空港のど真ん中で母にビンタされた話
成田空港のど真ん中で母から強烈なビンタを食らったことがある。
頬がジンジンと熱を持ち一瞬何が起きたか分からなかったが、事実がカラダを一周すると「ああ」と痺れは去り、そしてやがて大きな解放感で満たされた。
その夏は特に暑さが厳しく、それは台湾も日本も同じだった。
小学3年生、4月生まれの私は周りより早く9歳になっていた。
それまでも毎年、夏休みは丸々母に付いて渡台していた。
滞在先はホテルではなく、母の恋人の家。
物心ついた時から既に彼はいた。
「ダディと呼びなさい」と母