見出し画像

1日8回のおっぱいで世界がまわる

全子育て人に課せられる最初のミッション

「3時間おきに授乳してください」

右も左もわからない0年生の両親に課せられた最初のミッションがこれだ。なるほど、これが世に言う産後の寝不足の原因か。

赤ちゃんは臓器が小さく身体に蓄えられる量が少ないため、定期的に母乳(ミルク)を飲まないと脱水症状になってしまうそうだ。

説明を受けたときの私は「たしかになぁ、大人の1/3以下の大きさだもんなぁ。むしろこの身体に大人と同じ器官がきちんと収まっているのが奇跡。臓器のサイズも小さいのか、それもまたかわいいな」と我が子の体内までも想像して萌えるほどの親バカというか完全に産後ハイ。

そんなわけで3時間おきに授乳&ミルクを繰り返す日々がはじまった。私が寝過ごすことで大切な我が子が飢えてギャン泣きしてしまうことにビビりまくり、スマホのアラームをきっちり3時間おきにセットして就寝。が、これが母の力か、必ずアラームの前に目が覚め、そのタイミングでお子もぐずりだすという謎の奇跡を3時間おきに体験することとなったため、アラームの出番はなかった。

3時間眠れるやん!と思っていたのだが……


慣れないおむつ替え、片乳10分×2の授乳、それでも泣き止まない子をだっこであやしていると気がつけば1時間が経過。やっとひと息つくころには次の授乳時間はすぐそこに迫る……と3時間連続で熟睡できるわけもなく、早速育児の洗練を受けたのだった。

そんな寝不足のぼーっとした頭にある日浮かんだのは、「あぁ、この子は今私のおっぱいで世界がまわってるんだなぁ」ということ。

赤ちゃんは不快(オムツを変えてほしい、暑い・寒いなど)、おなかがすいた、体の不調のときに泣く。とりわけ我が子は腹へったと泣き出すことが多く、どれだけうんちをぷりぷりしていてもケロッとしている(そこは泣いてもいいんだよ)。そのため今のところほとんどの泣きが食事の合図だ。

寝るか飲むか泣くかしかしないお子にとっては3時間おきに飲む私のおっぱいが世界のすべて。そう思うと「寝かせて〜」と半泣きになりながらも愛しさでいっぱいになる。母である私もしばらくは自らのおっぱいを中心に世界を回していくしかないのだ。

睡眠よりも尊い我が子とのひととき


最初は乳首痛いし眠いし泣き止まないしでいっぱいいっぱいだった母も次第にコツを得て、お子も上手におっぱいを吸えるように。細切れだった睡眠は徐々に長くなり、自ら寝ることも増えてきた。

これから視力がはっきりして、言葉が喋れるようになって、歩けるようになって……ともっともっとできることが増えていく。そのはじめの一歩である授乳は、今できる唯一であり最大の子どもとのコミュニケーションではないだろうか。

母である私を求めて一生懸命泣き、全信頼をもって身体を預けてくれることに幸せを感じながら、今日も私は寝不足と闘うのだ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?