SIerの違いを見分けるポイント
今回は、仕事を選ぶときにSIerの違いを見分けるポイントについて解説していきます。本題に入る前に「ビジネスモデルの基本的な評価」についても、おさらいしていきます。
ビジネスモデルの基本的な評価
仕事を選ぶ時に、給料や働き方の待遇だけでなく、その企業のビジネスモデルの評価をすることは大切です。なぜなら企業のビジネスモデルである戦略、強み、競争優位性が、収益力や価値創出方法に直結し、結果的に給料や待遇に反映されるからです。
企業の短期的な成長戦略だけでなく、中長期的なビジョンや戦略も考慮する必要があります。ビジネスモデルが中長期的に持続可能かどうかを判断するためには、企業が将来どのような方向性を持っているかを知ることが重要です。
企業が有する強みや競争優位性は、ビジネスモデル評価において極めて重要な要素となります。企業の強みを正確に把握することで、その強みを活かしたビジネスモデルを構築しているか否かを判断することが可能です。また、企業の創業歴や歴史的経緯を調査することで、一層具体的なイメージを得ることができます。
ビジネスモデルの評価には、単に企業の現状を分析するだけでなく、将来のビジネスに対する展望や、市場トレンドの予測なども考慮することが重要です。これにより、企業の将来性や事業の継続性を評価することができます。
それでは、本題の 「SIerの企業分析」について話していきます。
SIerってどれも一緒じゃないの?
まずSIerとは、企業や官公庁などの顧客から受注したシステム開発・導入プロジェクトにおける、コンサルティングからシステム設計・開発、導入、保守・運用までを行う企業のことを指します。
SIer業界とは?という方は、「【おさらい】SIer業界とは」を参考にしてください。
SIer業界は、IT産業の中でも特に大きな産業の一つであり、多数の企業が存在します。企業によって、経営戦略、得意分野や文化などが異なり、それぞれ独自の強みを持っています。
企業分析の観点
SIerのビジネスモデルを分析する上での基本項目を3つ紹介します!
POINT 1 企業規模:売上、組織人数
企業規模は大きければ大きいだけ良いという単純な話ではありませんが、なんだかんだ大事です。一定の企業規模が無ければ、人員リソースや品質を担保できず、受注できない案件があります。
また、企業規模を調べる注意点としては、システム開発以外の事業を行っている企業や中小企業向けに強い企業もあるので、企業情報を細分化して調査すると理解力が上がります。
POINT 2 事業領域 (システム開発工程)
システム開発工程の「コンサルティングからシステム設計・開発、導入、保守・運用」どの工程を担っているかは結構、仕事選びをする上で、大事なポイントです。
SIerは多重下請け構造なので、発注元(ユーザ顧客)→1次受けSIer → 2次受けSIer → 3次受けSIer と仕事が流れていきます。調査対象の企業が、どの開発工程に携わっているか、どの工程を担うことが多いかを確認する必要があります。
注意 : 多くの企業がHPでは全工程をトータルサポートできますって記載がありますが、要素分解すると異なっている場合があるのでご注意ください ※意外と重要
POINT 3 事業の強み (顧客業界・顧客規模・商材)
SIer企業によって、顧客業界の強み、弱みがあり、それによって提案している商材や顧客との関係構築レベルが大きく異なっています。
例えば、企業によっては製造業には強いが、省庁の案件はほとんどありません。というパターンもあり、将来的に省庁向けに携わりたいって思っていた場合、転職しないと携われないケースがあります。
顧客の企業規模によって、営業スタイルは大きく変わってきます。
一般的には、下記のような傾向があります。
下記のように、様々な括り方があり、正解はないように思えます。どのような商材・システム領域に強みがあるか意識して調査しましょう。
事業の強み (業界・顧客規模・商材)については「サービス一覧」→「案件事例」の順番に調査すると具体的なイメージがつきやすいです。
システム :基幹、情報、業務、WEB、組み込み
インフラ : PC、サーバ、ネットワーク
まとめ
SIerの企業分析について記載しましたが、ご覧いただけましたでしょうか。企業分析をする中で、具体的な内容や競合比較した時にインターネットにある情報だけではわかりづらいと感じる人は多いと思います。なぜなら、会社単位では一概に違いが言えず、部署ごとにも強みが異なっている場合が多いからです。また、企業分析・調査する皆さんの仕事選びの軸によって、分析のポイントは異なると思います。
本当は、具体例を挙げて説明したいのですが、公の場で比較すると、失礼にあたる場合があるため、抽象的な表現になりました。
直接、ご連絡いただければ、具体的なお話しをさせていただきます。
あとがき
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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