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言語化・具現化する~ほんの少しだけ映画ジャズロフトの紹介も~

先日、京都の映画館アップリンクでジャズロフトという映画を見てきました。
ネタバレしない程度にほんの少しだけ内容を紹介します。

シートの座り心地、室内の広さ、空間の感じ、音質の良さとか、伊良コーラを販売してるところ、上映している映画のセンスなど、アップリンクは凄く気にいっています。

セロニアス・モンクや、ズート・シムズ、カーラ・ブレイ、フィル・ウッズなどミュージシャンが登場しますが、真夏の夜のジャズのようなジャズの演奏がメインの作品ではないのです。
あくまで、写真家ユージン・スミスが主人公であり、彼の眼(フィルター)を通して見た世界が中心で、ジャズのミュージシャンと交流したアート作品、、という感じ。


言語化、具現化

天才ほど伝えたり、理解して貰おうとするのが下手でしょ。
コミュニケーションを取るのが下手と言えばそれまでだけれど、
ユージン・スミスも(今回出てないけれどゴッホだって、マイルス・デイビスだって)
頭の中でひらめいた構図、フレイズ、アイデアは言葉にするとエッセンスが薄まって、伝わりづらい、でも伝えたい。。。
だから言語化したり、具現化してくれる人間と出会えたら一層素晴らしくなるのですね。

例えば、実際映画に出てきたけれど、
天才セロニアス・モンクがいくら頭の中で、めっちゃくちゃカッコイイ、
ビッグバンド用のアレンジのアイデアを構築できても、
楽譜にし、バンドのメンバーに伝える能力が少し欠けていたのですね。
そこで、お助けマン登場:ホールオーバートンです!

キーパーソン:ホール・オーバートーン

ホール・オーバートーン(Hall Overton)という人が存在することは全く知りませんでした。
ジャズが好きな人でも、マニアでもない限り知らないと思います。
クラシックのピアニストでもあり、ジュリアード、イエール大やニュースクールでも教鞭を取っていたので、モンクが弾いたり、歌ったりしたフレイズをすぐに正確に楽譜に記すことができたのですね。

ソロイストとして「人と違うことをして、いかに目立つか」という個性とアクの強いミュージシャンを束ねて、一つのサウンドにするには、クラシックのオーケストラの楽譜のアレンジ能力、指揮者のような能力が無いと難しい。
オーバートーンは、モンクには不足している能力を持っていたのです。

本当の意味での協力であり、コラボですね。

そして、オーバートーンが隣の部屋に住んでいたからこそ、ユージン・スミスもジャズミュージシャンの写真や、音源の録音ができたわけです。

たまたま、ニューヨーク(近く)に住んでいた
たまたま同じ時代に生きていた

そういう偶然の出会いが(神の作った必然かも?)傑作を生みだし、新しい時代を作る。

彼(オーバートーン)は当時のニューヨークジャズ界のキーパーソンであり、アーティストを支え、励まし、戦略を練る人であり、偉大な人だったのです。

日本では全く知られていない、、、、
事実を知る為にも、今回のような映画は必要ですね。


求む !! コラボ

ユージン・スミスの映画を見て、映像、映画、写真、アート系の方で、
できればジャズが好き! という方と何か作りたいなあ、と強く思った次第です。

ミュージシャンだから音楽業界の人とだけ関わるのではなく、
異業種、異文化、自分に無い才能や発想を持った人との関わり、、、って面白いだろうなあ。

仕事として依頼して終わりではなく、社会的な事よりも、
ただ作りたい、撮りたい、という方とコラボしたいものです。

仕事じゃなくて、しかし全力で、、、誰かと何かを一緒に一から作るの楽しそう!!

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教材のような内容の記事が2本と、不定期でエッセイを掲載する予定です。

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