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AIと保育記録 - 記憶の彼方への飛躍か、それとも感情的なつながりの断絶か?

テクノロジーの進歩は、我々の生活をあらゆる面で変革しています。しかし、我々の最も感情的で人間的な領域にAIが浸透していくとき、どんな影響が考えられるでしょうか?
今日、保育の世界では、ChatGPTなどのAIが保育記録の作成を助けるという新たな動きが見られますが、この革新に保護者として声を上げたいと思います。

ChatGPTを活用した保育士書類作成時短サービス「レンラクル」リリース!/使い方事例も紹介

https://www.value-press.com/pressrelease/320165

保育ICTルクミー、「ChatGPT」で保育記録の業務効率化を加速

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000031858.html

これらの機能は、保育者の手間を減らし、子どもたちとより多くの時間を過ごす余裕を生む一方で、保護者として心配を抱いています。
AIが私たちの子どもたちの日々を記録するという発想は、驚くべき革新ではありますが、その一方で別の問題や疑問が払拭できていません。

我々保護者の立場からすれば、子どもたちの一日の様子を伝える記録は、ただの事実の羅列ではありません。
子どもたちの微細な表情の変化、声のトーン、無邪気な笑顔の裏に隠された感情...それらを見つめ、理解し、解釈するのは、人間である保育者だけに許された特権ではないでしょうか。そして、それらはAIが記録する冷たいデータではなく、保育者の愛情と献身に満ちた眼差しから伝えられるものなのです。

また、子どもたちの情報は私たちにとって非常に重要で、それがどのように保護され、使用されるのかを理解することは不可欠です。このAIシステムがどのように動作し、何を記録し、それがどのように利用されるのか。そのすべてが透明性を持つべきです。
私たちの子どもたちの情報は、ただのデータセットではありません。それぞれの情報は、愛する我々の子どもの一部であり、それがどのように扱われるかには細心の注意を払うべきです。
現時点で誰もが理解でき、納得する透明性のあるポリシーを持ち合わせているのでしょうか。

さらに、私たちが保育者との対話を失うことが心配です。
AIが記録を作成することで、私たちは保育者からの直接的なフィードバックや、子どもたちの日々の成長を共有する機会を失う可能性があります。この人間と人間との間に起こるコミュニケーションこそが、私たちが保育者と信頼関係を築く重要な要素であり、AIでは決して置き換えることができないものと考えます。

AIの導入により、保育者の作業負荷が軽減されることは確かに期待できます。しかし、それが子どもたちへの愛情溢れるケア、保護者との心からのコミュニケーション、そして何よりも子どもたち自身の幸せに結びつくのでしょうか。
私たちの子どもたちの未来を思う心は、AIとは全く違った、人間だけが持つものです。そして、それが私たちが最も大切にしなければならないものなのです。

皆さんはどう捉えますか?

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