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映画BLUE NOTE STORY~愛なんだよな

先日、京都のアップリンクでジャズの映画を見てきました。
かの有名なジャズのレコードレーベル:ブルーノートを立ち上げた二人の男性のストーリーです。

このポスターに「人生はスイング」ではなく「シュウィング」と書かれていますが、これはドイツ訛りです。
レーベルを立ち上げたのはアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフ
はドイツ人であり、ナチスの迫害から逃れ、愛するジャズの国アメリカへとやってきた人達。
(下のポスターの右の人がライオン。左はサックス奏者ハンク・モブレイ。     ウルフはこのポスターには写っていない)

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以前、ジャケ買いの話で、
ブルーノートレーベルの素敵なジャケットをご紹介しました。

ブルーノートといえば、熱くて、新しくて、おしゃれで、かっこいい
黒人ミュージシャンの演奏を世界に紹介した凄いレーベル
なのは皆さんご存じでしょう。

レーベルを立ち上げた二人は共同経営者だけれど、一応それぞれの役割は
プロデューサーとフォトグラファー。

レコード会社という仕事自体が新しく生まれた産業だった上に、人種差別が酷くて黒人アーティストはギャラも貰えず搾取されていた時代。
大手レーベルのプロデューサーは権力を持っている。
力のある物の言う事を聞かないと仕事が回ってこない、ご飯を食べれない、店に出してもらえない。
搾取されても、ギャラを貰えなくても、今後の活動の為には声がかかればレコーディングに行かなければいけない。(ブラック企業か)

と、ここまでは表面的な話で、
この映画の何が素晴らしいのかって、人間として学ぶべき大切な根幹に関わる事を考えさせられるのです。
感動して泣きましたよ。
ブエナビスタ・ソシアルクラブやベルリン天使の詩を制作した
ヴィム・ベンダースが監督です。
皆さん是非見てください。(しかし、もう上映は終わっとるな)

愛の連鎖か、怒りの連鎖か

一般的な例えだけれど、、、、
「戦争反対!!!」なのか、マザーテレサのように「平和の為に祈りましょう」なのかによって、エネルギーは変わってきます。
トゲトゲした怒りを出せば、それと同質のものが返ってくるし、愛に溢れる穏やかなエネルギーならば、これもまた同じものが返ってくる。

ブルーノートの二人はナチスの迫害にあったからこそ、かつての自分達と同じく差別を受けている黒人に愛を与えたのです。
当時のアメリカでは、考えられない事!
ドイツから移民として新天地にやってきたから、アメリカの差別の慣習を知らなかったから、ジャズを愛しているからこそできたのです。
「あれしろ、これしろ、売れる為に、知って貰う為にこういう行動を取りなさい! うける作品を作りなさい!」
などと大手のように押し付けることも無く、自由に作品を作らせてくれた。

レコーディングのリハーサルでは、きちんとギャラを出し、ご飯を食べさせ、ピンハネせず、まともに愛をもって人間として接してくれた。
だからミュージシャンは愛のこもった演奏をすることで、貰った愛を循環させ、二人を幸せにした。

苦労してはいけない、人生に色々あってはいけない?

よくいるでしょ「私達の頃はホント大変だったんだからさー」「色々あったんだよー」「私達の時はさー」という先輩。
そのくせ「若い人には頑張って欲しい、幸せになって欲しい」
どないやねん! どっちやねん!

日本人は、人生色々あった、頑張ってここまできた、、、という苦労話を好む傾向にあるかも。
何がまずいって、、、、無意識に相手に同じものを求め、同じ事を強要しちゃうのです。

苦労して築いたものは大切で手放したくないもの、
人に簡単にあげたくない、渡したくないもの。
だから気を付けないと、相手にも苦労や、努力や、自分と同じ仕事の仕方を強要してしまう。
出産して職場復帰した女性が女性の上司に「私も大変だったから、あなたもこれぐらい頑張れるでしょ!」と言われる話は沢山聞きますね。

