも 和平を無傷を尊厳を 夜空に輝け輝け 私たちの心は共に 無力でもいい そこにあった昨日はあった全てに

    • 青い船

      青い船が浮かんでいたわ 二人で乗っていたはずなのに 何気ない日常を航海していたら行く先を見失った タイタニックほどたくさんの人の想いがあるわけではないけど 私にとってはそれはかけがえのない人だった 青い船が濡れていくわ 夜な夜な朝までしんしんと 笑顔を向けていた白い帆船は 風にさらされて傷んでいく 青い船を残していくわ いっそ燃やしてしまえばいいのに 決断できない気持ちや未練を燃料にして灰にしてほしいのに タイタニックを沈めた氷塊にだって 負けないほどの後悔が残ってい

      • 回想電車

        鏡を見ているとまるで悲しみを見ているみたいだ 君が居たから成り立っていた複雑な私という存在は ただ泣きながら崩れて固まって動かなくなった どれほど難解な言葉を並べても届かなくて 世界中の全てをひっくり返してもあの時の君はいなくて 全てと対比して楽勝で勝利できるほど尊いんだ それほどまでに好きだった それほどまでに愛していた けれどもう変わらない、そう、ただそれだけなんだ 動き始めた列車に君と僕 ふたりで乗車してけれど いつのまに君はいなくて僕は1人車内で君を探す 君は先

        • 手拍子

          僕の手拍子は銃声と重なっていないかな 誰かを笑わせるために君と重なり響いているかな 誰も傷つけない大きな音がある 君の手拍子と僕の音で誰かを泣かせてはいないかな 威嚇するために神様からもらったんじゃないよ 誰かを守る時に助けるために響く手拍子 誰かと笑うために 誰かと喜ぶために 誰かと楽しむために 誰かと響きを共有していく 一拍の魔法でみんなが笑った 僕の手拍子は戦う合図にはならないかな 誰かと争うためのきっかけにはなりたくない 争って戦い奪いあうものではない 僕の手

          無限パニック

          永遠という言葉はあるのかな? 僕はまだ見たことがないから、それはないんだな。 だってもし永遠が文字通りの意味であるのならば 今二人の前に確かに存在しているはずだもん 目の前で人が死んでいきます。 僕は一人取り残され涙を流すだけ 僕も連れて行ってと言うけど叶わない 永遠。君はこういう悲しい時にだけ姿を現すんだね 永遠という長さを測ろうとしたんだ 誰もまだ見たことがないから、できるかもしれない いつかもし永遠の終わりを見つけることができたのならば 君の名前にどんな新しい名前を

          無限パニック

          山と谷のコンシェルジュ

          また何度目かの自殺宣言だ 最後は大学三年生の春だっけ? たしか後輩のかなこちゃんに振られたとき 人生は山あり谷ありとはよく言ったもの そんな思量深い言葉が生まれたのも どうせ山の上なんでしょと いつかこんな気持ちもなくなるさ 虚勢を張ってみたけれども 胸が日に日にずっしりと重くなっている また会える日が来るさなんて 涙で前が見えないのに強がっている また何度目かの友愛宣言だ 最後は新卒歓迎会のときだっけ 眼鏡のよく似合うひなちゃんに出会ったとき さよならばかりが人生だ

          山と谷のコンシェルジュ

          バレンタインデー

          大好きって言えないからチョコを作りました 告白ではないから軽い気持ちで受け取って 甘いのは溶けるのはチョコだけじゃないの 顔が真っ赤だからロッカーに入れました 名前は書いてないけど毒は入っていないよ 届けるのは伝わるのはチョコだけじゃないの ありがとうと言われたいチョコと私 君が大好きな甘いものをつくった 君を大好きな私の心と手 小さいチョコから溢れ出る思い、どうか届いてください 嫌われたくないからチョコを隠しました 告白ではないけどとても恥ずかしいよ 苦いのは固

          バレンタインデー

          フラッシュバック

          今でも思い出す あのときの情景と出せなかった声 閉ざされた未来の声 握りしめた拳の色と強さを覚えている 振り下ろすはずの情熱は いったいどこに消えたのか あのときの笑顔すべてを犠牲にしていたならば 今笑えていたのかなと、たらればを考えて今日も眠れぬまま 汗と涙がまじった塩辛さにえずいた 辛いと楽しいドミノ最後の1ピースはどちらかな 失われた未来 消えない過去 続いていたはずのもの 会えない悔しさ無くして初めて気づく大切さ あのときの努力すべてを費やしても届かないと

