寝ても覚めても 恋とは勘違いのことである
寝ても覚めても 著 柴崎友香
東出昌大と唐田えりか主演の映画化でご存知の方は多いと思います。
簡単なあらすじは、主人公の朝子と謎多き男、麦が恋に落ちるが、麦という男はふらふらとしていて急に行方をくらませてしまう。何年後かに朝子は麦そっくりの男、亮平と出会い、あまりにもそっくりなため困惑するが心惹かれていく、、、という、昔好きだった人とそっくりな人を好きになるのか?好きになってもいいのか?を疑問提議している作品なのかなーと最初は思っていました。最初は。
※ここからは、ネタバレを多少含みます。
読み終えて感じたこと。
似てたから好きでもいいのでは?
動機が不純で何が悪い!
推しに似ている、元彼に似ている、かっこいい車に乗っている、失恋したときに優しくしてくれた、好きな食べ物が同じだった、名前の字面がかっこいい、字が綺麗、、、好きになるきっかけは、なんだっていい。
だからと言って、不倫はよくない。基準は非常に曖昧だから、どんな理由だったらいいの?問題勃発する。
でも、好きになるきっかけは、なんでもいいです。
もしそのことで悩んでいる人がいたら教えたい。なんでもいいんだよ。
朝子は亮平と恋に落ちる反面、やはり、突然行方不明になった麦も忘れられない。
亮平が麦に似ていなければ、おそらく好きにならなかったかもしれない。
この作品のとある登場人物のセリフが、激しく印象に残っている。
すっげえー!と内心叫んでいた。このセリフこそこの作品の要なんじゃないかな。
動機が不純でも、邪な気持ちから始まっていても、その感情を育てて愛になるのだと思う。
自分の両親が、現在お互いに愛し合っていたとしても、好きになったきっかけはしょうもないのかもしれない。(実際聞いたことはないのでわかんないけど!)
ゆっくり育てていけばいいんです。
だから、まず勘違いを信じてみよう。
ということで、私は勘違いを信じてみることにしました。
昔会っていて、今は疎遠になってしまった人。
ふと思う、運転しているとき、コーヒーを飲んでいるとき、寝る前。
元気かな、と。
もしかしたら、寂しいだけなのかもしれない。
異性に優しくされたいだけかもしれない。
優しくしたいだけかもしれない。
でも、まず、一回LINEしてみよ。
返事が来なかったり、返事が来てもそっけなかったりしたら、おいしいもんいっぱい食べて忘れよう。
勇気を出してLINEをしてみた。
今、私は勘違いをしているのかもしれない。
この選択が吉と出るか、凶と出るか。
何もしても後悔はする。
なら、勘違いを信じたい。
勘違いを信じることは、かなりエネルギーを要するが、案外悪くないな、
と今んとこ楽しんでいます。
映画版の主題歌、RIVERに惹かれて読み始めた一冊。tofubeatsのエモさが小説にも、もちろん映画にもマッチしています。
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