私はまだアメリカに住むケヴィン・レトー氏
(私が行っている発声法の指導者:森先生の先生であり、世界的に有名なボーカリスト)には直接お会いできてはないけれど、
ケヴィンの愛溢れる教えを受けてから、森先生は生き方が変わったとおっしゃっていました。
努力しろ、頑張れ、練習しろ、ではないのです。
「愛をもって、いとも簡単に、たやすく、力を抜いて、ありのままで、楽しく、スマイルで」

私は教室を始めた最初の頃は生徒さんに頑張りを強要してましたからね。

仲良かった生徒さんが
「楽しく歌いたい、好きな曲を歌いたい」とおっしゃっていたのに、
上手くさせたいという私のエゴで、練習を強要して、ボイトレのエクササイズを毎日きちんとやって!なんて言ってしまって。
結局一年後くらいに彼女は亡くなってしまいました。
なぜ私は彼女の貴重な人生の最後の時に楽しく歌わせてあげなかったんだろうか、、、、と酷く落ち込みました。
自分のやり方押し付けちゃうんですよ。
だから、愛を連鎖させたいですね。
やさしくされたら、大切に扱われたら、きっと人は優しくするのです。

厳しい言葉/ 愛ある言葉

アーティストにとって最もうれしい言葉
(人はみな元来クリエイティブという意味では全員アーティスト)
それは  

 「好きにして良い、自由に表現して良い」

そして   

「条件付け無しに、あなたの事が(演奏が作品が)、あなたという人間が好きだ」

と言われることですよね?

あれやっちゃダメ。 なんでそんなことするの?(親)
あなたが悪い。それは間違えている。(家族、友人) 
どうして出来ないの? もっと〇〇して!!(教師) 
そうじゃない! こうでしょ?改善して!能力が低い(上司) 
まだまだだな~。 レベルが低い。 まだライブするには早い。 
(ライブハウスのおっさんや、伴奏者、ミュージシャンに
何度言われたことか)

まあ、、、厳しい言葉のオンパレード。
そして、出来ない私が、能力が低い私が悪いんです~となって終わる。
厳しい言葉をかけられて教育を受けると、自分で自分にも厳しい言葉をかけしまう。
怒られないために行動をする。
頑張りを強要する。
(昭和がんばり世代注意だよ!自分より年下の人達に厳しくしないで)

私は正しい、あなたは間違っている


自分に厳しい人って、間違いを許さないから、
人の間違いにも厳しいのです。
頑張らない、努力しない、工夫しない人を許せない。
重箱の隅をつつくようなアドバイスや指導をする
間違えないかどうかを、ずっと見張り続けるのです。
(私もそうだった、、、、今も油断するとやってしまう。ゴメンナサイ。)
※それは、もしかして、私たちがそうやって、間違えないかどうか、正しいかどうかを見張られながら教育され、生きてきたからかもしれませんね。

きちんとしなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。
社会人として恥ずかしくないように、信頼を無くさないように。
仕事ができると思わせなきゃ。

非常識は良くないですが、きちんときちんと、、、をやっていると、
これまたスケールが小さくなって不思議な事に反比例するかのように
どんどん、どんどんアーティスティックな世界からかけ離れていくのです。
だから、アーティストは教える仕事をしてはいけない、経営者になってはいけない、売れる事を考えてはいけない、、、なんて言われてきたのかもしれませんね。
でも、この世の中、今の時代、そんなんじゃ生きていけないし、大手事務所がマネージメントも販売もしてくれるわけではない。
あるいは、アートではなくても、好きな事をして生きていくには不都合が出てきます。

権力を持つものは優しくなければ


例えば、、、権力を持つ者
プロデューサー、教師、親、会社の社長、上司、先輩、、、、〇〇士など士業、センセイと呼ばれる仕事、
伴奏してくれる先輩や、キャリアが上のミュージシャン、
ライブハウスで駄目出ししてくるおっさん(マスターやセッションで偉そうに言うてくる人らですな)バンドのリーダーって、
権力を持つものですよね?
立場が下の人間は、
叱られないかな?
そうじゃない! もっとこうして!と言われるのじゃないか?
とビクビクしてしまうのです。

