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『2021年つらかったことオブザイヤー』きたかた食堂@新橋(東京ラーメン短歌散歩その4)

保冷剤タオルに巻いて頬に当て明けない夜の時計見ている
醤油の新橋駅の朝ぼらけ喜多方の街がぼんやり浮かぶ
路上飲みする友もない連休に香典返しの緑茶をすする

「次に歯医者にかかるときは、疼痛性ショックになったことがあるって言った方がいいなあ」

今年も残すところあと1か月ちょっととなり、色々と思い返すことも多い季節になりました。

今年物理的に一番つらかったのは、虫歯の治療です。

ゴールデンウイーク真っ只中、昔治療して銀歯をつめていた歯が痛み出しました。

それまでも何度似たようなことがあり、数日我慢すると直っていたので、まあそんなものだろうと思っていたら、どんどん痛くなる。

その治療をしてくれた家の近所の歯医者に連絡するも、連休中は営業していないということで、絶望に打ちひしがれながら、なんとか痛みがなくなるよう祈りながら保冷剤を当てるのですが、痛みは増すばかり。

夜が更けても眠れないほどの痛みにしびれを切らし、「助けてください!助けてください!」と森山未來になって世界の中心で歯を抑えながらネットで調べると、休日診療に対応してくれる歯医者が見つかり、ネット予約をして翌日向かいました。

すると、ジャージ姿で痩せている眼光鋭い50代くらいの歯医者さんが口の中を見て、治療を始めるなり、

「うわあ、こりゃひでえ!あんたなんでこんなになるまで、ほっといたんだ!」

とブチギレられます。

「痛みがなくなるか確認するために麻酔なしで行くぞ、いいな!」

と形式上の同意を求められ、なすすべなくうなずくと、口の中で工事が始まり、神経にドリルが触れるたびに、全身をカミナリでぶち抜かれるような痛みに襲われます。

とにかくこの歯医者は口が悪く、

「ばかやろう、違うだろ!」

「そうじゃない!キチガイか!」

など口汚く助手の女性に罵声を浴びせます。

拷問ってこんな感じなんだろうなあ、俺、スパイだったら結構耐えてない?とかくだならいことを思って気を紛らわそうとしますが、数秒おきに歯から全身に響き渡る痛みが続いていくと、段々意識が遠のいていきます。

「よーし、終わりだ!最後に麻酔打つから、我慢しろ!」

それがどういう治療なのか、もはや同意することもなく、最後に口の中に注射針が刺され、数秒間、ずっと強烈な電気を流されているような痛みに耐え忍びます。

すべてを終え、ぐったりしていると、歯医者は、何も言わずに消えていきました。

そして、助手の女性が入ってきて、「終わりです」と言われたのですが、立ち上がれない。

しかも、気持ち悪い。

歯の痛みがなくなった代わりに、体の全てに不調が発生し、這いながらトイレに行き、嘔吐します。

もちろん歯の痛みで丸一日何も食べていないので、何も出てきません。

ただ、吐き続けます。

数十分後、ようやく吐き切って、起き上がると、トイレの入り口に歯医者が立っていました。

「疼痛性ショックだな。次に歯医者にかかるときは、疼痛性ショックになったことがあるって言った方がいいなあ」

と言って立ち去りました。

次どうこうとか考えられる状態じゃないよ、今この状態をなんとかしてくれよ、と思いながら、なんとか起き上がり、お金を払って、次回の予約をして、車で帰ります。

すると、車の運転中にどんどん体が寒くなってきて、震えだしました。

ギリギリの状態で家について、横になるも、震えは止まらず、意識も遠くなっていきます。

なんとか歯医者に電話すると、助手の方が一言

「救急車呼んだ方がいいですね」

と言いました。

俺が、呼ぶの!?

もういいです、きっと歯の痛みを放置した俺が悪いんだと、電話を切って、#7119に電話をして状況を伝えると、すぐに救急車が来てくれました。

ストレッチャーで運ばれながら、ああ、死ぬのか、そうね、死ぬのかもね、とか思いながら、意識の確認をされ、運ばれた病院で点滴を打ってもらい、数時間寝るとそこそこに回復しました。

帰宅して朦朧としながら横になって考えるに、そもそも治療をもっと早めにすべきだったのだろう、意識は朦朧としているけど、痛みはない、口は悪いし乱暴だが、きっと腕のある名医なんだろうという結論に達し、それからも、その歯医者に通います。

行くたびに説教はされるし、助手へのパワハラはひどいし、なんだかなあと思いながらも、ほぼ毎週通って、一定の治療が進んだところで、歯磨きの指導を受けることになりました。

家で毎日30分程度、歯ぐきから血が出るまで歯磨きをするよう指導を受け、実践して向かうこと三度。

「だから、歯磨きができないんじゃ、これ以上治療進めないから!」

と毎回ブチギレられます。

言われた通りに歯ぐきから血を出しながら歯磨きの練習をしていたのですが、ついに治療を打ち切る、と言われたので、やってられねえな、とその帰りに昔通っていた歯医者に連絡して、見直してもらいました。

すると、そもそも初めの治療で終わったことになっていた歯の治療が完全にできていないことが判明し、「はじめに」麻酔を打ってもらって、穏便にご治療いただき、件の歯医者に電話をして、「家の近くの歯医者にこれからかかります」と伝えると、「わかりました」と慣れた感じで言われました。

口は悪いけど、技術はある、というのは、もう令和にはありえないんだな、と思いながら、数か月間合計数万円の治療費を払ったのは、勉強代、ということで、変な医者に会ったら、すぐに損切りすべきであると、心に深く残る出来事でした。

本格喜多方ラーメンを朝7時に食べる

プライベートでは、そんな物理的・精神的につらい思い出もありましたが、仕事面では、去年まいた種が少しづつ実を結んだり、そこそこに充実した1年でした。

忙しい毎日の中で、ふと東北の香りをかぎたくなったら、早朝の新橋に向かいます。

JR新橋駅南改札を出て右手に進みます。

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烏森口を出て、パチンコTOP’Sやビッグエコーが左手にある通りをまっすぐ進みます。

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すぐにある「スクランブル交差点」という交差点を左に曲がります。

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まっすぐ進んだところにある「新橋柳通り口」の大きな交差点を渡って、2分ほどで到着です。

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醤油らーめんを注文です。

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スープは、「すっきり」と「まったり」を選べるのですが、喜多方ラーメンの王道の「すっきり」を選びます。

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着丼の瞬間に優しい醤油の香りに幸せを感じます。

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もちもちの麺にトロトロのチャーシュー。
レベルの高い喜多方ラーメンを朝から食べれる喜び。
新橋にいながらにして、福島の風を感じます。

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ごちそうさまでした!

改めて一年を思い返すと、まあ、やっぱりコロナの思い出になるのですが、飲み会の予定が数日後にあるだけで、ストレスで仕事のパフォーマンスが落ちるような人間なので、飲み会がないことで、ものすごくストレスフリーな一年でした。

願わくば、アフターコロナの世界でも、飲み会が好きな人だけが飲み会に行き、飲み会が苦手な人は一人で飲んでいいという、ニューノーマル、新しい資本主義の実現を祈るばかりです。

次回、12月6日(月)更新予定。

良い一日をお過ごしください。

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