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一首


短歌


長歌

揺らぐ火にかざす手のひら
凍てつきし祈りの果てを
引き寄せて溶かす火の音
仰ぎ見る炎の先を
染むる陽は明日の春か
いわし雲
燃やした日々の
遥かなること
昨日今日明日の夕陽眺むれば
焚き火で燃やす夢ぞ帰らん

イーグルさんの「焚き火」を聴きました。炎の揺らぎと木片が燃えるパチパチという音は、癒し効果があると言われています。
折れそうになる毎日ですが、じんわりと温まる時を、夕陽に投影して詠んだ一首です。

以前かねきょさんが「らむ(らん)」に適う言葉が現代語に見つからないと仰っていました。激しく同意。「らむ(らん)」を敢えて訳すと「〜だろう」となるでしょうが、もっと奥深く響く言葉だと思います。

今回は「散るらん」のような終止形に付き、一語で表す「らむ」ではなく、未然形「帰ら」+「」の用法で、意味は同じく推量の他に意志や勧誘も含みます。
「いつの日にか〜帰らん〜」と同じです。(この説明で大きくは間違っていないと思う←)

尚、バランスをとるために全体的に何となく(←オイ)古語遣いに寄せ、また「らん」と表記しました。


*「らむ」と「む」の違いについて、かねきょさんがコメント欄で教えてくださってます。わたしは音から来る言葉の美しさに気が行っていましたが、「む」と「らむ」の正確な推量の意味合いを知って、「らむ」はますます現代語より深く情緒を持つ言葉だと思いました。
かねきょさん、ありがとうございました。


#短歌 #イーグルフェロモンさん #かねきょさん #長歌

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