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はじめてのラーメン屋さんに行く~一条流がんこラーメン総本家@四ツ谷三丁目(東京ラーメン短歌散歩その8)

年齢をただ重ねれば人に成るわけではなくてまた二日酔い
一流を極め続ける一条流頑固な店主の柔和な笑顔
この味はこの一瞬のものである風はなくとも空気は巡る

自作短歌

四ツ谷で2度目の成人式を

一条流がんこラーメン総本家。

東京のラーメン好きなら、必ず知っている東京四ツ谷にある有名店。

しかしながら、朝9:00から13:00までの短時間営業であることに加え、必ず1時間以上待つことでも有名な、訪問ハードルの高いお店でもあります。

2022年1月10日、成人の日。

私もラーメン好きおじさんとして、2度目の成人を迎えるべく、四ツ谷に成人式に向かいます。

東京メトロ丸ノ内線四谷三丁目駅4番出口から地上に出て、四ツ谷駅方面に歩いていきます。

2分ほど歩くと、左手に「杉大門通り」の入口があるので、左に曲がって入ります。

数分歩くと現れるスナックなどの入った「メゾンド四ツ谷」のビルの1階が目的地です。

9:00開店の8:00到着で、この行列!

すでに30人ほどが並んでいます。
最後尾がわからずにいると、常連さんが優しく、階段の上の最後尾を教えてくれました!
(ライブアイドルの物販列と同じくらい紳士!)

こちらのお店は、レギュラーメニューだけでなく、土日祝日は、スペシャルメニューを提供しており、この日は、ホタテ貝柱2キロに、丸鷄が20キロ以上使われた上品スペシャル(1,600円)です!

店主ブログ
https://ganko1joh.hatenablog.jp/

行列に並んでいる猛者の方々は、小さな椅子を持っており、自分もめちゃくちゃ欲しくなりました。

はじめてのラーメン店は、緊張します。
特に、このお店のような有名店で、独特のルールがある場合、ネットで色々調べはするものの、実際どうなのか、行ってみないとわからないことも多く、現場に入って、注意を払います。
そして、こちらのお店も行列の作り方が、かなり独特なのですが、前の人の動きを見ていたらなんとか大丈夫でした。

定刻より少し早く8:50頃列が動き出しました。
(この段階で50人ほどの列!)
貝の香りが店の外まで漂っています。

階段を下りて、地上で列を作っていると、店の前で常連さんと思しき方々が、仲良さそうにじゃれあいながら情報交換をしています。
(一人で推しに会いに行くタイプのオタクが肩身が狭くなる感じがライブアイドルの物販列みたいな感じです!)

列が動き出すと、徐々にお店に近づいていきます。
ビルの中に入ると、ヒーターが置いてあり、外に比べて寒さが和らぎます。

10:00入店。この日は、塩か醤油の2種類から選ぶ形になっており、それまでのお客さんがことごとく「塩」を頼んでいるのにならって、「塩」を注文することにします。入店は、お店から、1人出たら、1人入る、という入れ替えシステムです。

注文のタイミングとか、どうするのかな、と緊張しながら、席に座ります。
すると、ネットで調べまくって顔を見ていた店主が優しく声をかけてくれます。
「今日はどっちを?」
「塩でお願いします」
すると、店主は、にこっと笑顔を作って、ラーメン作りに取り掛かります。

なんと優しいお店なんだ!!!

もうこの時点で、ここまで並んでいた疲れが吹き飛びます。
はじめてのラーメン屋で注文などのルールがわからず、まごまごしていると、店主さんやお客さんから鼻で笑われるってことがラーメン屋ってめっちゃあるんですよ。
私なんぞはメンタルよわよわなので、その時点で、もう帰りたくなってて、味がよかろうが悪かろうが、もう心が折れてしまいます。
この店主の笑顔は、すごい。
初めて会ったのに、人の心を優しくさせるパワーのある笑顔です。
ネットのレポでは、はじめての人は、「はじめてなんです」と言うと、優しく説明してくれるというレポートがいくつも上がっていたのですが、そのエピソードが全く納得できる店主の笑顔です。

その後、ラーメンを作っていただいている間に、事前に料金を払って、ラーメンを待ちます。
私は、小心者なので小銭まで用意してピッタリ支払ったのですが、隣の方はお釣りをスムーズに受け取っていました。

「今日は悪魔じゃなくて、天使だよ!」
と店主がトッピングを載せながら、期待感を煽ってくれます。

注文から、数分で着丼です。




スープの鶏と貝の出汁がすごい!
塩や出汁の味がめちゃくちゃ濃いのに、スッキリしているという、書いていても自分でどういうことかわからないけど、本当に旨い。
麺は、やや片目で細めのストレート麺で、ぐんぐん吸い込んでしまう。
そして、超絶柔らかなチャーシューとしっかり炊かれた豚バラのスライスは、酒の風味が強く、濃い味のスープに負けない美味しさ。

最後に卓上の唐辛子フレークをパラパラ振りかけるとピリ辛でこれもまた美味!
デフォルトで200gの麺が入っていて、お腹も大満足です。

ごちそうさまでした!

味はもちろん、接客の優しさも最高で、必ず再訪したいと思いました!
(特典会の対応がよくてオタクになったのに、楽曲がいいとかパフォーマンスがいいとか言っちゃうオタクの気持ちだね!)

また逢う日まで

店内は、ずっと店主のカラオケが流れていたのですが、ちょうど食べ終わりそうになったときに尾崎紀世彦の『また逢う日まで』が流れてきました。

もちろん紀世彦の『また逢う日まで』は最高なのですが、素人の歌う『また逢う日まで』も味があっていいですね。

また逢う日まで逢える時まで
別れのそのわけは話したくない
なぜかさみしいだけ
なぜかむなしいだけ
たがいに傷つきすべてをなくすから

尾崎紀世彦『また逢う日まで』

全歌詞を引用するのは野暮ですが、男女の別れの機微が表現されたこの歌は、今聴いても、歌詞の秀逸さ、歌声の力強さに感動します。

ラーメンとも、一期一会。
食後の名残惜しさはあるけれど、「ごちそうさま」と告げて、私はまた次の旅へ出ます。

ふたりでドアをしめて
ふたりで名前消して
その時心は何かを話すだろう

尾崎紀世彦『また逢う日まで』

良い一日をお過ごしください。

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