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「映画レビュー:『1917』〜屍を越えてゆけ〜」 2020.02.11

・話題作見てきた。

2月14日に公開されるサム・メンデス監督「1917 命をかけた伝令」が、「第92回アカデミー賞」において、撮影賞、録音賞、視覚効果賞の3部門を受賞。「ブレードランナー 2049」以来2度目の撮影賞受賞となったロジャー・ディーキンス撮影監督らが壇上でスピーチした。

・概要

「1917」は、サム・メンデス監督が、若き兵士たちが困難なミッションに立ち向かう姿を描いた作品。観る人たちを物語に没入させ、登場人物たちの行動や心情を体感させるために「ワンカット映像」の撮影方法を全編に採用した。監督は「完璧に途切れなく物語を描くために、全てにおいて秒単位まで計算されるなど緻密な調整をした。特にリハーサルについては、今までの過去のどの作品よりも時間を費やした。自身のキャリアにおいて、最もエキサイティングな仕事だった。本作は、映画の歴史を語るわけでも、何かメッセージを伝えたいというわけでもない。使える映画の技術はすべてつぎ込んだよ。映画は体験だ。観客には頭を空っぽにして観て、感じて欲しい」と語っている。

・感じてきた。

結果→→→→→→→→→→→→


・戦争いやすぎ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と思いました。

『1917』
☆×4.4(観てよかった!!!!!!!)

・今回、内容の下調べとかな〜んにもせずに観に行ったので、開始5分くらいで、「はてさて、いつになってもカットがかからぬがどういうこと?」と気付き、本当にいつまでたってもカットがかからぬので「ふ〜ん、おもしれーエイガ。そっちがそういうつもりなら、こっちもどこでカットがかかってるか何が何でも見抜いてやるが??????」という気分になり、カットかかる瞬間を血眼で探して観てました。元映像屋さんのそういうとこ、いやね。正味、各カット大体15分くらいで1度はカットかかってたね。私にはわかる。そこしか観てなかったからな。こら、そういうとこだぞ。

・映画の内容は、英語のクセがすごすぎて、マジで何にもわからんかった。冒頭5分で絶望した。あれは本当に英語なのか??まあけど、上司の命令で2人のメンズがどっかに行かなきゃいけないってのはわかった。本当にそれだけの映画。言ってみれば地味で暗いリアル片道マッドマックス。

・印象に残ってるシーンについて書き残す〜〜。【以下ネタバレです】とはいえ、本当にこの作品は、伝令ミッションする片道だけのお話なので、途中であった出来事を書くだけです。


【印象的なシーン 撮影技法篇】

・主人公が、廃墟②に突入するところ。小川で行手を阻まれてたため、手すりの上を慎重に渡っていくシーン。最初、カメラは主人公の真後ろを追いかけて足下を撮ってるんだけど、途中からふーっと小川の真上にカメラ移動して手すりを歩いていくのを横から撮るんよ。はっ!!??ドローン!?嘘でしょ!?いつの間に!?カットかかる瞬間はなかったと、思う!!どういう撮影方法なんだ!!!!!クレーン!?いやそんなわけはない!!!!っていうフュージョン。あれはマジでなんなんだ。。。。。。

・水関連では、池の淵を歩いて行くメンズ二人を横スクロールするように撮ってくところがあるんだけど、これも途中まで演者を追いかけていたカメラが小さな池の水面からス〜〜〜〜〜〜って横切っていくとこも ヘーイワッツハープンメーン!?て思った。

・撮影技術的なところでいうと、ここらへんがすごいなあと思ったかな。2日目午前中の廃墟④から小川に飛び込んで溺れかける〜滝壺落っこちるシーンもすごかった。カメラワークのことばっか考えてたから、人間にはできないワークが入ると、どうやってんだろう、とムズムズそわそわした。

【印象的なシーン 情緒篇】

・滝壺に落っこちてから溺れかけながら川をどうにか下り、ようやく浅瀬まで辿りついた主人公。そこには数えきれないほどの戦士の死体。伝令を伝えるため必死で生きようとする生者。水を吸って膨らみ、ぷかぷか醜く浮いている死者たち。言葉通り、踏み越えられて行く死体。やっとの思いで上陸し、疲れや生きていることの安心や不安やらで嗚咽する主人公。生と死の対比〜〜〜と思った。生きることは辛いけど美しいと思った。
同士(敵かもだけど)を踏み越える姿がかっこよかった。かなりグッときた。

・録音賞も受賞するだけあって、序盤から中盤までの2~30分、主人公たちの息遣いとかがやけにうるさいなあって思ってた。重い装備を身につけて歩くのはそれだけで大変というのを観客に味わせ、一体感を持たせるための手法ですかね。うむ面白い。って思ってたんだけど、
同胞が死んだ時のための伏線、、というか、際立たせるための演出でもあることがわかった。あれほど荒かった息遣いが止まる瞬間。。今までずっと私たちが感じ(させられ)ていた「生」が消える瞬間。あ、今、死んだ。って、主人公と一緒に確かに感じた。なんてことを観客にさせるんだ。

・1日目深夜or2日目早朝の廃墟③。この作品で異彩を放つ唯一のなんか言葉に言い表せないエロさも漂う美しいシーン。印象に残らざるを得ないシーンだと思う。「一寸先は死」のリアル戦場での明らかなセーブポイント的なところで緊張が緩和されたからかな。先述した息遣いとか、カメラワークとか、とにかく戦場での体験を強要されるから、本当に怖いんよ。感覚で言うと、夢?本当に自分ごとだから、この廃墟③の一時も、すごく安心できた。手当てを受ける主人公が本当に気持ち良さそうで、見てて気持ちよかった。

・あとは普通にラストシーンかなあ。
伝令がうまくいったのかよくわからんが、1000人以上いる兵士の間を駆け抜ける主人公。めっちゃ、生を感じる。すごい。(語彙力)


とまあ〜〜〜、こんなところですかね〜〜〜〜。

使える映画の技術はすべてつぎ込んだよ。映画は体験だ。観客には頭を空っぽにして観て、感じて欲しい」

めちゃくちゃ感じた。お前の全て、受け止めたぜ。最高だったよ。
ぜひ、一緒に死の恐怖を体験しよう。感じよう。おすすめの映画です!!!!!!!!!

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