自分に厳しすぎるから、人にも厳しくなる。
アーティストに厳しくて、気難しい人が多いのは納得できます
(わたしも面倒くさいタイプだ)
もっと良いものを! もっと、もっと、、と追及し、何度も直し、自分を見つめ、ディテイルにこだわり、ストイックに~
重箱の隅をつつくように徹底的に相手をやり込める、、、あーしんど。

自分の意見ばっかり、主張ばっかりせずに、
相手の意見を聞いてあげればよいのにね

クソバイス


「クソバイス」だなんて、汚い言葉を書いてごめんなさい、、、でも私個人の意見ではありません。
数年前に流行った言葉です。

「あなたの為を思って言っているのよ!」というのは一番迷惑な行為です。

ライオンとウルフは、今一つ気に入らないテイクがあっても、ごちゃごちゃアドバイスなどせず、ズバッと一言、大きな視点で
「スイングしてない、もっとスイング(シュウィング)してよ」
って、、、
これはジャズミュージシャンにとっては他のどんな言葉より一番効き目がある言葉ですね。

一発で、一回で、伝えたい事を聞き入れて貰わないと、怒られた、嫌味を言われた記憶しか相手には残りません。
これ、後輩や部下や、子育ても一緒ですわ。

独身だったOL時代、会社の人に、まだ結婚しないのか?いつ結婚するのか?と言われ嫌な気分になりました。
私一人ではなく、相手も決めてくれないと結婚には至らないし、、、
それに、会社の人に本当の事言うわけねーだろう!!と思ったのですが。
15年前だからいいですけど、今ならパワハラで上司として部下に対する配慮が足りない、とボーナスの査定が下げられる可能性あるんだけどな。
「あなたの事を思って言っているのよ」「人は一人では生きていけないからね」という圧力がうっとうしくて。

公平でニュートラルである事

うっとおしい、などと書いている私はどうかというと、
一時期、酷いクソバイスおばさんになっておりました。。。

よくある事ですけど、自分のやりたいことを押し付けてくる人がいるでしょ。
あるいは、アドバイスの形を取って
「これをしてください!、これをするとあなたは良くなる!」と言ってくる。

いやいや!!!私はそれをして欲しいなんて頼んでないのに、、、
いつの間にか
「そうしなよ、その方が絶対いいんだから!」という流れに、、、

これは恥ずかしながら先日も、やってしまいました。
「HP作った方が良いですよ」と人にアドバイスしてしまい、
実はHPを作らないといけないのは、どう考えても私だったのです!

数年前は、やたらと生徒さんに「好きな事しましょう」と言っていました。
今だからわかるけど、好きな事をしたいと望んでいたのは生徒さんではなくて私でした😢

魂の入った歌を歌おうよ!と言っている私が一番魂が入っていない、間違えないように気を付けてこじんまりした歌を歌っていました。。。。。 
 
※実は、人にアドバイスとして言っている熱い言葉は自分で自分に受け取って欲しい言葉なのです。
だから、最近あなたが、やたらと周りの人に対してアドバイスという形で言っている言葉をチェックしてみてください。

あ、これもクソバイスやな。

ずばっと一言、効き目のあるアドバイス

「漢方薬は効き目がわかるのに長期間かかる」などと言われますが、あれは嘘です。
体質に合うもの、症状に効くものは数分で一発でドンと効果が出ます。

ごちゃごちゃ細かく重箱の隅をつつくようなネガティブな言葉を使った
アドバイスをするのは下手くそな証拠です。
(イタタタ、、、、私の教える能力はまだまだですな)

私はライブではジャズしか歌ったことがないので、日本語のポップスは子供の頃から聞くのが専門、だから人前で歌ったことはないのです。
しかも、ポップスがジャズになってしまいノリが合わなくて変。

