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マイクロラーニングとゲーミフィケーション

 今回はマイクロラーニングとゲーミフィケーションの関係についてお話ししたいと思います。マイクロラーニングとゲーミフィケーションはそもそも全くの別物です。ただ、双方を掛け合わせて使うことで学習効果があると言われています。

ゲーミファイド・マイクロラーニング

 米国の大手ラーニングベンダーの創設者デバドリタ・セングプタ氏は次のように述べています。

 ゲーミフィケーションとマイクロラーニングは、現代では最も人気のあるデジタル学習戦略の一つです。ゲーミフィケーションとマイクロラーニングは、従業員を巻き込み、知識の吸収と定着を促進するために使われてますが、多くの組織では別のものとして使用されてきました。 

ゲーミフィケーションが報酬、ポイント、ルール、競争、課題などのゲーム要素を利用して学習を楽しく中毒性のあるものにしているのに対し、マイクロラーニングはハイエンドなインタラクティブコンテンツやショートムービーなどを活用し情報の過負荷を軽減し、集中力が短くなった現代の学習者が
より効率的に学習できるよう考えられています。

 それゆえ、マイクロラーニングとゲーミフィケーションを組み合わせ、相乗効果を狙った「ゲーミファイド・マイクロラーニング」という造語も出てきました。

 ちなみに海外で言われる「ゲーミファイド・マイクロラーニング」は、学習者が5分以内にミニゲームを終えることができるということを念頭に置きながら作られているそうです。ちなみに、ミニゲームとは任天堂のゲームのようなものではなく通常のラーニングコンテンツに、ポイント、スコア、レベル、バッジ、パワーアップ、成果、タイマー、報酬、ペナルティなどのゲーム要素が加えられてるものと思ってください。ただし、ここで大事なのは常に業務が想像できるようにすることです。

 どんなに素晴らしいアプリを作成しても、仕事と全くかけ離れたものなら意味を成しません。

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学習のフロー

  学習の流れとしては、映像で学習者が実行しなければならないスキルやタスクについて説明します。その後、各チームに分かれゲームを行います。内容は特に業務のシミュレーションになるものが多いです。

 例えばテスト、クイズ、ロールプレーイング、シミュレーション、クロスワードパズルなど何でも結構です。(ツールで作成することをお薦めします)重要なのは、何のゲームをやるかではなく、ゲームを行うことで生産性を上げる とか 業務フローを定着化させるなどの課題解決に対するストーリーです。

ゲーミファイド・マイクロラーニングの実例

 以前、私も試したことのあるゲーミファイド・マイクロラーニングは(その時は このような言葉が全く無かった時代)各部署ごと10チームに別れ、5分程度でできるクイズを定期的に出し、それを業務の隙間にチームで相談しあいながら解いて行きます。

 最終的には正解数と到達までの時間で順位を決めてました。これが思いのほか好評で楽しく効率の良いトレーニングとなりました。また、このことがきっかけで、約6割の従業員がモバイル(特にスマホ)で学習するようになったとのことです。

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やりっぱなしではダメ、最後にフィードバックを伝える

 講師、インストラクターにあたる人は最後に「ゲームの狙いは何であったか」を映像などで伝える必要があります。学習者がより多くのことを探求し、より多くのことを学ぶことを促すような方法でフィードバックをすると良いと思います。

なぜゲーミフィケーションを従業員のエンゲージメントとパフォーマンスを向上させる重要な戦略として採用すべきなのか?

 参考までに、ゲーミフィケーションについてEI Designのチーフラーニングストラテジスト、エーシャパンディ氏は下記のとうに述べています。

 ゲーミフィケーションの目標は、エンゲージメントの向上、行動変容、コラボレーションやイノベーションの促進です。顧客のエンゲージメントを高めることから、イノベーションを実現するためのコラボレーションプラットフォームや、従業員のパフォーマンスを向上させることまで、企業にとってのチャンスは非常に大きい。

  さらにガートナーは、ゲーミフィケーション2020年レポートの中でゲーミフィケーションは他の新しいトレンドやテクノロジーと融合し、次のような分野に大きな影響を与えるだろうと予測しています。

1.イノベーション。
2.従業員のパフォーマンスの設計
3.高等教育のグローバル化。
4.顧客エンゲージメント・プラットフォームの出現。
5.個人開発のゲーミフィケーション

引き続き、この分野をウォッチして行きたいと思います。

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