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学年末の成績評価、混乱を極める

今、インドネシアの教員は学年末テストが終わり、最終評価の大詰め段階だ。

私の勤務校では、明日生徒の評価会議を行う。
一人ひとりの生徒の進級の可否を決定するのだ。

教員は、明日の会議の前に全生徒の成績を出し終えていないといけない。

ちょうど先週の土曜日に学年末テストが終わったから、土日月火の4日間で成績を出して会議に臨むわけだ。

4日あれば楽勝だと思う?

全然だ。
テストが終わったら成績が出せるなんて思っていたら、大間違いなのである。

だって、テスト→採点→日頃の授業態度などと合わせて評価→落第点の生徒に補講や追試(必要なだけ繰り返す)→最終評価をやるんだよ? 4日で終わるわけないよね。

ところが、だ。
さらなる追い討ちがあった。

今年度からインドネシアでは新しいカリキュラムが始まった。
新カリキュラムは「Kurikulum Merdeka」という。ものすごく荒っぽい言い方をするが、日本の「個別最適化」や「協働的な学び」に似ている。2-3割程度は教科横断型の学習にすることになっているし、生徒の資質に合わせた指導をするようにとも言われている。

でもって、この新カリキュラムは採点・評価方法も変えてきやがった。

まず一つ。最終試験のあとの補講や追試がなくなった。

日頃の授業態度や学習プロセスを重視し、1年間の授業をとおして一人ひとりの生徒に合った方法で指導をし、一定の習得基準は設けたうえでその生徒なりの「伸び」があれば合格にする。「伸び」が確認できない場合は、最終テストまでにそれぞれの生徒にあった形で課題を提出させるなどして補う。

はっきりいってそんな指導ができたとは思えないが、なんとか最終テストまでに黄色信号の生徒には追加課題に取り組んでもらったので、まぁこれはなんとかなった。

そしてもう一つ。これがやっかいなのだが、私が教えている日本語(選択外国語)は専科必修科目の一つになった。ほかの4つの専科必修科目と合わせて合計5教科の先生方と話し合った上で、総合評価を出すことになったのだ。

つまり、テストから最終評価までの流れは次のように変化した。

<去年度まで>
1.テスト
2.採点
3.日頃の授業態度などと合わせて評価
4.落第点の生徒に補講や追試(必要なだけ繰り返す)
5.最終評価

<今年度>
1.日頃の授業態度や進捗を鑑みて、追加課題などを与える
2.テスト
3.採点
4.評価
5.他の教科の先生方と相談
6.最終評価

はぁぁぁぁ?
どうやって4日間でこれをやれと?
無理無理むりーーーー。

それでもやるのがインドネシア。
インドネシアは計画より「とにかくやってみよう」で動くのである。

私たちはやった。
土曜日にテストが終わり次第、速やかに学校で居残りをして採点をした。自分の担当教科の点数を自宅に持ち帰り、日曜日に評価。

残るは、月曜日と火曜日で話し合ってなんとか最終評価に持ち込むだけだ。

が。
最後の最後に爆弾がふってきた。
月曜日、ひっさしぶりに大停電になったのだ。

アホかーーー。パソコン使われへんやんけーーーー。
点数集計できへんやろーーーー。
停電するなら空気よめやーーーー。

甲子園の阪神タイガースファンのような怒りっぷりである。

さらにさらに、5教科のうち3教科の先生が新入生の受け入れ担当になり、思いっきり入学希望者の面談をすることになった。

…これじゃ、いつ話し合いするんだよ。

というわけで、明日が職員会議だというのに、私達の教科はまだ総合評価を出せていない。

でもいいんだ。どーせなんとかなるんだから。
もう私はやること全部やったぞ。

明日の職員会議はたぶん大荒れだろう。下手したら明日は徹夜だ。
今日は眠れるうちに眠っとこ。
おやすみ、バイなら。

もう死語がどうのなんて考えられやしないのよ。

みどり


↓ うちの可愛い生徒たちの様子です。読んでやってください。和みます。


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