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#白と黒の連作

詩 ポリアフの腕に身を預けて

詩 ポリアフの腕に身を預けて

《白と黒の連作 白》

雪の似合う人がいる

寒さに震えることもなく
愛おしいものに触れたくて
雪の中に身体を預けているかのように

そこにどんな物語が見えているのでしょう

ポリアフが手招きをする
一緒にこの物語を見てみましょうと

そこにあるのは
凍えない
暖かな雪

結晶のひとつひとつが
自分だけの物語を語る

それは
わたしの物語だと静かに囁きながら
奏でるものは
孤独と歓び

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詩 瞼の中に沈む美しき黒

詩 瞼の中に沈む美しき黒

《白と黒の連作 黒》

目を閉じる

不確かな余韻を秘めた

美しい黒

目をこらすと映る満点の輝き

腕を差し出しその中に横たわる時

ハラハラと伝わり落ちる懇願の雫が

またひとつ輝きを放つ

わたしだけの

万華鏡のカケラ

わたしは美しい黒の中にいるのでしょう

閉じた目を開いた時

見慣れた風景がそこにあるから

安堵の衣に包まれて

また

カケラを探しに行くのでしょう

不確かな余韻

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