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四季を感じながら生きる日々

【OBOG体験談】移住編
 第5期協力隊岡山県奥津町(現 鏡野町)派遣

派遣先に定住しようと思ったきっかけ

緑のふるさと協力隊の活動終了後には「田舎で暮らしたい」との思いが強くなりましたが、そのためにも何か手に職をつけたいと思って、一度鏡野町(旧 奥津町)を離れました。その後、他の山村地域で5年ほど生活してから縁があってまた奥津に戻りました。
「流れに乗った結果、様々な土地を転々として、今たまたま鏡野町にいる。どの土地もそれぞれ魅力があって好きだ」と公言していた時期もありましたが、今思えばこの土地に最初から惚れていたのだと思います。

自然が豊かで本当に贅沢な環境、そして何より奥津の湯、濃い人々。ここでなら面白いことが色々できると思いました。

移住してみて良かった田舎暮らしの良さ

移住して12年後に派遣先の土地の人と結婚したので、これ以降を自分では定住とよんでいます。以下、移住のメリットです。

まず、土地や家賃が安いです。そして町民の方はいつまでも私を「協力隊の人=清貧」と認識していたようで、「いただき生活」をしていました。野菜、お米、おもち、仕事、温泉 等々。ご飯やお酒もよく振舞っていただきました。自然豊かな環境で四季を感じながら生きる日々はそれだけで贅沢だと思います。私は絵を描くので、大好きな虫や蛙、草花などが身近にあって画題に欠きません。昼間から温泉に入ったり、毎日が旅のようで旅行欲は満たされていました。

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移住してみて大変だったことは?

私の場合は町営住宅に住んでいたので自治会活動などはなく、世にいう田舎の煩わしいお付き合いはありませんでした。それでも、地域の行事やイベントには声をかけてもらい楽しんでいました。
周囲の目や噂の拡散の速さに驚かされることは度々でしたが、悩んだり困ったりすることはありませんでした。
定住してからは…色々あります。地域の役や会合、冠婚葬祭などが多く何かと忙しいです。今は義父母に頼っていますが、代替わりしたら大変だと思われます。お互いに負担にならないような程よいお付き合い、シンプルなシステムができればいいなと思います。

農山村での子育てで良かったことは?

子供は今、保育園に通っています。全体で20人程の小さな保育園で、大人の目が行き届くのもありがたいです。

家の周りを散歩するだけで一緒に色々な発見があります。四つ葉を探したり、葉や苔の感触を楽しんだり、野鳥の鳴きまねをしたり、キノコに愛称をつけたり、木の枝の刀で草を切ったり。そして畑や庭から自分で野菜や果実を採って食べる楽しみ。私から見てもうらやましいなぁ…と思うほどです。春には山菜を採り、初夏には蛍を楽しみ、夏には川で遊び、冬には雪で大はしゃぎ。自然から色々学んでいるようです。

町の子育て支援も厚く、とても助かっています。

大変なことは?

 今はまだ小さいのでこれからかと思いますが、子供が少ないので学校の統廃合により学校が遠く、中学校からはバス通学になります。習い事や部活動など、親の送迎が必要です。

町内に高校がないので、早ければ高校入学から家を出ることも考えられます。その頃には世の中の状況も変わっているかもしれませんが、街の子供たちより親元を離れるのは早い傾向にあると思います。

地方での暮らしに興味がある方へメッセージ

私は一番最初に縁あった土地(協力隊の派遣先)が結果的に終の棲家となりました。
地方での暮らしに興味があるのなら「緑のふるさと協力隊」をお薦めします。事務局がバックアップしてくださるので安心ですし、リスクは最小限に田舎暮らしを始められます。

一年間の田舎での生活では、いいところと悪しきところを目にしたり感じたりするかと思います。その上で、その後の進む道を選んだらよいと思います。同じような想いを持った同期や土地に残ったOBOGとのネットワークは、その後の人生の可能性を大きく広げてくれると思います。

今はインターネットの活用も進展しているので、田舎暮らしのデメリットは小さくなってきています。田舎の豊かな住環境に魅力を感じているなら、自分の中のアンテナを信じて一歩踏み出してもいいのではと思います。

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