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荻野NAO之 【伊東市 day 1】 「月日は百代の過客にして、行きかふ半島もまた旅人なり」

はじめに、2000万年程前、伊豆半島は数百キロ南の海底火山であったという
地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、なにかが水のおもてをおおっていた


2000万年数百キロの宇宙の交差点で、7日ほどの泡沫の場を結ぼうとするマイクロ・アート・ワーケーション初日…


この刹那に心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、はたしてあやしうこそものぐるほしけれとなるのだろうか?


1000年以上前の李白の文を思いだす
「天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過客なり」


2000年以上前の百科事典「淮南子」で「宇宙」は時空間だと定義されている
「往古来今謂之宙、四方上下謂之宇」
宙=過ぎた昔とこれからくる未来
宇=前後左右上下の全部の方向


半島が天地を宿としている旅人で、私はその半島のオーシャンビュー伊豆高原を宿としている旅人で、2000万年という月日もまた私と同じ旅人で、私の7日間からすれば正に永遠の時を旅している旅人で、その交差点である今ここで、他の2人のアーティストの旅人と、やはり旅人であることとなるホストの方々とも一緒に、この泡沫の場を結ぼうとしているマイクロ・アート・ワーケーション…

泡沫に、光あれ!

このワーケーションでは、参加アーティストを「旅人」と呼んでいる
改めて頻繁に「旅人」と呼ばれることで、ふと李白や芭蕉が捉えた広大な旅人の世界観を思い出し、これは伊豆半島のポテンシャルとよく呼応していると思った、良しと思った


このマイクロ・アート・ワーケーションの随所に散りばめられたちょっとした拘りは、普段見過ごしてしまいがちな出会いの機会、出会い方の可能性を改めて浮き彫りにしてくれていると気づいた初日の夕となった

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