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ビニール1枚の孤独

人間生きていれば誰しも最悪な夜がある。

どんな天才もどんな美人もどんな金持ちも、最悪な夜が訪れるという点では平等だ。

荒んだ心臓のまま、隣にいる人に平静を装って話し始める。
新鮮な空気を奪い合うように。
限りある資源を貪るように。

でも貴方の隣にいる人はビニール1枚隔てた向こう側で相槌を打つ。
親身に
空気の通らない声で

それは悪じゃないよ。
だって私もビニールの向こう側にはいけないもの。
だからガッカリしちゃいけないし傷付く必要もない。

ほら、なんて素敵なイルミネーションだろう。
向こう側の灯りに照らされた私の顔はどう?
美しく映っていてほしいな。

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