見出し画像

うだつの上がらない毎日に刺激的なマンガを #4

花屋の店先に並んだいろんな花のように、本棚に整然と並んでいる本や、雑多に積み上げられているマンガを見ると血沸くみなさん。こんにちは。

今日は、マンガライターとしてひっそり活動しているわたしが最近読んだマンガをご紹介させていただこうと思います。

自分では、色々なジャンルのマンガを雑食に読んでいると自負しているのですが、ここ1~2か月は、刺激的な作品を手に取ることが多くなりました。

なんだか思うように外出もできない、イベントも中止、テレワークもマンネリ化、そんなパッとしないな~という己の精神状態が選書に影響しているようでドキドキします。

みなさんのより良い日々にも、マンガという刺激を添えてみるのはいかがでしょうか。前置きはこの辺にして早速レッツゴー!

『嘘食い』49巻完結

迫稔雄先生の代表作。横浜流星くん主演で2022年に実写化することでも話題になった本作。

「嘘食い」と呼ばれる謎のギャンブラー・斑目貘(まだらめばく)が、命を懸けたギャンブルと理不尽な暴力の世界を、自身の頭脳と天才的なギャンブルセンスで駆けあがる唯一無二のギャンブルアクションマンガ。

命がけのギャンブルマンガと言えば、福本伸行先生の『カイジ』シリーズや、『賭ケグルイ』などがありますよね。ギャンブルと金によって炙り出される人間の本質とヒリヒリとしたゲーム展開がたまらない人気ジャンルです。

ギャンブルの心理戦に『噓喰い』ならではの「暴力」や「権力」という要素も加わることで、ただのギャンブルに収まらない多彩なストーリーで物語を楽しむことが出来ます。

『雪女と蟹を食う』8巻完結

タイトルでドキドキしてしまう作品です。

とあるアパートの一室で、男は死のうとしていた。しかしこれまでの人生で一度も蟹を食べていないことを思い出し、人生最後の日を北海道で蟹を食べることに決めた男だったが北海道への旅費の捻出の為、強盗を決意する。押し入った高級住宅で人妻に金を要求するが、彼女の行動はまさかの…

あらすじ以外は何を言ってもネタバレになりそうなので興味のある方は是非手に取って欲しいです。kindleでは9月17日現在2巻まで無料です。

とにかく魅力的で謎に包まれる人妻・彩女(あやめ)さんに惹きつけられて、感情がぐちゃぐちゃになったり。恋したりします。

※性的な描写がありますので苦手な人はご注意を。

『成れの果ての僕ら』8巻完結

同窓会の為に母校に集まった四ノ塚小学校元6年2組の27人は、そのまま監禁された。首謀者の名は、夢崎みきお。人間の善悪を暴く為、みきおの用意した実験に次々と飲み込まれていく少年少女たち。薄皮を剝ぐように次々に露になる人間の本性、果たしてこの実験の行き着く先は。

キュートな絵柄からは想像もつかない脳を揺さぶる禁断サスペンスです。

特徴としては、冒頭でこの物語がどのような形で幕を閉じたのかがまず明かされます。そして時間をさかのぼって行くように地獄の同窓会を追体験していきます。本作が同窓会という所もポイントで過去のしがらみがぐっとストーリーを面白くしてくれます。

こちらもいつまでかは分かりませんが、9月17日現在kindleで2巻まで無料なのでチェックしてみてください。

※暴力的な表現が含まれますので苦手な方はご注意を。

『十字架のろくにん』既刊4巻

こちらもkindleで1巻無料です。最近サスペンス作品を検索しているのでhontoのオススメ機能で出てきて購入しました。

「実験体A」と名付けられ同級生5人から壮絶ないじめを受けていた主人公の漆間俊。しかし5人の化け物たちは、俊だけでなくついに彼の家族にまでその毒牙を伸ばすのだった。全てを失った俊は、旧日本軍の秘密部隊の経歴を持つ祖父の元で復讐だけを目的に生まれ変わるのでした。

主人公・漆間俊の容赦のない復讐サスペンスです。過激な描写も多いので痛いのとかダメな方は気を付けて。

怒濤の復讐が進むのですが、それと対比するようにラスボス的な立ち位置の少年への復讐が果たせるのかどうか、そればっかり気になって読むのをやめられません。

この上なくピュアな悪意(表現が正しいのか分かりませんが)と復讐の鬼と化した主人公。復讐の物語のはずなのに読み進めるうちに自分の倫理観や感情もおかしくなってしまうのはわたしだけなのか…

※暴力的な表現が含まれますので苦手な方はご注意を。

『シャングリラフロンティア ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』既刊4巻

フルダイブ型VRゲームが主流になった時代で、向上した技術に対しシステムが追い付かないため量産されたクソゲーを愛する主人公が、神ゲーと呼ばれる「シャングリラ・フロンティア」に挑む物語。

