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生きる価値。


行きたくない場所に行った帰り道。ふと目に入った雨に濡れた蜘蛛の巣。滴が綺麗に光って見えた。
蜘蛛はどこにも見当たらなかった。
ただ巣だけが残り、水滴がつき、そこにいたことを表すんだろう。其れこそが生きた証、と言えるんだろうな。

この世界で自分に価値がないと思っている人に届いてほしい。そもそも価値など存在しないはずだった。価値なんて平等にあるはずだった。
生まれた瞬間、生きていく価値はある。
皆同じ人間として、生きていく価値がある。
それなのに人は、自分には価値がないなんて馬鹿なことを言う。それは自分で決めた価値に過ぎない。
他人からの価値を考えたことがないんだろう。
生まれたことに価値がある。
生まれて来れなかった人がいる世界で、それだけでものすごい対価がつく。
死ぬ価値なんて、誰にもつかない。
あくまでも、これは私の価値観の話。

誰かの許しがなきゃ生きれない者。
なぜそんな世界になった。お前はお前で生きていく意味がある。君は君で生きなきゃいけない。
憎んでも、恨んでも、生きていくことを選ばなきゃいけない。

あの蜘蛛は、今どこで、何をしているのかと考えた。もし、この世にもう居ないのならば、私が変わりに生きようと思った。
虫にだって価値はある。
価値のないものなんて、この世に存在しない。
この世に存在したのなら、それは価値があると証明されたことを定義する。

僕は私を殺した。
私は僕を生かした。

価値のないものなんてこの世にないよ。
価値がないなんて、言わないで。そんな言葉を投げつけないで。言葉が泣いている。
残酷な人間にならないで。

心臓移植が必要な人にとって、君は価値がありすぎる。生きる価値となる。

それはドナーじゃなくても同じこと。
生きる価値はある。
価値のない人間、物なんて、僕は許さない。

生きる価値。
其れは幻なんかじゃない。

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