先日、私の尊敬する人がこう言いました。

「私は翠さんの歌は聴きたいけれどジャズは分からない。
翠さんはジャズが大好きで、ジャズが大切なんだね。
大変な事があって死にたくなってしまった女の子の為に、生きたくなるような歌を日本語で歌って貰えませんか?」 

今まで誰が提案しても頑なに日本語で歌う事を拒否してきましたが、
「わかりました!すぐにそういう歌詞の曲を探して練習してみます」と答えました。
だって、人を助けたい、励ましたい、という愛だから。
愛ある言葉がけ一つで相手の心は動くのですね。

この映画の中では「もっとシュウィングして」という一言ですね。

相手の心を動かそう、感動させよう、意図的な作為的な、愛の無い言葉、
自分のエゴが入ったアドバイスは人の心には響きません。

好きな事をする、魂のこもった仕事をする、魂の望む仕事をする


これは一見、同じような意味に見えますが、全く違います。
〇ロナの影響で3年目にもなると、
「好きな事をして生きたい」人が増えたように思います。

「大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした」という韓国の本が最近売れているようですが、生きる為にやむをえずしている仕事、満員電車に乗る事、
体調が万全じゃないのに仕事をすること、色々な事に気付かないふりをしてきたけれど、もはや我慢するのは無理になってきているのでしょう。

あるいは、よくあるパターンで、
体調が悪くなるか、収入が減るか何かで、
もうそれは終了ですよ、というサインが来たり、
そこで働けなくなる、もうその人たちと付き合いができなくなるような事が起こったりします。

今やらなければいけない事は、好きな事であり、魂のこもった仕事や生き方であるのは間違いないのですが、、、、
そういう表面的な事ではなくて、
根性を入れてやらないといけないのは、魂が本当に望む仕事

怖くて勇気がなくて、批判されるかもしれなくて、もしかして味方が減るかもしれなくて、家族に嫌われるかもしれなくて、立場も無くなり、職場にいられなくなり、生活ができなくなるかもしれず、売れないかもしれない、今までのお客さんが減るかもしれないような、、、、
自分でさえも自分でよくわからないような、魂の根幹からか、前世から続く望みか(単なるたとえ話)ぐらいの事なのです。

さて、あなたにとって、それはどんな仕事でしょうか?
(ハードル高いし、やるの怖いよね)

主導権を与えないで


あなたの能力が劣っていると思い込んで、下に見たり、指示してくる人に
主導権を与えないでください。

あなたの味方のふりをしながら、あなたを思って言っているんだよ、などと言いながら、
あなたに厳しい言葉をかける人からは離れるべきです。
指導して貰っているなんて嘘です。
搾取されていませんか?(当時の黒人ミュージシャンもそうでした)
何でも感謝しろ、ありがとうと思え、というのは、
それは愛ではない。

「仲間でしょ」「ファミリーだから」という言葉で束縛されるのはやめましょう。
そのようなスタンスで、私は大切にしているつもりで、かつて生徒さんにやってしまいました。
それは自分の弱さです。
入り込みすぎです。
ビジネスが過ぎる関係は私は好きではありません。
人の顔が金に見えるような浅い関係には興味がありませんが、
人間として尊重する事と、入り込み過ぎて、詮索し過ぎるのは違う。
越権行為でした。

怒る姿


私はよく相手の怒る姿を観察します。
どんな時に、何に対して、どんな風に怒るのか?
まあ、大体は、
良かれと思ってやってあげたのに、愛情を受け取ってくれなかった時
立場がなくなるような、プライドを傷つけられた時
ですが。

知っていても、知識があっても「知りません」と答えたり
(わざと試すためにではなく、違うエッセンスが欲しかったり、自分では知っているつもりでも新しい話が聞けるかもしれないから)
できない所を見せたりした時に、
さっきまで愛想良かったのに、はあ?そんなことも知らんのか?
という態度を取る人(つまり見下す人ね)は、
一緒に仕事をするのは今後は控えようと、その時点で決めます。

