誰かの心を動かすということ
前回のnoteにて、「なにわ男子」、特に大橋和也さんに心奪われてしまったという話を書いた。
改めて思うのは、
誰かの心を動かすことができるというのは、本当に凄いこと
だということだ。
アイドルに限った話ではなく、映画やドラマを見て感動したり、お笑い番組を見て元気が出たり、小説や漫画を読んでなんだか救われたような気になったり、音楽を聴いて気分が明るくなったりということは、誰しも経験があると思う。
それって、本当に凄いことだと心から思う。
私は、クリエイティブな仕事をしているわけでもない一般人中の一般人だが、それでも、自分が表現したことで他の人の心を動かすことができたと感じた瞬間が、今までの人生で何回かあった。
私は大学生の頃、学生オーケストラに所属し管楽器を担当していた。
近隣の小学校で地域の人向けのカジュアルなコンサートのようなことを毎年やらせてもらっており、プログラムの中で「楽器紹介」をするのが定例だった。
その年はパートメンバーの中でたまたま私がこの「楽器紹介」を担当し、紹介ののちに軽く一曲を演奏した。
コンサートが終わったのち、客席から当時の私の父くらいの年齢の男性が近づいてきて、声をかけてくれた。
「君の演奏している楽器は、なんていう名前なんだっけ?」
私が答えると、その男性は、ふぅんと頷いたのち、にこにこと笑って言った。
君の楽器の音、とってもいい音だね。
すごく心に沁みたよ。
僕は、涙が出そうになった。
この言葉に、私は大きな衝撃を受けた。
ありがとうございます!と慌ててお礼の言葉を繰り返しながらも、こちらのほうが涙がこみ上げてきて、目頭が熱くなった。
私の演奏は、少なくとも一人の人の心を確実に動かすことができたんだ。
このことが、言葉にならないほどうれしかった。
それまでは、ソロなどを担当する時も気が進まず、目立つのやだなぁとか、とにかく間違えないように吹かなきゃ、というどこか後ろ向きな気持ちでいたように思う。
しかし、この出来事から、自分の中でやや意識が変わった。
演奏を会場のお客さんに楽しんで聴いてもらいたい、いい音を届けたい、そのためにはこんな練習をしよう、というような、前向きな姿勢に変わっていった。
本番にも、少しは強くなったと思う(多分)。
もちろん私はプロではないし、所属していたオケだって別にアマチュア強豪団体でもなんでもなかったから、だからなんなんだ、という話に過ぎないといえば過ぎない。それでも、私の中ではとても大きな出来事だった。
社会人になってからは楽器の演奏からは離れてしまっているのだが、この時の喜びは今でも忘れられない。ここ半年くらいは楽器を引っ張り出してきて、たまに吹いてみたりしている。ぜひ、本格的に再開したいものである。
また、ここ数年、私は趣味で小説のようなものを書いている。
小説といっても二次創作なので、あまり大々的に語れるものではないのだが、某サイトにて恐る恐る書いたものを公開していると、「いいね」をつけてくれたり、感想のコメントを送ってくださる方がたまにいらっしゃる。
(二次創作とはいえ)私の書いた物語を読んでくれて、少しでも「面白い」と感じてくれた人がこの世にいるんだと考えると、なんだか夢みたいだなぁと、心からうれしい気分になる。
私なりの表現をして、もしそれがたとえ一人でも誰かの心を動かすことができたのならば、それは胸を張って誇りに思ってよいことなんだと、そんなことを考える。
何万人、何十万人の人の心を動かすことができる表現者の人たちというのは、本当に、本当に、気が遠くなるほど、凄い。
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