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【山形県小国町】若葉のふるさと協力隊2023 活動レポート

4泊5日の農山村ボランティア「若葉のふるさと協力隊
今年も8月から11月にかけて日本各地で開催しています!

今回のレポートは、9月から10月にかけて実施された山形県小国町からです。

5日間の様子をコーディネート役を務めた30期緑のふるさと協力隊・川添さんにレポートしてもらいました。

●日 程:2023年9月27日(水)~ 10月1日(日) 4泊5日
●参加人数:2名




1日目 9月27日(水)

Pelletmanさんの展示場にて、アイコさんによる、自然エネルギーの重要性やそれを用いた暖房器具の説明をしていただきました。
雨の日で本来予定していなかったにも関わらず、前日にお願いして急遽時間を割いてくださりました。小国での経済の循環システムや、森林伐採は100%悪ではなく、良い影響ももたらすことがあるという話など、森林面積が95%ある小国ならではの貴重なお話を伺えました。

夜は役場の方々とオグマル(マルチワーカー)の方々と歓迎会。
若葉のお二人とも、マルチワークというまだ世間一般にあまり知られていない働き方に驚かれていた。興味津々で質問が止まらず、実際の経験談をマルチワーカーの方々にたくさん質問されていました。アイコさんの人柄もあり、緊張が程よく溶けた初日でした。
また、普段自分も伺ったことのない工場など、ほとんどが私にとっても初知りのことばかりでした。


2日目 9月28日(木)

雑穀を作っていらしゃるシゲオさん、米農家のマサキさん、学童「ひだまり」の所へお手伝いに行きました。
シゲオさん宅では、あいにくの雨天のため、本来予定していた雑穀収穫は断念し、自宅にて雑穀の袋詰めや雑穀選別している作業場の説明をしていただきました。

米農家のマサキさんは予定していませんでしたが、数年前に若葉を受け入れたことがあって、雨天で私が困っていることを気にかけてくださり、急遽酒米にてついて説明するとの申し出を自らしてきてくださいました。
若葉のお二人も日本酒が好きで、これまた興味津々な様子でした。特に、渡邊さんは大学で日本酒を作っていたこともあり、様々な質問が飛び交いました。

学童では小学生たちの都会とは違う元気の良さを体感し、一緒になって遊んでいました。
お二人の人柄の良さもあり、小学生はすぐになついていたように見えました。特に石津谷さんは、小学生をおんぶするほど仲が深まっていて驚きました(笑)

夜は地域おこし協力隊と歓迎会。
年が近いこともあり、お二人とも気軽にコミュニケーションがとれていたのかなと思います。個性豊かな協力隊の経歴などを伺って、お二人に違う価値観を知ってもらうことが出来たし、協力隊にも違う価値観を知ってもらえてお互いに良い時間でした。私手作りの熊汁もみんな美味しいといってくれてよかったです(笑)

私にとっては、本来予定していなかったマサキさんのお話を伺えてよかったです。マサキさんは私が小国で初めて知り合った農家さんで、初めて農作業をお手伝いした農家さんです。様々なことで活躍されており、ご多忙にもかかわらず時間を割いていただけました。また、マサキさんから声をかけてもらえたことは本当に嬉しかったです。


3日目 9月29日(金)

