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あかし


源氏物語 第十三帖 明石

ひとり寝は
君も知りぬや
つれづれと
思ひあかしの
浦さびしさを

独り寝は寂しいものとあなた様もお分かりになったでしょうか、所在なく物思いに夜を明かす明石の浦の娘心のうら寂しさを

明石の入道が光源氏に詠んだ一句。
この明石の浦の娘心の娘とは、明石の入道の娘で、将来、今上帝の中宮となる明石の姫君を産む明石の御方のこと。

神戸に住んでいながら、わたしにとっての明石はこの明石の御方なのです。
明石の御方は憧れの女性でもあります。
何ごとも控えめで、しかしながら、才は溢れ、賢く、分を弁えることを知っている。

むかしは源氏物語の登場人物の女性といえば、朧月夜の君が好きだったんですね。
皮肉にも、光源氏が須磨に流される原因になった女性。
須磨に流されなけば、明石の御方とも出逢うことはなかったですし。
源氏物語のお話はここまで。

そう、明石にある江井ヶ嶋酒造のあかし。

実は、5年ぶりに購入したお酒です。
どういうことかと言うと、わたしは病気の関係で5年前にお酒をやめたのですよね。
料理酒やみりんの類は買ってましたよ、もちろん。
でも、それぐらい。
ビール1缶さえ買うことはなかった。

学生の頃から、ひとりでバーに飲みに行くぐらいにはお酒が好きでしたし、神戸の震災の前夜など、わたしが珍しく飲みに行ってなかったと、母から言われたこともありました。

それが今さらなぜ、5年ぶりにウイスキーを購入したのかというと、
「おいしそうな焼きリンゴのレシピを見つけたから」
これだけ。
ウイスキーが大さじ2ほど必要なんですよ(どれだけ焼きリンゴが作れるんだろう…)。

ずっと飲んでみたかったあかし。

わたしのお酒人生の最後のほうは、やっと知多をバーでチラホラ見かけるようになったぐらいです。
あかしの販売は2007年に始まっていたようなので、わたしがお酒をやめる頃には十分市場に出回っていたはずなのに、知らなかった。
せっかくの地ウイスキーを飲まずに終わってしまった!
あれだけモルトが好きだったにもかかわらず!!

お酒に未練は全くないですけど、これは残念すぎですよね。
それが、5年ぶりのお酒購入があかしになった理由。
調べてみると、リンゴとの相性もよさそうですし、合わせてみるのが楽しみですよね。

わたしにとっての明石があかしに変わる日もそう遠くないかも知れません。



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