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エッセイ・コラム

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感じた事をいろいろ書いていきますので、読んでみてください。
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#光る君へ

大河ドラマ『光る君へ』

大河ドラマ『光る君へ』

長い年月放映され続けてきた大河ドラマの中で、極めて特殊な作品であると感じる。
『光る君へ』である。

ある特定の歴史的人物について、その人物が成しえた事象についてフィクションを織り込みながらお芝居として描いてきた大河ドラマであったが、今主役の紫式部の特筆すべき功績は、絶大な世界的評価を得ている『源氏物語』を書いた、という事であるはずだ。
その文学作品を直接的には挿入せずに(脚本家談)、その世界観を

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霞に消えゆく月のごとく

霞に消えゆく月のごとく

『光る君へ』が始まったので、少し書いてみたい。

今回の大河に興味が注がれるのは、従来の「史実をどのように脚色するか」とはやや趣きが異なるからではなかろうか。少なくともわたしにとってはそれだ。

そもそも古代をテーマにドラマ化するのであれば、あくまでも「お芝居」であるはずである。
不明である諱を「まひろ」としている事からもよくわかる。
漢詩人、歌人であった藤原為時の娘であり、藤式部もしくは紫式部と

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