Kegoyaさんにてアカネさん、サトルさんご夫婦にツル・皮細工の商品見学、どのようにして作られているのか、ツル細工体験をさせていただきました。

自然のものだけで作る籠やカバン、コースターなど様々な商品に驚いていました。材料を仕入れる時期や、伐採した後にどのような影響があるのか等、材料集めの説明を受けました。ワークショップでは、クルミの木の皮を使ってヘアゴムを編んだのですが、若葉のお二人はスムーズに編んでいく一方、同じ説明を受けても私一人では編めませんでした(笑)。途中、初日にお会いしたアイコさんも合流し二人も喜んでいました。初めてのツル細工、作成の手間ひま、商品販売の流れを知れて二人とも終始笑顔でした。また、アカネさんの人柄にも惚れたようで、この日は作ったヘアゴムを終始身に着けていました(笑)。今回が私にとっても初めてのワークショップで、これまで材料集めには関わっていましたが、思っていた以上に作成が難しかったです。普段の作業とは違う、ゆっくりとした和やかさで時間を忘れて遊んでいました(笑)。
 おぐにの米(シゲルさんとミチマサさん)に精米過程、鎌での稲刈りをさせていただいきました。
精米では収穫した後、乾燥機にかけて乾燥した玄米を選別する過程を見学しました。様々な機械を用いてごみの排除、規定されているお米の大きさの選別や30Kgの米袋の運搬を行い、特に30Kgのお米の重さには二人も驚いていて、農家の大変さを肌身で感じてもらえたのではないかと思います。稲刈りでは、鎌を使ってコンバインで刈りきれなかった箇所を刈りました。鎌も使ったことがなく、なかなか思う様に切れないことや、普段からやっている農家さんとの作業速度の違いに関心をもったように感じました。最後、シゲルさんから「私たちは永遠に農業一年生。毎年試行錯誤をしてより良いお米作りをしています。」と教えてもらい二人の心に深く刺さったようでした。
 私も普段普通にやっていたことが、お二人をみて初めは同じように色々なことに不慣れであり大変だったことを思い出しました。色々なことが徐々にでき始め、初心をわすれてしまいそうになっていたころにシゲルさんのお言葉、お二人の頑張る姿勢をみて改めて自分を見つめなおす良い機会でした。
 次の作業へ行く前に、昨日お世話になったシゲオさんから連絡が来て「今なら雑穀収穫できるよ!」とのことで30分だけお邪魔しました。すごく興味があったお二人は楽しそうに、またシゲオさんに感謝しながら作業していました。
 夜の大宮地区芋煮会に向けて、芋煮の準備をしました。
地区のお母さんに教わりながら実施。二人とも自ら動いており、お母さん方も「助かる」と言われてました。乾杯するときは住民の方々が、「協力隊の皆さんが作ってくれました、ありがとう」と言ってくださいました。地域の方々とのお話は、最初だけお手伝いしただけで後は二人とも自分たちでうまくお話を聞けていました。「若い人たちのおかげで、いい機会になったと」皆さん口をそろえて言ってくださいました。
 今回の芋煮会などのように大勢で集まる機会が地域の方でも、記憶にないほど昔のことだったようでした。それを主催できたのは若葉のおかげだと思うし、地域の方々が「川添君の頼みなら!」と二つ返事で引き受けてくれ、参加してくれたのは泣きそうなほど嬉しかったです。


4日目 9月30日(土)

森の感謝祭という置賜地方のイベントのお手伝い。
猟友会ブースでお手伝いしました。時間があったので、森の散策を実施。ここ数日の疲れか、若干足取りが重そうに感じました。少し活動時間が長かったかなと、そこで反省しました。二人は気を使わせないためか、特に疲労の話はしてこなかったので申し訳なかったです。
終了後は猟友会のハルオさんが、マタギについてお話してくださった。
自然とともに生きる小国町。人々が安全に暮らしているのもマタギが命を張っているからだと教えられました。また、狩りに出る時は「生きて家に帰る」という強い信念を持つというお話からはとても大切なことを教えてもらえました。
夜の活動報告会は、二人とも時間がない中で渡邊さんがリーダーシップを発揮して上手くまとめられていたと思います。ほとんどアドバイスなんていらずに、二人で高クオリティーの発表用紙が完成したと思います。報告会は20人ほど来てくださり、役場の方もビックリするほどでした。二人の持ち前の人柄が、関わった方々に気に入ってもらえたのかと思うと私も嬉しかったです。お二人が感じた小国町と、私の感じている小国町が似ておりこの4日間で小国を表現、お伝えできたと私は感じて嬉しかったです。
夜は初めて3人で飲み明かしました。
最終日前日ではあったが、凄く距離が縮まり、色々と深い話が出来たのは、私にとっても二人の考え方を知れて勉強になりました。


5日目 10月1日(日)

桜川酒造見学。
初日にお二人が見学したいとのことだったので、アポイントをとっていました。休業日にも関わらず店を開けてくださり色々なお話を伺えました。二人とも1・2本日本酒を買い、帰って飲むのが楽しみそうでした(笑)。
時間が少しだったので、道の駅でお買い物。
観光は渓谷や私の好きな田園風景を紹介しました。渡邊さんが帰宅した後、20分ほど時間がありだめもとで、報告会に来れなかったマサキさんのお家へ訪問。石津谷さんが代表してお礼を言ってもらい、マサキさんからは「これからも頑張ってね」と一言。たった一言でも、彼女らにとってはすごくうれしい一言になったと思います。二人と別れてからは、私も達成感がありました。同時にもう少し小国を紹介したかった、話したかったともどかしいものもありました。


