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効率のパラドックスに注意

アクセスありがとうございます。
今回は効率のパラドックスについてです。
(効率性についてはいろいろな議論がされていますが、
今回はジェボンズのパラドックスを紹介します)

これは本来効率的なことをしたのに二次的な効果によって
結果的に効率的ではなくなっていること(リバウンド効果)です。
本末転倒のような感覚ですね。

具体的な例だと、
エネルギー効率の良いクーラーを購入し、
従来より10%電気量を節約できたが、お得になったために使用量が増加。
従来より20%使用量が増えたので結果的に電気量が増えてしまった
などがあります。


この議論のポイントはリバウンド効果です。
効率的に動いたことで浮いたソースを
どのように使えるか
がカギとなります。
このソースが結果的に正になればよい訳ですね。

これはエネルギーだけでに留まらず、時間にも当てはまります。
昔は家事や移動にものすごい時間をかけていました。
これが家電や自動車、飛行機などの発明によって自動化がなされ、
それらに費やす時間が大幅に減少しました。
最近ではAI技術によってルーティンワークのような単純な作業は
ロボットができるようになっています。

それらによって生活が快適になった部分は多いですが
幸福度が上がったかと言われれば素直にYESとは言えません。
ストレス社会といわれるように、様々な問題が生じています。
物事には表裏があり、裏の部分による不都合を理解しておく必要があります。

快適、便利が必ずしも幸福度を上げるとは限りません。

ここら辺は難しい問題です。
仕事においては、作業効率を高めることは素晴らしいことですが
仕事量が増えることを意味します。

1時間に50個モノを作る作業を60個に増やす場合、
単純に考えると20%作業量を上げる必要があります。

ロボットや治具によって作業の負荷が軽減されるなら良いですが、
個人の努力だけでそれを求められた場合、
それだけ体や脳に負担がかかります。

これによって賃金が上がらなければ
その分タダ働きをされた気分になってしまいます。

それを嫌ってあえて適当に流すという考えも
理にかなっている部分があるように思います。

経営的な面で言えば人件費は固定費の側面を持ち
作業効率の改善による生産増によって売上が十分に上がらないと
賃金を上げることが難しいです。


効率を上げることは一見良いことのように見えますが
副反応によるデメリットを把握しておく必要があります。

結果的にマイナスになってしまうなら
あえて効率化を行わない
手段もあります。

例えば、普段やっている家事がルーティーンとなっている場合、
それによって心身の調子が保たれている可能性があります。

変化を加えてさらに改善を図るのは良いことですが、
それがすべてうまくいくとは限らず、
ある程度のところで止めておいた方が良かったりします。

(テストで言えば、50点を60点にするのと、90点を100点にするのは
 難易度が違うのと似たような感覚。消費による効果のバランスが大事)

全ての行動がうまくいくことはないし、うまくいかせる必要はありません。
自分が何に幸福を感じるかによって行動を改めていきます。

(逆に、相手がどう感じるかも考える必要がありますが、明らかに迷惑なことではなければそこまで気にする必要はないと思います)

効率的に動いて稼いだ時間やお金で幸福度が上がらなければ
本質的な意味はないと思います。

そのためには自分自身に対する理解が重要です。
効率化を行う前に、それをすることで自分にどのようなメリットがあるのかを考えておくと良いでしょう。
このままでも十分幸せなら無理に改善する必要はないのかもしれませんね。


今回はこの辺で。




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