映画「ルックバック」の感想で今までで一番共感したレビュー

を読みました。
こちらです。


どこに共感したのか、というと

  • 予備知識なし(原作者の漫画もひとつも読んだことなかったし、そもそも名前も知らなかった)なとこ

  • SNS(↑の方はX、私はnote)でのネタバレなし感想をチラ見して見に行こうと思ったこと

  • 鑑賞中「いつこの2人の関係が破局を迎えるか」ばかり気にしていたこと

  • クライマックス辺りで藤野の躓きがあるのではないかと予想していたこと

  • 「まだよかったじゃないか。  一度は、ふたりで夢が実現できたんだもの」

  • ある意味では私にも「刺さった」

つまりほとんど全編通してシンパシーを感じた、ということになるかもしれない。

もちろん、まったく同じバックグラウンドによる感想ではないけど。
私の場合、感想の源泉は雑魚モブ底辺絵師からのストーキング経験由来が多い。
あとはストーキング遭遇に加えて私自身は京本的なスクールカースト底辺民なのでどちらかと言えば(絵の実力の程は置いておいて立場的には)京本側の方がより理解できたためでもある。

それと、「いつこの2人の関係が破局を迎えるか」ばかり気にしていたのとクライマックス辺りで藤野の躓きがあるのではないかと思っていた理由について。
これは2人の関係が主従関係に近く、アンバランスかつ不平等なので絶対バランスを取る方向に傾くと感じていたためである。
加えて、それまで藤野が見せなかった腹の内を起承転結の転で見せるのかと思ったら結局見せなかったので、藤野のメンツは表面的には永遠に潰れることはなかったわけである。
対面上はずっとかっこいい努力家で成功者の、クリエイターという立場が毫ほども傷つくことは作中ずっとなかった。
これは私も少々想定外であった。

「まだよかったじゃないか。  一度は、ふたりで夢が実現できたんだもの」という部分については、まるっきり同じ感想というわけではない。
しかしスクールカースト上位の藤野に創作活動は絶対必須とは思えなかったこと(それを京本の全力推しが覆すんだけど)、京本のような純朴な人間が現代日本において生息可能なのかどうかという疑問などがあった。
つまり、現実的にそんなうまいこといかないよなあ…という実に枯れた感想を私も持ってしまったのでシンパシーを感じたのだった。

あと、前述の通り藤野のメンツは表面的には永遠に潰れることがなかったので、京本との間の(2人ともに自覚できなかった)権力勾配は作品世界の誰もが永遠に気づくこともなかったのであった。
これも皮肉な構図だなあと思う。
その上今までかなりのルックバックのレビューを目にしたが、この2人の偏った権力勾配に言及してる人はほとんど見当たらなかった。
(あと蠍座についてはほとんどどころか1人も見かけなかった。私は暗喩としては重要だと思うんだけど)
ほとんど誰も気づかない不均衡を仕込んでおいたということなのか、それとも世間一般の皆さんが対人関係の権力勾配に対して不感症なのか、果たしてどちらなのか。
いずれにしても作品としてはなかなかキワキワのエグいラインを攻めてるなーと思う。

それから、ある意味では私にも「刺さった」というのはまさに上記のようなレビューを繰り返し長々書いてしまうくらいには何かを感じたという点ではある種の「感動」だったのだとは思う。
一般的な「感動」とはだいぶ違うとは思うけど。

以上の詳細は私の以下のnoteに記載済である。

それから初回鑑賞直後のざっくりレビューは以下。

そしてマニアックな考察が以下。

以上、なんだかとっ散らかっちゃったけど、要はあまりにシンパシーに溢れる他の方のレビューを今まで見たことがなかったのでびっくりしたなあ、という話。

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