【参加者の感想より】

「『こういう田舎が日本を支えているということを覚えておいてほしい』私が一番はっとさせられた言葉だ。普段私は、お金を出せば手に入る消費者側だけにいて、裏にはこういう農家の方達の努力があるおかげで食べ物をいただいていることを忘れてしまっていた。ボランティアというには申し訳ないほど、様々な体験を”させていただいた”と感じる。小国町の良さを満喫しまくった充実した4泊5日だった。」

「小国町で過ごす中で、自分が田舎出身ということもあり、都会に憧れを抱いて『将来は都会で働いて生活をしたい』とばかり思っていた自身の考えにハッとさせられたシーンがいくつもあった。無意識のうちに田舎を卑下していたこと、田舎=何もない・魅力的ではない・つまらないという自分のバイアスを痛感した。小国町では住民の方や協力隊の皆さんが町の魅力を自ら見出し町外へ発信することで若い人が新たに町にやってきたり新たな交流が生まれたりと、町の活性化を目の当たりにし自身の考えを変えたいと思うようになった。」


【地域の方の反応】

まずは「小国町に来てくれてありがとう」の声が多かった。
活動先の方々からは、「二人とも礼儀正しくていい子達だね」と。
とにかく二人の印象は良く、みなさん彼女たちがやりたいことを出来るように準備していただけた。一極集中している世の中で、過疎地域に体験に来てもらえるだけで嬉しかった様子。
「移住はできなくても、小国町の良さや地方での暮らし・働きが日本を支えている柱でもあることを理解し、今後の生活に役立ててほしい。」


【緑のふるさと協力隊・川添さんの感想】

コーディネーターとして大変だったこと
・居住地が男性のみのシェアハウスであるため、お風呂や宿泊を他の場所で探す必要があった。
・活動時間を長くとりたかったが、公共施設の営業時間などを考慮すると普段の活動時間が取れなかった。
・宿泊も知人に頼むと迷惑になってしまうことや、公共施設では参加費の金額のみでは到底泊まれないため、地区の方と相談し、公民館をなんとか貸してもらえた。ただ、公民館は本来宿泊施設ではないため、気にされる住民の方もおり円滑には進まなかった。
・天候に恵まれず、前日に雨天計画を立てたり、若葉のやりたいことを活動中に伺いアポ取りをするなど、急な予定変更が重なってしまい、活動先に遅刻することが多くなってしまった。

「若葉のふるさと協力隊」を通して学んだこと・感じたこと
若葉の子たちに活動先の農家さんたちが丁寧に教えていました。
私は普段活動が中心であり、なかなか活動先の方々がどのような思いで働いているのか、今後をどう考えているのかなど普段聞いていなかった内容に対して様々な質問を若葉の方々がしてくださり、私も若葉の子たち同様に話を聞いていた。
なかでも、「都市部に一極集中する現在でも、地方の農家などが日本を支えているのを忘れないでほしい」と活動先の農家さんが話されたときは勉強になった。
仕事に対する熱意や考えがしっかりしており、自分の信念をもって働かれていた。そこまで踏み込んだ話は聞けていなかったので良い会話でした。
若葉の活動中は雨天のため予定変更ばかりで大変だった。
若葉の方々がやりたい活動が予定のプランになかった時には急遽知人にアポ取りをしていた。そんな中で、あたふたしていた私に気づいたのかある農家さんはばったり出会い、ポロっと「雨天でやることが少なくなって時間が余っている」と話した際、すぐに「色々と作業説明とかしてあげるよ!」と言ってくださり急遽活動が増えました。また、お店では休業日なのにもかかわらず「特別に説明するよ」と言ってもらった。食事処でも「普段川添君が頑張っているから、アイス3人分出してあげるよ!」と。
色んな場面で皆さん手伝ってくださり、いつの間にか私のことを支えてくれる小国町の方々が増えていたんだと感極まりました。

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