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マイクロラーニングと「SCORM」は切っても切り離せない縁で結ばれている

SCORM(スコーム)とは?

SCORM(スコーム)という言葉をご存知でしょうか?SCORMとは(Shareable Content Object Reference Model)の略でeラーニング のプラットフォームとコンテンツの標準規格で、アメリカの国防省系の標準化団体ADL (Advanced Distributed Learning Initiative) が制定しています。

 その昔、1990年代に米国の航空会社がeラーニングを始めました。その航空会社が用意したラーニングプラットフォーム(学習管理システム)に対し、様々な教材会社がデジタルコンテンツを作って持ち寄ったそうです。単にホームページであればサーバーを用意してHTMLコンテンツをどんどんアップすれば良いのですが、eラーニングでは正誤判定・採点、学習時間・演習解答習得状況などのログを取得する必要があります。※当時はAICCと呼んでいました。

 そこで、プラットフォーム側に学習ログ(テストが10問あって5問正解、解答に30分かかりましたなど)を送れるよう、作ったコンテンツに共通のマニフェストファイルを同封する仕組みが考えられました。その規格をSCORMと言います。

SCORMにより何ができるようになったのか

その標準規格であるSCORMにより、A社のプラットフォームにはA社で作ったコンテンツしか搭載出来なかったのが、A社のプラットフォームにB社、C社で作ったコンテンツも履歴が取得できるようになりました。下記の図をご覧ください。

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(出典:日本イーラーニングコンソーシアム)

 もちろんマイクロラーニングでも、学習ログを取得する必要があります。学習のやりっぱなしではいけません。いつ、誰が、どれくらい学習をしたか?などの情報を収集し、分析して学習ストラテジーを練らなくはならないはです。それゆえ、マイクロラーニングを行う場合もSCORMコンテンツであることが望ましいです。(SCORMコンテンツで無い場合は、他のプラットフォームに乗り換えた時にコンテンツを全部 作り直す必要が出てしまう)それゆえ、eラーニング同様にマイクロラーニングとSCORM(標準規格)は切っても切り離せない縁で結ばれています。ちなみに、SCORMファイルはツールで生成できます。iTestaroid、iSpring、Presnter、iContentsroid他、eラーニングコンテンツ制作ソフトであれば可能です。

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SCORMファイルとはどのような記述?

実際には、このようなXMLの記述です。現在、世界中のeラーニング/マイクロラーニングベンダーが重宝しています。先にも述べたように このファイルがあるだけで(大まかに言えば)自由に作ったラーニングコンテンツを世界中のプラットフォームにアップして学習履歴を取得することができます。もちろん、SCORMファイルを独自に記述するのは難解ですが、ツールで簡単に自動生成できます。また、ラーニングプラットフォーム側もSCORM準拠であることが望ましいです。ちなみに海外では ほとんどの学習管理システムがSCORMに準拠しています。

※SCORMには1.2と2004の2つの仕様があります。以下、関係する資料です。

SCORM 1.2 と 2004の対比

ステータスの分離 SCORM 2004では、個々のレッスンを完了ステータスと成功ステータスでマークする機能が追加され、より柔軟性が増しました。読み書き可能なインタラクション SCORM 1.2では、インタラクションデータの書き込みのみを可能にしました。SCORM 2004では、過去のインタラクションの状態を問い合わせ、その結果を取得し、それに応じたログをとることができるようになりました(例えば、「スライド1で質問に答えたので、もう二度と答えられない」など)。シーケンス。SCORM 2004では、学生がコンテンツにアクセスする順番を定義する新しいルールを多数提供しています。
例えば、事前に定義されたパスに学習者を制限したり、結果を保存して後で再開することができます。

SCORMの効用

簡単なコンテンツ作成(Easy Content Creation)
既存のコンテンツはSCORMラッパーを介してパッケージ化することができる。(Existing content can be packaged via a SCORM Wrapper)
シーケンスサポート(Sequencing Support)
オーサリングツールのサポート(Authoring Tool Support)
LMSサポート(LMS Support)
簡単コースカタログ作成(Easy Course Catalog Building)
コンテンツを混合してマッチさせる(Mix and Match Content)
標準化されたアーカイブ(Standardized Archiving)

XAPI – TIN CAN 

xAPIまたは別名TinCanとも呼ばれるExperience APIは、オンラインとオフラインの両方の幅広い「学習者体験」に関するデータを収集できる新しいeラーニング標準です。名前の「API」は「アプリケーションプログラミングインターフェース」の頭字語です。

この新しい規格は、学習者またはグループの活動ログに関するデータを多くの異なるテクノロジープラットフォームに送り渡します。とても素晴らしい規格ですが、全く普及してません。

いかがでしたでしょう?参考になりましたでしょうか?

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