          フラッシュバック

          高鳴り

          失恋した日は今でも覚えている けど誰かを好きになった日は忘れちゃった 届かない時と離れた時 どちらが苦しいと問われると正直迷っちゃうよ いつでも失恋の次は苦しい胸の高鳴りが待っている 君の大好きな言葉が僕の名前になったらいいな 君が「気持ち悪い」と笑う内は まだまだ努力が足りないんだなって出直すよ 初めての日はボヤケている 最後の日は輪郭まで思い出せる 幸せが大きすぎると無くすときの痛みが大きすぎる わかっているけど始められないほうがつらいかも 激しい胸の高鳴りが突然

          Me

          僕に何ができる?小さな手を見つめた 君には何もできない。聞こえないふりをした 今何をしている?自分自身に問うてみる 明日は晴れるかな。ほらまた逃げ始めている 未来は託したと、どこからか声がした 悔し涙を明日の力に変えた 握りしめた拳と情熱の熱量を今も胸に秘めたまま 僕に何ができる?小さな足を見つめた 僕も何かしたいんだ。鼓動が暴れだす 今誰かを助けたい。助けるだけでいいのか 明日は雨なのかな。そんな天気に負けるな 未来は任せたと、どこからか声がした 握りしめた拳から

          RiP

          レンズ越しに見える私は綺麗? 手をにぎる先に見えるのは無機質な白いりんご あなたの慰めのためと言うのだけれども 慰めて欲しいのは暗い種を埋められた私の方よ これは愛かしら?いいえ違うわ。そんなのわかりきっている 小さな箱で楽しむための思い出にはなりたくないわ 「今の私を見て」そう言いながら大きな声で上を向いた ライトに照らされた私は可愛い? 暗闇を求めてきたのはあなたの方なのにと思う 殴りたい怒りが快感で削られていく 不安と快感で私の明日からは曇り空のままになったのよ

          おせっかいマン

          こんな世界変わらねえとつぶやく 最初からそんな気持ちだったかな? 変わる方向を間違っただけ 僕なんていなくても別にいい まだ18年しか生きていないくせに 騙されたと思って聞いてくれ 自分の意志で思いっきり笑ってやれ 自分の中で変えられもの変えられないもの 決めるのはいったい誰だ?口に出すのは誰だ? 一方通行視野縮小 広げるのはいったい誰だ?進む道を決めるのは誰だ? 拳地面に打ち付けて自分の血潮を感じて 痛いって想いを居たいって気持ちに変えていこうぜ こんな世界僕が変

          おせっかいマン

          エゴとシュルレアリスム

          変わらないものなんてないよ 僕は君が好きなんだ これは変わらないで欲しい 変わらなくてはいけないものがあるよ 今の2人ではないはずだ でも君はそれが嫌なんだね 君が僕以外の胸に埋まっている そんな世界もあるなんて 君はまるで手術台の上にある蝙蝠傘とミシンみたいに綺麗だねなんて そういう僕のことが嫌になったのかな ありがとうと素直に言うことすらできない 僕のエゴのせいで君がいなくなっていく 届かない想いなんてあるのかな? そんな悲しいこと言うなよと またモヤモヤしている

          エゴとシュルレアリスム

          消しゴム

          この消しゴムがあれば嫌なもの全てを消すことができるらしい 僕はまず旨に刺さっているあの日の悲しみを消してみた 悲しみが消えて嬉しいはずなのに僕はなぜだか泣いていた 嬉しい出来事が悲しみに変わっていて大切な思い出だったみたいだ この消しゴムがあればあの日の後悔を消すことができるらしい いつも思い出す塩味を忘れてしまいたいと思っていた 後悔が消えて澄んでいるはずの心が霞んで呆然と立ち尽くしていた 後悔を消す行いが大きな後悔になっていたこれも大切な思い出だったみたいだ マイ

          消しゴム

          ALE

          冗談でいつも笑ってくれてるから 君が怒った表情を見るのはとても怖いよ 白い帽子や白い私服を見慣れているから 君にはなたなんて持ってほしくない 気づけなくてごめんね 君だけが汚れているのではない みんながあなたを思っている 手を重ねてもう一度笑おうよ 虚ろな目で口から話をしないで 輝いて「可愛い」ともう一度笑ってよ 僕を信じて宝の山を歩かせてよ 怒った僕を許してくれたんだから 僕は君を許すよ手を握って見つめて あなたが一番頑張っているから とてもかわいく聞こえてしまうの

          305号室

          1人で肉じゃがを食べたの そしたら何か違うなって 君がいないからだと気づいて 私は塩を少しだけ加えた 「もう午後の4時だよ」と 君をベッドから起こす 「今日の夕飯は何?」と聞かれ 「肉じゃが」と私は答えた そろそろ花粉の季節だ 今日も夕焼けがきれい 洗濯物をしまって仲良く乾杯するの 冷えたグリーンラベルを飲んで 恒例の2人大富豪 手札が多いねって2人で笑って また明日がくる 午後8時に君は突然支度をし始める 「映画を見に行こう」って 「どうして」と聞く私に 「どうして