ずーっと読みたいと思っている詐欺。をしていた本作、ようやくまとめ買いして読みました。

死んで転生して元の世界に帰れないわけでもないし、ゲームに閉じ込められてしまうわけでもないのでとっても安心。

ストーリーだけでなく上手く練られたシャングリラ・フロンティアそのもののゲーム性も楽しめるのが本当に凄いなと。主人公が効率厨なのも、かなり好きなポイントです。

ゲームの攻略を目指す。というのがやはり大筋なんですが、そこにも一筋縄ではいかないような伏線もあってシンプルにワクワクできます。

『銀河のカーテンコール』既刊1巻

たくさんオススメポイントあるんですが、アルライターのあごたふさんの記事が全て語っているので、気になる方は下にリンクを貼ったレビュー記事を是非読んでください。(おい)

この先どんな風に物語が展開してくのか、予想も出来ない作品です。

しかし、自分の人生を生きる為に再び歩み出そうとする2人が、そっとあなたの背中も押してくれるかも。

『親愛なる僕へ殺意をこめて』11巻完結

主人公のエイジは、今日も童貞ネタで合コンをシラケさせ撃沈。うだつの上がらない日々を過ごしていました。しかし、翌朝目を覚ますと同じ大学のマドンナ・雪村京花と自分のベットで一緒に寝ている状況に、さら京花はエイジと付き合っている様子で…

すみません。あらすじさえなんだか上手く紹介できないことを許してください。

とにかく「こんな大変なことになるなんて思ってなかった。」と読み終わった後に天を仰ぎました。

読者は少しおかしな日常をエイジと体感していくことになります、察しの良い読者の方ならすぐにそのカラクリに気づけるかも。

しかし大事なのはそこじゃないんです。むしろ物語はそこからで、テンポの良い展開でどんどん物語が加速していくつれてパニックになります。

さらにリアルな描写の吸引力が半端なく、自分が当事者になったかのような気持ちで物語が進んでいきます「あれ?そんなつもりじゃ…なかった…のに。」と膝から崩れ落ちたい方、是非。

『アンタイトル・ブルー』既刊2巻

突出した日本画の才能で神童と呼ばれた荻原あかりは、10代で挫折しその筆を折る。美術予備校の事務員として過ごしてた彼女は、思い出の海で入水自殺から生還した謎の男と出会う。しかたなく男を自宅に連れ帰ると、男は自分の描いた絵をあかりの名前で売り出すことを提案、名誉も金もすべてあかりのものにしていいという彼の真意とは。

こちらもhontoさんからサスペンス枠でおすすめされた作品。1巻の表紙の美しさが印象的で購入してしまいました。あかりと臣くんの目が印象的です。

あかりが遥臣のゴーストライターとして表舞台に返り咲いていくところから物語がスタートします。

あかりが、画を描くことで自分自身を暴いていく過程は、読者を惹きつけて仕方がありません。まるで自分の物語のようだと錯覚してしまうのは、わたしもあかりと同じように、自分という存在が何度否定されても諦めたくないのからかもしれません。

2巻で大きく展開が動きます!3巻は来春発売予定なのでこの機会に追いつくのがおすすめ。

『今際の国のアリス RETRY』2巻完結

Netflixでの実写化でも話題になった『今際の国のアリス』の続編。

過酷な「げぇむ」から生還したアリスとウサギは結婚して幸せな日々を送っていました。しかし、とある事故に巻き込まれたアリスは再び今際の国へ迷い込んでしまうのでした。

前作と同じように、理不尽な「げぇむ」は健在。しかし今際の国経験者のアリスは「げぇむ」開始後すぐに、自分がそこにいる理由やおかしな状況を理解します。

そして必ず元の世界で待っている身重のウサギの元へ帰る。という前作にはないアリスの精神面がフィーチャーされるのも楽しめるポイント。前作が未読の方は併せて読んで欲しい。(今際の国のアリス 全18巻

「げぇむ」の内容もかなり考え込まれていて「げぇむ」の設定自体がかなり面白いので、デスゲーム好きで未読の方はぜひ読んで欲しい作品です。

『女の園の星』既刊2巻

舞台はとある女子校。国語教師の星先生は、2年4組の担任。学級日誌の隅の小さな備考欄で、生徒たちが始めた絵しりとりを見るのが毎日のささやかな楽しみになっていました。ある日「スマホ」の次にその備考欄に描かれていたのは、生気のない顔をした謎の人間でした。

スマホの「ほ」から始まるはずのこの謎の人間は、いったい何を表しているのか?考えても答えを導き出せない星先生は、とりあえず明日の日直の描く絵を見てみることにするのですが…

これもずっと読みたい詐欺をしていた作品で、ようやく購入しました(遅い)。和山やま先生の作品は『夢中さ、きみに。』の「友達になってくれませんか」がツボです。

『女の園の星』はすでにタイトルから秀逸で、作品を読むとすぐ分かるんですが、しばらく一人の部屋でクスクスクスクスと自分でも体験したことないようなツボの入り方をしました。

本編も、そんな風にいままで感じた事ない和山やま先生の独自の世界観に囚われて変なツボが開発されること間違いなしです。

女子校に勤める星先生のくだらなくも愛おしい、日々の一ページをのぞき見してみませんか。

kindleでは9月18日現在で1、2巻とも半額なので知ってるけど買ってなかった、という方はぜひ。

以上10作品、有名な作品が多いですが誰かの素敵なマンガライフの一助になれば嬉しいです。

midori

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?