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短歌投稿とシュレディンガーの猫~ラーメン二郎三田本店@田町(東京ラーメン短歌散歩その10【最終回】)

塀の上を猫は迷わず歩いていく日差しがここよりまぶしい方へ
くたびれたスーツに沁みる朝の二郎総帥の笑みに背筋が伸びる

自作短歌

猫は死んでいた

短歌投稿の醍醐味は、やはり賞を受賞したり、投稿した短歌が雑誌に掲載されたり、テレビやラジオで取り上げられることである。

落選した賞に対して、「好きな作品を送っただけなので、評価はどうでもいい」とうそぶくのも人間らしくて味があるし、実際本当にそう思っている人がいるのも知っているが、自分自身が、そんな感情になって、ツイートしそうになってしまうときに思うのは、やっぱりそんなのは虚言で、自分の場合は思いっきり認められたいし、ちやほやされたいのである。

短歌を詠んだり、文章を書いたりするのが好きなことは事実であるが、じゃあそれを読んでくれる人が一切いなくても詠み書きするのかといえば、多分しないと思う。

そのくらいの意志薄弱さで文芸に向かうのがいいのか、悩み続けているのだが、悩んだところでその内向きの悩みが成長につながるタイプの前向きな悩みではないことは知っている。

年が明けて、2022年1月以降の採用が実質ゼロである。

不採用となった短歌は、

NHK短歌2月号 4首
角川短歌2月号 7首
短歌研究2月号 4首(1首掲載)
日経歌壇 36首(6首×6週)
第21回NHK仙台 川柳・短歌大会短歌 自由詠部門・当日詠部門 3首

で、合計54首が未発表の短歌として手元に残留した。
(短歌研究詠草は1首掲載されているが、投稿すれば1首は掲載されるので、実質でゼロ。)

投稿するときにいつも考えているのは、シュレディンガーの猫のことである。

短歌投稿をして、採用されたかどうかがわかるまで、私の心の中では、「採用の未来」と「不採用の未来」を重ね合わせて存在しているように思っているが、よく考えれば、出した段階で短歌のクオリティは確定しており、「不採用の未来」しか存在していないのである。

つまり、私の箱の中の猫はみんな死んでいた。

ごめんね、猫ちゃん。

可能性のあったものが順番に踏みつぶされていく中で、何を詠んでいくのがいいのだろうか。

自問自答しながら、また箱に猫を入れる毎日を続けている。

朝の二郎で総帥のパワーをいただく

なんかもうすべてが嫌になって泥酔したいような日でも、翌日の午前に大事な仕事があれば、泥酔はできない。

そんな夜を飲まずにやり過ごしたご褒美は、朝ラーメンと決めている。

そんなご褒美朝ラーメンの最高峰が、平日8:30開店のラーメン二郎三田本店である。

JR田町駅から徒歩10分ほどの位置にあるのだが、地下鉄ユーザーであれば、東京メトロ南北線・都営三田線の白金高輪駅からでも徒歩15分ほどなので、白金高輪駅からのルートを紹介します。

白金高輪駅2番出口から地上に出ます。

みんなが通いなれている白金高輪SERENEb2に行くのと同じ出口

地上に出たら、左手側の魚籃坂下交差点方向へ歩きます。

「藍」は、「らん」って読むらしいぜ!

魚籃坂下の交差点を渡り、桜田通りの大通りを三田方面へひたすら進みます。

交差点を渡って少し行くと慶應義塾女子高があるけど、絶対に立ち寄っちゃだめだよ!

三田四丁目の交差点の向こうの黄色の大きな看板が見えれば、到着間近です。

黄色の看板が見えるかな?
見えた!

白金高輪駅から徒歩15分ほどで到着です。
この日は平日でしたが、7:30ごろに到着したところ、すでに2名の並びがありました。

長島先生も二郎が楽しみでニコニコだね

この日は、8:00にお店を開けてくれました(この段階で15名ほどの行列!)。

ラーメン600円の食券を購入します。

社訓が身に沁みる

着席して数分後、恒例の「ニンニク入れますか?」の言葉をいただき、「ニンニクなし」でお願いしました。

コール後、すぐに着丼。

お野菜もたっぷり!「麺半分」という注文も可能です!
グッドモーニング二郎

デフォルトでもこのボリューム!
早速麺をすくい出してワシワシと噛むと力強い麺の弾力が感じられます。
キャベツたっぷりの野菜は醤油豚骨のスープにぴったりで、麺・野菜・スープを交互に食べ進めると、多幸感に浸れます。
そして、パンチのある分厚いチャーシューは、肉感たっぷりで、これまた絶品です。

一心不乱に食べ進めると、あっという間に完食です。
美味しかった!
ごちそうさまでした!

諸行無常

この日は、ラーメン二郎創始者の山田総帥が厨房に立っており、常連客の方と楽し気に談笑していました。
2020年に喜寿(77歳)を迎えてもなお厨房に立ち続け、今や、ラーメンの1つのジャンルにもなっているラーメン二郎をけん引するこのパワーには本当に頭が下がります。
30代後半になって、年齢を言い訳にすることも多くなってしまうのですが、総帥の姿を見ると、俺もまだまだ頑張れる、と勝手に勇気づけられます。

総帥、いつまでもお元気でいてください。
そんな素直な気持ちを携えて、この日も仕事に向かいました。

さようなら、また逢う日まで

というわけで10回にわたり書いてきた東京ラーメン短歌散歩は、今回で最終回です。

連載をはじめたときは、素敵なエッセイを書き、それに関する素敵な短歌を詠み、ラーメンの名店を素敵に紹介する超絶人気連載にしようと考えていたのですが、読み返すと、日記みたいな文章と謎の短歌とクソ食べログレビュアーレポがつづられていて、味わい深いです。

読めば読むほど、何を言いたいのかよくわからない私の頭の中がそのまま文章になってて、10代・20代の皆様には「大人って大したことないな」という生きる勇気を与え、30代・40代の皆様には「私の方がちゃんとしてるな」と安心感を与え、50代以上の皆様には「ラーメン美味しそう」と食欲を与える素敵な文章の数々ですので、何度でも読んでいただければ幸いです。

何かのきっかけでこの記事を読んでいただいているあなた様、本当にありがとうございます。

マジで毎回数人しか読んでいないので、私が短歌で売れたら、「いや、こいつ昔、私しか読んでない短歌書いてたんだよ」と新参オタに古参アピしていただけると幸いです。

え、お前、そんなふざけた名前なのに、短歌で売れる気があるのかって。

ほら、箱を開けるまで、猫が死んでるかなんてわからないじゃない。

良い一日をお過ごしください。

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