撮った写真はスマホへ転送!顕微鏡撮影も新時代へ!

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今カメラ業界で話題の「無線LAN」。無線LAN搭載カメラやSDカード、さらにはカードリーダーなど続々と新商品が発売されています。
スマートフォンやタブレット端末へデジカメで撮った写真をワイヤレスかつリアルタイムに転送できるとあって、ツイッターやフェイスブック等のSNSユーザーを中心に今注目の新機能となっています。

そんな無線LAN転送機能は顕微鏡撮影にどれだけ有効なのか、早速試用してみました!

今回使ったのはTOSHIBA製無線LAN搭載SDHCカード「FlashAir」という製品です。

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無線LAN搭載のメモリーカードでは代表的な「Eye-Fiカード」というものがありますが、この「FlashAir」は2012年3月に発売されたばかりの新しいもので、Eye-Fiカードとはまた違った使い勝手の製品となっています。

1. まずは初期設定

慣れ不慣れはあるかとは思いますが、説明書通り進めていけば問題なく設定できるでしょう。比較的簡単で、15分もあれば終えられる作業です。PCを経由したりせずにカメラとスマートフォン等だけで設定できるため、そこも手軽でいいですね。

2. 撮影

早々に初期設定を済ませ、いよいよ撮影です!今回はキヤノン製一眼レフカメラEOS KissX5を使用した顕微鏡撮影システム「NY-X5スーパーシステム」で撮影しました。端末はiPadを使用します。

①まずは通常のSDカードと同様、カメラのカードスロットにFlashAirを挿入します。

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② 次に顕微鏡側でピントを合わせ、シャッターを切ります。つまり、撮影の手順はこれまでとなんら変わりありません。

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③ 写真が撮れたところで、さっそくiPadで確認してみます。WEBブラウザを起動し、指定されたアドレスへアクセスします。

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④ すると見慣れたフォルダ名が出てきました。そう、もうこの時点でSDカードの中にアクセスしているのです。

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⑤ 一覧のなかから閲覧したい画像を選択すれば、画面いっぱいに拡大表示されます。

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⑥ 画像の劣化や圧縮等もなく、撮ったままの画像がそのまま表示されます。その場で自在に拡大し閲覧できるのはiPadをはじめスマートフォンならではですね。

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一度アクセスしてしまえばあとは写真を撮る度にWEBページを更新すればいいだけなので、シャッターを切ってから画像が表示されるまでのタイムラグは(電波の状況にもよりますが)だいたい10秒~20秒くらいといったところです。

さらにこのまま保存してしまえば、カードの中にあるデータをワイヤレスに端末へコピーできるわけです。

3. 複数の端末で写真を共有できる

このFlashAirの最大の特徴は前述の通り(Internet ExplorerやFireFoxといった)WEBブラウザから閲覧できるため、専用のアプリなどは必要ありません。そのため、無線LANを搭載(もしくは受信機を接続)していてWEBブラウザが使える端末であれば、いわゆるスマートフォンからPCまで、新旧問わずあらゆる機種で写真を閲覧することができるのです。
また、同時に複数の端末からアクセスできるのもとても便利です。
例えば「研究室で、撮影した顕微鏡写真を即座にみんなで共有し、その場でディスカッションする」なんてことも可能になるわけです。

4. ただのモニターではない、スマホだからこその新体験

無線LAN搭載SDカードを試用してみた感想は、予想以上のものでした。それは単にワイヤレスに写真を転送できるということ以上の新規性に満ちていました。
今まではカメラとモニターを接続し、表示される画像をただ眺めるだけでしたが、それがいわゆるスマートフォン等に置き換わることで、表示された画像をその場で自由に、積極的に操作することができる。きめ細かな細胞写真を自在に拡大したり、切り抜いたり、アプリケーションがあれば様々な加工を即座に施すことも可能です。
また複数人でリアルタイムに共有できるということも、研究の現場をはじめ様々な分野の作業環境を変革することになるかもしれません。さらにSNS等を活用することで、リアルタイムに世界中と一枚の写真を共有できるわけです。

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使い方次第で、大きな可能性を秘めたこの無線LAN画像転送という仕組み。
顕微鏡撮影においても十分に実用性があると思います。

この記事は2012年05月16日に投稿されました。

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