神様(プロデューサー)視点で


ブルーノートレーベルを立ち上げた彼らは、
ただただ、愛をもってミュージシャンを見守ったのです。
ジャズミュージシャンを、熱い演奏を、心から愛し、
ミュージシャンが本当に望むことを提供する。
自分のエゴを捨てるんだから、これ、難しいですよ。
神様視点で(彼らの場合はプロデューサー視点)物事を視ることは出来ますか?
相手の良いところだけを全面に出す。
本当に相手が望むことを察知して実行する。
(私は修業が足りませぬ)

無料は駄目です


この映画でミュージシャンが証言していましたが、大手レーベルのレコーディングでのリハーサルはノーギャラでした。
無料はエネルギーの法則的にはあり得ません。

無料のアドバイスは、無料なだけに不要な汚いエネルギーや言ってあげてるんだ的な上からの圧力も混ざっています。
(セッションに参加しているオッサン(日本独特な説教文化)や、ライブハウスのマスターに色々言われることが多いと思いますが)

ライオンとウルフは、なぜ「シュウィングして!」とアドバイスできるのか?
それは、二人がミュージシャンに報酬を払うからです。
お金払うんだから当たり前だよね。
なんで雇用主でもないのに言われなければいけないの?
お金を払ってるのに、立場が生徒だからという上下関係が理由で怒られるのって、よく考えたらおかしいですよ。

お客さんは神様ではないけれど、お仕事だったり、お金が発生していないのに、アドバイスはいらないです。
有能な仕事で、いらないアドバイスではなく、的確な適切な提案をすれば良いだけ。
望んでいないのに一方的にあれしろ、これしろは越権行為です。
(時々私はやっとるなあ)

新しい事、人と違う事

ブルーノート全盛期はハードバップの時代。
人と違う事、個性的である事、目立つことをしないといけない、
新しいスタイルを産み出さなければいけない、
というプレッシャーで疲れてしまい、余計に薬やお酒に走ったんでしょうね。

アーティストって、人と違う事をしなければいけないと思い込んでいる人が何とまあ多いことか、、、
だけど、遠くばかりを見て、理想を追いかけるばかりではなく、足元で大切な基本的な、原点に帰って、すでに持っている才能を忘れて見落としていることが多いのです。

そして新しいムーブメントは自分一人ではできないのですけどね。

その逆で、職業によっては、又は住んでいる地域によっては人の為に新しい事をしたくても、しがらみで出来ないかもしれませんが。。。

なぜブルーノートは時代の先を行くおしゃれで熱いレーベルだったのか???
それは、
〇黒人への人種差別が酷く、黒人ミュージシャンの為にレコードを作る会社が一つもなかったから
〇黒人ミュージシャンをジャケットの写真にしたから

新しい事を無理やりひねり出して作るのではなく、
みんなが困っている、求めているもの、
愛がある事、助ける事
何より好きな事

それが、偶然であってフュージョンしてできるものなのです。

「まだ誰もやってない」というのは言葉にするのは簡単だけれど、
そんな簡単なもんじゃないのだなあ。
情熱が必要です。

他力を使う~チームで~

他力を使って、、、、などと言うと、
まるで努力したくないかのように勘違いされますが、
そうではなくて、自分が持っていない才能を他人が持っているから、それを上手に使うのですね。
ウルフは写真家としては確かに能力はあるけれど、その写真にリード・マイルイスのグラフィックをプラスしたから、より一層彼の撮影した写真が生きた。
1✖1=1 だけど 
1✖2=2になるという
あたりまえのことですが
グラフィック無しで、ウルフの写真だけだったら魅力はいま一つだったかも。
ミュージシャンのスカウトはケニー・ドーハムやデューク・ピアソンに、
録音はルディ・ヴァンゲルダ―、
グラフィックデザインはリード・マイルス、アンディー・ウォーホル
ヒット作はリー・モーガンやホレス・シルバー、アート・ブレイキー
沢山のミュージシャンが勝手に良い演奏をしてくれたのですね。

