マガジンのカバー画像

180
自作の詩です☆読んでいただけたら嬉しいです。
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

詩 雨だれを数える日々に

詩 雨だれを数える日々に

野辺へと向かう身に施す
ひとさしの紅
見送る側を慰めるとも言う
引かれる色は無念の赤

掃き出しの障子を開ける
しっぽりと
濡れたブルーグレーの空の下
仮のお宿も見つからないか
ちいさな雀が
木々の間を行ったり来たり

単衣の合わせを固く閉じて
押し留めた情の絡みは
どこまで待っても無縁仏

軒下の紫陽花が揺れる
わたしは雨だれをひとつ
またひとつと数えた



前回の句会に寄せた句に書いた詩な

もっとみる