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科学館レビュー2:コニカミノルタ サイエンスドーム(八王子市こども科学館)

◆ポイント◆

  • 子供が夢中になれるわくわくがたくさん詰まった科学館!

  • 案外おとなでも楽しめるようなポイントもあるかも!?

  • プラネタリウム含め、きちんと維持・運営されていると感じました。


 2023年10月訪問。


内容

 科学館に到着したら、さっそく入館したい気持ちはやまやまですが、実は建物外にも見てほしいポイントがたくさんあります。特に地学分野が好きな方はテンション上がること間違いなし!
 まずは入り口正面にそびえる風車みたいなオブジェ。一見ただのオブジェに見えますが、「お天樹」と名付けられている通り、気温・湿度・気圧のセンサーと連動して、3本の枝の高さが変わるギミックが!羽根の回転で風向きや風速もわかり、科学とアートを自然に融合させたすばらしいアイデアの展示だと思いました。
 地面に目を向けると、タイルで不思議な模様が描かれていることにも気づきます。実は、八王子市の地形が表現されていて、川や線路との相関だったり、位置や大きさの比較だったり、いろんな考察がはかどります。また、市内4つの地域については地層断面柱状モデルが展示してあり、化石や地質からも古代の環境を推測することができます。

科学館入り口前。地学マニアはここだけでもかなり楽しめそう。

 入り口向かい側の駐車場脇には、地下鉄丸の内線の引退車両「流星号」が展示してあり、車内を自由に見学できます。

独自性★★★☆☆

 1階は一般的な子供向け科学館、という感じで、内容に目新しい点はないかもしれませんが、ワクワクするビジュアルが期待感を高めてくれます。

入館したら目の前に広がる、楽しそうな空間!

 直感的に(説明がなくても)楽しめる展示が多く、子供が科学に触れるきっかけとして、よく考えられていると感じました。
 また、簡単な解説のほか、さらに知りたい人のために詳しめの解説も用意されており、広い年齢層(理解度)に対応しています。

説明を読まなくても楽しめる展示(左)
何が言いたいかの簡単な解説(右上)
詳しい解説(右下)
一行だけですが、英語表記も添えられています。

地域性★★★★☆

 2階は少し対象年齢が上がって、八王子についての展示や、宇宙ミッションのシミュレーションゲームなどがあります。
 八王子に落下した隕石や八王子で発掘された化石など、地元に関係する科学の話題が、詳細なパネル展示でまとめてありました。

「八王子隕石」についての詳細な解説展示。

現物展示★★★☆☆

 ハチオウジゾウの化石や、八王子隕石など、いくつか本物も展示してあります。動物のはく製は、撫でてみて手触りの違いを実感することができます。(撫でられすぎて一部背中の毛が無くなってしまっていましたが…汗)

ハチオウジゾウの化石(奥はレプリカ、手前は本物)

最先端★★☆☆☆

 一般的な展示が多いので、最先端の内容は多くありませんが、小惑星探査機「はやぶさ」や「小惑星リュウグウ」についてなど、宇宙関係は充実しています。宇宙ミッションのシミュレーションゲームは見た目も大掛かりで、子供たちに人気のようです。

手をかざすとそこに情報が投影される展示。
4次元デジタル地球儀(ダジックアース)
手元のタッチパネルで自由に動かしながら、様々な情報を見ることができます。

対象・客層

あくまで個人の主観です。

文系でも楽しめるか★★☆☆☆

 難しい内容はないので、純粋な気持ちで楽しむことができると思います。ただ、科学嫌いだと面白さがあんまりわからないかも…?

理系でも楽しめるか★★★☆☆

 知識として原理を知っていても、実際に体験するとちょっと楽しい気分になります。

大人も楽しめるか★★☆☆☆

 基本的には子供向けの展示内容ですが、楽しめるポイントも探せば見つかるかも。月に数回、全編生解説のプラネタリウムも開催されています。

子供も楽しめるか★★★★★

 幅広い年齢層の子供が楽しめるように考えられています。入ってすぐの「夢ひろば(カプラ®広場)」では木製ブロックで創造力をはぐくむことができ、1階の展示室では科学の基礎、2階では宇宙や八王子について、詳しく学ぶことができます。小学校低学年ぐらいがメインターゲットのように感じました。


イベント・設備

サイエンスショー・実験教室★★★☆☆

 科学工作教室や天体観測など、毎週末何かしらのイベントが開催されているみたいです。私が行った日は「ふりこ時計式3分タイマー」の工作が開催されていてとても気になったのですが、要事前申し込み、参加者以外入室不可でした…。しょんぼり。

プラネタリウム★★★★☆

 ネーミングライツスポンサーがコニカミノルタ株式会社となっていることからもわかるように、これぞ王道プラネタリウムって感じです。
 「ダイナソー」回を観ましたが、50分の投影時間のうち、前半20分が今夜の星空についての生解説、後半30分が恐竜番組の放映でした。どちらも飽きずに見ることのできる、ちょうどいい時間配分になっていると感じます。
 会場の反応を確かめつつ、旬なトピックスについて話してもらえるのは、やっぱり生解説のプラネタリウムならでは。帰り道に夜空を見上げて「あれが言ってた木星かな!?」なんて思い返しながら、余韻に浸ることができるのが生解説の醍醐味の1つだと改めて実感しました。

お土産コーナー★☆☆☆☆

 小規模な科学館なので、残念ながらお土産コーナーはありません。

その他カフェなど★★☆☆☆

 自販機や、休憩・飲食スペースはありますが、レストラン等はありません。


基本情報

広さ★★☆☆☆

 2階建てでおおよそ1500㎡ほど。地下には科学工作室があるみたいです。

交通の便★★☆☆☆

 八王子駅からバスで10分程度。バス停からは2分ほど歩きます。

所要時間★★☆☆☆

 1時間ぐらいあれば、一通りは見て回ることができそうです。じっくり体験したとしても、半日はかからない気がします。


 毎週土曜日と5月5日はこども料金(入館料・プラネタリウム観覧料)が無料になるのも、親子連れにとっては嬉しいポイント。
 こども科学館という名前ですが、プラネタリウム含め、案外大人でも楽しめる要素は多いかもしれません。

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