「Right place, right time」

映画の中で印象的な言葉がありました

「Right place, right time」

ライオンとウルフが出会い、アメリカで会社を作ったように

最適な場所で、最適なタイミングで

つまり、あなたが好きで得意なジャンルで、あなたの才能を活かせる場所で、才能を認め、活かしてくれる人と関わり、最適なタイミングで行動する事です。

ご縁があって出会う時は偶然を装ってやってきます。
あせらない、あせらない、一休みです。(一休さん)

動機が全て

どんどん物や建物を作り、増やし、広げる時代が続いてきました。
ポジション争いで椅子取りゲーム。
これからはリデュースと循環の社会に変わっていくのですね。

ある本で読んだのですが、、、
売れる歯磨き粉を作る為に商業デザインを頼まれた人が、
結局、外側のパッケージをデザインするのではなく、
歯磨き粉が出てくるチューブの穴を大きくしたらしいのです。
確かにクライアントの依頼通り、商品は売れて良い仕事をしました。

最近どこに行っても目にするようになったけれど、
一時期売れなくなった今治タオル、
ブランディングを佐藤可士和さんに頼んだら「白にしましょう」となった。
引き算して、ごちゃごちゃしたものを省いて、本来の素晴らしさ、価値を伝えた。
シンプルで品質が良いので最近めっちゃ売れてます。

ほんと、単純な事象ですが
「それを行う動機は何か?」
人を幸せにするためか? 存在を知って貰うためか? 権力が欲しいからか? お金の為か? 売る為か?
知られたくないのか? 罪悪感があるのか?
放ったバイブスが結果を招きます。

それで、「あなたが今やろうとしていることの動機は何ですか?」

出来ないという思い込み

ブルーノートレーベルは個人が趣味で始めたのですが、
企画、写真、デザイン、録音の技術のレベルがどんどん上がっていき、
そして皮肉なことに、経営がうまくいかなかった原因は、
弱小、趣味レベルの個人レーベルだからレコードが売れないから、
ではなくて、、、、、、、
レコードが売れすぎて、ヒットを連発して次のレコード制作の資金が上手に回転できないからなのでした。

だから、アートを突き詰めたら売れない! という思い込みも必要なかったんだなあ。
売る為に〇〇をする、費用を抑える為に〇〇をする、という目先の事は手放して、素晴らしい作品を作ることに専念した二人は素晴らしい。


愛なんですよね
大切なのは愛
愛をもって、そっと見守る
自分のエゴでアドバイスするのではなく、相手が欲しがっているものを瞬時に判断して、そっと差し出す
一人ではなく、それぞれの能力を使い、補い合ってチームで
素晴らしい作品を録音し、ジャケットをデザインし
感動を与え、愛を連鎖させる

バイブスが全て

これからは急速に新しい時代がやってきて、今までのやり方が通じなくなり、シャッフルされ、今まではバイブスが一緒かな?と思って一緒の感覚でいた人とも違いを感じるようになってしまうのでしょう。
愛からくる行動か? 単にビジネスか? 何に重きを置くのか?
によって集まるメンバーも変わる。
バイブス(波動)が全てというのも何となく想像できるのではないでしょうか。

いつもは短く、読みやすい記事になるよう心掛けているのですが、今日は長い文章になってしまいました。
しっかし長いわ。
私自身が「やってしまった反省」と「やられて嫌だったこと」を混ぜて書いたのですが、世代や、教育を受けた環境から、お読みくださった方は
「私の事を言ってるのか!!」と該当する事が多いかもしれませんね。

魂が心から望む仕事は自分では気づかないものです。
まあ、確実に言えるのは、自分に愛を注ぎ、優しくすることと、頑張り過ぎない事が大事なのです。
自分の心の声を一番聞いてあげていない、無理させているのは自分だったりして。




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教材のような内容の記事が2本と、不定期でエッセイを掲載する予定です。

ライブやセッションで使える実践的な内容を掲載します。ジャズボーカリストならではのお困りごとを解決する参考書的なマガジンです。

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